これも何かの縁かもしれないと、下書きが溜まる一方の映画ネタで記事に挑戦。映画10選、人生で何度目だろう?
現在編
何はともあれ、今の私が選ぶならということで、現在の10選。
(2021年10月20日時点)
2.2001年宇宙の旅(1968年/米=英) スタンリー・キューブリック
3.ガンジー(1982年/英=インド) リチャード・アッテンボロー
6.アナと雪の女王(2013年/米)クリス・バック ジェニファー・リー
7.U・ボート(1981年/独) ヴォルフガング・ペーターゼン
8.すばらしき世界(2021年/日)西川美和
9.ブリキの太鼓(1979/独=仏=ポーランド他) フォルカー・シュレンドルフ
10.カメラを止めるな!(2017年/日) 上田慎一郎
2000年頃から、映画の評価というより好みを☆1から☆5までの5段階にしている。これまでに評価した作品が約700。その内☆5の41作品から選んでいるが、ここでは1監督1枠とした。そうでもしないと黒澤明、スタンリーキューブリックの二人だけで半分以上が埋まりそう。
映画の観方や感じ方は、高校時代と現在で大きな違いができている。このブログで「高校時代の映画」記事に下書き放置が幾つもあるのはそれが原因だ。高校時代の私の言い分と、今の私の言い分との折り合いが上手くつけられず、物別れになることが続いている。
その辺り、あれこれ理由を述べるより、高校時代の採点(若干の修正あり)を見てもらった方がわかりやすそうだと思い、以下に載せてみる。
高校時代編
高校時代に10選を決めたことは無い。
でも、自分なりの映画の採点基準を決めたくて、いろんな映画に得点をつけていたのを映画手帳から拾ってみた。ただ、採点基準があいまいで、89点や83点、82点なんて作品もある。当時の自分なりの理由はあっても、1点の違いを上手く説明するとなると難しい。そこで、昔の私に少し申し訳ないと思いつつ、年の功で、90点、85点、80点の3グループに振り分けている。最高点は90点という設定だ。上述の基準で☆5に当たるのだが、大人になってから評価が下がった作品もある。
(1984年3月時点での採点)
90点
「2001年宇宙の旅」「ロミオとジュリエット」「ゴッドファーザー」「ガンジー」「風と共に去りぬ」「Uボート」「ブリキの太鼓」「炎のランナー」「E.T.」
(※ 青太字は現在の10選にも残っている作品、リンクはブログ記事にしたもの)
85点
「エレファントマン」「ある愛の詩」「ゴッドファーザーPARTⅡ」「小さな恋のメロディ」「卒業」「クレイマークレイマー」「ジョーズ」「リトルロマンス」「サウンドオブミュージック」「アラビアのロレンス」「勝利への脱出」「愛と青春の旅立ち」「スターウォーズ」「黄昏」
80点
「未知との遭遇」「モダンタイムズ」「街の灯」「禁じられた遊び」「グッバイガール」「ジョーイ」「ラストコンサート」「スターウォーズ帝国の逆襲」「二百三高地」「八甲田山」「テス」「ルパン三世カリオストロの城」「さらば宇宙戦艦ヤマト」「復活の日」「南極物語」「フラッシュダンス」「レイダース失われた聖櫃」「仔鹿物語」「俺たちに明日はない」「グロリア」「刑事物語」「機動戦士ガンダムⅢめぐりあい宇宙」「ラ・ブーム」「ポルター・ガイスト」「スティング」「ワンフロムザハート」「私は女優志願」「理由なき反抗」「風の谷のナウシカ」
標準作品は65点
80点未満の作品は割愛。ちなみに、この頃は普通と思われる作品を65点としていた。1982年1月~1984年3月に映画館で観た作品はリバイバル上映を含めて網羅していると思うが、テレビで観ても手帳に記していない作品は結構ある。また、高校時代以前に観た作品、今となってはストーリーをよく憶えていない作品まで含まれていて驚いてしまう。少し調べれば思い出せる作品もあるだろうが、今はパス。
自分の感性なんて怪しいもの
こうして拾い上げると、映画は自分の感性で観るものだなんて持論が、いかに怪しいものであるか、時代や流行にどれだけ流されていたか、透けて見えてくる。それはそれで若さゆえの過ちか、齢からくる感性の衰えかのどちらかだろう。
点数に納得いかない作品もちらほら。「卒業」が85点?「小さな恋のメロディ」の方が好みだと思うのはしばらく後の話のようで、当初は高評価だったんだなあと、記事とのズレに驚いてしまう。この辺がblogの映画ネタが増えない理由なのだろう。「ロミオとジュリエット」も良い作品だけど、今の私からすると90点はちょっと不可解。恋愛ものは自分の体験も少なかったので、評価が甘かったのかも知れない。
まだ黒澤明も小津安二郎もよく知らなかった頃だ。黒澤明は「影武者」(1980年)で前評判倒れな感じを受け、一方で日本アカデミー賞には批判的であったため、しばらく良いイメージが持てずにいた。それが仕事に就いた頃には、180度見方が変わるのだから、わからないものである。
2007年編
2007年の10選もついでに紹介。(2007年11月17日時点)
2.2001年宇宙の旅(1968/米=英) スタンリー・キューブリック
3.ガンジー(1982/英=インド) リチャード・アッテンボロー
5.ミツバチのささやき(1972/スペイン) ビクトル・エリセ
7.ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米他) ラース・フォン・トリアー
8.U・ボート(1981/独) ヴォルフガング・ペーターゼン
9.あの子を探して(1999/中国)チャン・イーモウ
10.ブリキの太鼓(1979/独=仏=ポーランド他) フォルカー・シュレンドルフ
(※ オレンジ太字は、現在の10選で漏れた作品)
この10選は、けっこう時間がかかった。「一人の監督につき1本」の他に「国別に2本まで(2国以上にまたがる作品は0.5でカウント)」などの条件も課しているからだ。一応10位までつけているが、4位以降の順位はあまり考慮していない。
国別条項がなければ、「ゴジラ」(1954/日)本多猪四郎、「楢山節考」(1983/日)今村昌平、「それでもボクはやってない」(2007/日)周防正行を残したかも知れない。でも既にこの時には、日本の映画監督を二人挙げるなら、黒澤明と小津安二郎は外しようがなかった。
まとめ
選んだときは、これしかないだろうと思いながら選んでいるが、作品自体は変わらなくとも、私の感性が変わるので、10選もその時その時で変わってしまう。もし今、もう一度観直したなら、また違ってくる気もする。
それはきっと、私が作品を十分把握できていないからだろうし、自分で自分の感性をつかみ切れていないからだろう。人の数だけ、映画を観る機会だけ、映画の感じ方はあるのだから、それはそれでいいと思う。