この記事は「 お茶と水と清涼飲料水。そしてペットボトル(1) 」の続きです。
お茶系無糖飲料の広がり
缶入りお茶の功績
(2)お茶を楽しむスタイルの変化
缶入り緑茶の功績は他にもあります。冷たい緑茶がすぐ飲めるようになったことです。
私が子どもの頃、夏の冷たい飲み物で一番身近だったのは麦茶です。やかんで湯を沸かし麦の粒を入れ、少し煮た後に火を止め冷まします。この時の匂いが好きでした。台所用のたらいに水を張り氷を浮かべ、やかんに水が入らぬようにして粗熱をとった後に冷蔵庫へ。麦茶はそれができました。
でも、緑茶は「宵越しのお茶を飲んではいけない」と言われるほど、味や風味の劣化が早く、茶葉が変質して食中毒も起きやすかったため、冷やしたとしても、早く飲み切る必要がありました。緑茶に氷を浮かべる方法もありましたが、その分味も薄くなりやすく、冷たくて美味しい緑茶を飲むのはそう簡単な話ではなかったのです。
それが、後にペットボトル入りの大きな容量の商品が出ると、冷蔵庫に冷やしておけばいつでも冷たい緑茶が飲めるようになりました。合わせて、お茶を淹れることはぐんと減り、ペットボトル入りを飲むことが当たり前の時代になっていきました。今では、急須などに茶葉を入れお湯を注ぐといったお茶を淹れることを見たことがない若者も珍しくないと聞きます。
ただ、お茶を飲むという習慣は維持できたものの、お茶を淹れるというスタイルや、家族や友人が集まって淹れたてのお茶を楽しむ時間の維持は、今後の課題となりそうです。
(※ 水についての結論)
記事を書いているとずいぶんと長くなりました。そこで先に「ミネラルウォーターと水道水」の結論を手短に書いておきます。また、ペットボトルの話題は次回にします。
<結論>
「駄菓子のような水道水、デザートみたいなミネラルウォーター」
逆にわかりにくかったかも知れません。よろしければ、記事の続きをどうぞ。
ミネラルウォーターの躍進と水道水
ミネラルウォーター販売の歴史
缶入りお茶、ペットボトル入りお茶の普及に隠れて、ミネラルウォーター(もちろん無糖)が販売されたのは意外と古いです。ミネラルウォーター - Wikipedia によると、明治時代に兵庫県の平野鉱泉を用いて炭酸水と使ったのが始まりだそうですが、これは後の三ツ矢サイダーとなっていきます。
また炭酸を含まないものは、1929年に堀内合名会社(現 富士ミネラルウォーター株式会社)が山梨県下部(現 山梨県南巨摩郡身延町下部)の富士身延鉄道(現 JR東海 身延線)の土地で湧出した水を『日本ヱビアン』(NIPPON EVIAN)として発売したのが始まり。
だそうです。水を売るという発想自体は古くからあったようです。
また、登山の山小屋等、水の入手が困難な場所でコップ1杯幾らと売れられたり、夏の甲子園では「(氷を割って水をビニル袋に入れた)かちわり水」があったりと、限定的な販売はありました。まだ水の味にあまりこだわらず、喉の渇きと暑さをしのげればいいという感じだったのかも知れません。そうした例外を除けば、水を買う習慣はほとんどありませんでした。
ミネラルウォーターが身近になったきっかけ
(1)美味しい水を求めて
1960年代には大手酒類メーカーが業務用としてミネラルウォーターの販売を開始。一般家庭には、1983年にハウス食品『六甲のおいしい水』・サントリー『山崎の名水』の発売がきっかけとなったとあります。
実は缶入りお茶よりも早い販売でした。売れ行きが伸びなかったのは、家でも学校でも公園でも蛇口をひねれば、いつでもほぼ無料で無問題に飲める水をわざわざ買うという習慣がなかったからでしょう。
また『六甲のおいしい水』は、発売当初、法的規制で加熱殺菌が必要だったので、1リットル紙パックで発売されたそうです。採水からパックに詰め込むまでの方法も特殊でコスト的にも厳しかったと思いますが、美味しい水を広く販売するビジネスの礎になったと思います。
それでも、広く売られるには時間がかかりました。結局、
1986年には政令「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)が改正され、清涼飲料水の原水基準を準用したものから、新設された「ミネラルウォーター類の製造基準」が適用されるようになったこと
など制度上の課題がクリアしやすくなったことに加え、水道事情の悪化も影響したと思います。
当時の比較的水事情の良いと思われていた日本国内でも、大都市圏などの水道水には、水源の有機物系の臭いや水道配管の錆、さらには消毒のための塩素の臭いやトリハロメタンの危険性など、水質に問題があると感じる消費者も増えている。
