2024年度共通テストの平均点が報道されました。それで思い出しました。
ああ、数Ⅰ編をまだアップしてなかったな。
放置しても誰からもお咎めは無いだろうけれど、毎年少しだけでも解いてきた自分に申し訳ない気がするので、遅ればせながらアップします。
解いたのは数Ⅰの第1問のみ。小問として、[1]不等式(回答欄ア~サ)と、[2]集合(同シ~ノ)があり、配点は20点です。
第1問[1]不等式
ア部分
nは整数です。√13は、√9<√13<√16なので、3<√13<4です。
ここで問題になるのは、√13が3.5以上かどうかです。それによって
6<2√13<7 (n=6)なのか、7<2√13<8 (n=7)なのかが変わります。
そこで3.5を2乗してみます。
3.5
X3.5
------
17 5
105
------
12.25
このことから、√12.25=3.5 なので、√13 は3.5より大きいとわかります。
従って、n=7
ア=7
イウ部分
アは7より、a=2√13-7 となり
b=1/a
=1/(2√13-7)
です。これを変形します。ルートが含まれている分母の整数化には(a-b)(a+b)=a^2-b^2が使えるので、
b/(2√13+7)=1/(2√13-7)(2√13+7)
b/(2√13+7)=1/(2√13)^2-49
b/(2√13+7)=1/4X13-49
b/(2√13+7)=1/52-49
b/(2√13+7)=1/3
b=(7+2√13)/3
となり、
イ=7、ウ=3
エオカ部分
a^2-9b^2=(2√13-7)^2-9((7+2√13)/3)^2 で計算できますが、
ここは、a^2-9b^2=(a+3b)(a-3b)を利用したいです、
a=2√13-7 なのに対して、先のイ、ウで、b=(7+2√13)/3と答えさせたのは、気づきにくくする意図があったのでしょうか。aの無理数と実数の並びに合わせて、b=(2√13+7)/3とします。
そうすると、3b=7+2√13 なので、(a+3b)(a-3b)にそれぞれ代入すると、
a^2-9b^2=(2√13-7+7+2√13)(2√13-7-7-2√13)
a^2-9b^2=(4√13)×(-14)
a^2-9b^2=-56√13
となり、
エ=- オ=5 カ=6
キク部分
ここで、①を変形した式が登場。⑤は、7/2<a<8/2 と同じ。
ウ=3、b=(2√13+7)/3 でした。
ここでは、m/3< (2√13+7)/3 < (m+1)/3 で整数 m を問うているわけです。
これは、m< (2√13+7) < (m+1) と同じ。
①の式で、7<2√13<8 と分かっているので、
7+7<2√13+7<8+7 となり、
14/3<b<15/3 です。
m=14
キ=1、ク=4
ケ、コ、サ部分
要するに、√13 を小数の近似値にして、小数第2位までの数字を出す問題です。
ここで、アを回答する方法が、本筋と違っていたのだろうなと思いました。でも、すでに3.5の2乗が12.25であると分かっています。36の2乗は1225+35+36で1296となり、3.6×3.6=12.96 です。恐らく、√13を小数の近似値にした場合、整数は3です。小数第1位は6でしょうし、小数第2位はおそらく0でしょう。それでも、念のため3.61の2乗を計算。
3.61×3.61=13.0321
13を超えてしまいました。これで確定です。小数にすると、3.60…となります。
ケ=3 コ=6 サ=0
本当は、⑥の式を変形して答える問題でしょうけど、もう、これでいいです。
第1問[2]集合
シスセ部分
全体集合Uは[2,3,4,5,6,7,8,9]で要素は8個です。
a=4 だと、Aは[4,8]、b=5だとBは[5]。
数字の並びに注意して
A∪B=[4,5,8](AとBを合わせた部分)
シ=4、ス=5,セ=8
ソタチ部分
a=2 だと、Aは[2,4,6,8]、
b=3 だとBは[3,6,9]B補集合は[2,4,5,7,8]です。
A∩B補集合[2,4,8](AとB補集合が重なる部分)
ソ=2、タ=4、チ=8
※ただし、回答欄にチ=9としていて、痛恨の入力ミス。
ツテ部分
a=2 だと、Aは[2,4,6,8]、b=3 だとBは[3,6,9]
A∪Bは[2,3,4、6,8,9]で、残りは5と7です
A∪B=C補集合∩D補集合で、5と7を含まないとなると
c=5、d=7 であり、
ツ=5、テ=7
トナニヌ部分
A∪B∪C∪D=[2,3,4,5,6,7,8,9]になるのは、先述のことを組み合わせて、a=2、b=3、c=5、d=7 となり、
ト=2、ナ=3、ニ=5、ヌ=7
ネノ部分
この問題では、私が[2,6,8]⊂ A∪B∪C の「⊂」の意味を取り違えていたのが明らかになりました。「=」と「⊂」の区別をしていなかったのです。
[2,6,8]⊂ A∪B∪C を、AとBとCの要素を全て集めたものが[2,6,8]だと誤解したのです。=と同じに考えました。
a=2だと[2,4,6,8]ですから、4を取り除く条件が必要として、必要条件だが十分条件ではないとして、ネ=0としました。
b=6 だと[2,6,8]に必要なようですが、6は3の倍数でもあるため、必ず必要とはなりません。またb=6では[2,8]の条件を補えません。そのためノ=4としました。
結果とおまけ
採点結果
答え合わせをした結果、入力ミスのチ(-2点)と問題文の勘違いネ(-1点)で誤答。
20点満点中17点でした。
でも、ノは問題を理解できていないのに、たまたま正解になったというだけです。
過去の共通テストの記事を振り返りました。
2023年度は数Ⅰ第1問に挑戦し、20点中20点でした。
2022年度は数Ⅰ第1問に挑戦し、30点満点中、16点でした。
2021年度は、数Ⅰで気になったところだけを解いて、採点はしていません。
点が取れると嬉しいというのはありますが、それ以上に問題を解けたことや、思い出せたこと、学習になったことの方が収穫という感じです。毎度の繰り返しになりますが、現役受験生だった頃の自分には、よくこうした問題を時間内に解けたなと感心してしまいます。
おまけ 集合の記号の打ち込み方
ところで、回答はするのには、Windowsの標準のソフト(アプリ)のメモ帳に記入する形です。こんな感じ。
手書きにしない理由は、2つ。
1)パソコンを常用しているため筆記用具を出すのが面倒。加えて保存場所がはっきりしているので、探す手間もいらず、過去の問題とも比較できること。
2)特に数学の記号や打ち込み方の学習にもなる。
記号で言えば、√(るーと)、∪(カップ)、∩(キャップ)等があり、
2乗を表すのに^2と表記することなども検索して知りました。
今回の収穫は集合関連の記号の打ち込み方。
知っている方も多いと思いますが…
「しゅうごう」と打ち込んで変換キーを複数回押した際に変換候補の一覧が出てきます。その縦に細長い一覧の右下隅に□に→のついたマークがあります。それをクリックすると、さらに集合に関する記号の一覧が出てくるので、必要なものをクリックするとOK。∩ や ∪ も選択できると知りました。今回、⊂はこの方法で打ち込みました。