ただ、個人的には水道水の水質に問題を感じる消費者が増えたのは、浄水器の宣伝販売の影響も大きいと思っています。(漫画『美味しんぼ』1巻1話(1983年)の影響もあったかも。)
(※漫画では、豆腐の見分けも同時にやっています。水道、料亭は多分東京、丹沢の鉱泉水は神奈川県の名水)
一時期(1980年代後半~1990年代前半)、都会の水道水の味に抵抗を感じる人が多くいたのは事実です。私もその一人。東京や大阪等、都会の水は臭いというイメージがありました。しかし、多くの改善がなされ、飲み比べても味の違いが判らない、検査で安全性も高いと結果が出てもなお、以前と同じ批判を聞くことがあります。どこまで安全で美味しい水を求めるかは個人の判断ですが、一時期悪意を感じるほどの水道水批判があったことは、今も疑問が残っています。もっとも、それゆえの発見もありましたけど(次回詳述)。
(2)持ち運びに便利な水
私の実体験です。父とドライブをして森林公園に到着。父の公園を一周歩こうとの提案受け歩き始めたものの、意外と暑くたくさん汗が出そうに思えたので、自販機で飲み物を買うことにしました。父は小さめのお茶を選択。私は普段なら無糖コーヒーを選ぶところ、歩く道のりはまだ結構あったので、500?600?ml入りのミネラルウォーターにしました。
父のスマホの歩数計によると、歩いたのは3km超でしたが、以前の経緯もあって、父の一歩は43cmの設定です。
でも、テンポよく歩くときの歩幅は50cmを超えると思っているので、4kmは歩いたでしょう。飲み物を買ってから約50分ほど歩いている内に、私のミネラルウォーターは空になりました。途中、ペットボトルを捨てる場所はありませんでしたが、飲み終えた後はつぶしてポケットに入れることができました。
缶やビン、水筒だとこうはいきません。そして、公園を一周した後、元の自販機横のペットボトル入れに捨てました。図らずも持ち運びに便利な水を経験したのでした。
一人でもこれだけ実感できる便利さです。これが大量となると大きなコストや空間の削減になるでしょう。ミネラルウォーターの普及にペットボトルは大きな貢献をしていると思います。
(3)水の備蓄・配布
地震や洪水など水道が使えなくなった時に備え、水の備蓄意識は高まったようです。これは、『ミネラルウォーターの消費量の推移』グラフにも表れています。
農林水産省の「茶をめぐる情勢」(令和3年6月)から参照します。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/cha/attach/pdf/ocha-16.pdf
その「4.お茶の消費動向」でのグラフです。(西暦は筆者の加筆)
ミネラルウォーター(赤枠)の大きな伸びが見える赤矢印は、東日本大震災のあった平成23年(2011年)、青矢印は、西日本豪雨、大阪府北部地震、台風21号(強風で屋根が飛ばされる、トラックの横転多数、関西空港の高潮浸水他)、北海道胆振東部地震などの災害が集中した平成30年(2018年)です。
水の備蓄は、特に東日本大震災以降に強く意識化されたようです。地震発生後、揺れで生じた水道管破損よりも、東京の計画停電に伴う広範囲の水道停止が問題となりました。さらに一部の浄水場で水道水から放射能が測定されたことで飲用を避ける事態も起きました。東京都は乳児1人につきペットボトル3本の水配布もおこなっています。こうしたことから、非難する場合の備えだけでなく、水道が使えなくなった場合の備蓄という意味も強いでしょう。ペットボトル入りミネラルウォーターは、水の備蓄や配布を容易にしたとも言えそうです。
ミネラルウォーターの躍進
それにしても、グラフから見えるミネラルウォーターの躍進ぶりには驚かされます。2000年以前の推移も気になったので、一般社団法人日本ミネラルウォーター協会のサイトで見つけた数値データを元にグラフ化してみました。
1982年には8万7千kLだったミネラルウォーターの生産量が2020年には384万3千kLに、なんと44倍です。「ミネラルウォーター類の製造基準」が適用(1986年)、大容量(2L)ペットボトル使用(1992年)、小容量ペットボトルの販売解禁(1996年)となる中、大きく売り上げを伸ばしました。この間、わずかに前年度を下回ったのは2度(2000年、2019年)だけです。ここでも、2011年と2018年の伸びが見て取れます。
輸入ミネラルウォーターも一定量を維持しています。国産品と輸入品が競合しているというより、日本に訪問、滞在する外国人の需要があるからでしょう。
水道水の現状
ミネラルウォーターが消費を伸ばす中で、気になっていることがありました。それは、水道水が飲用水としての価値を失うのではないかという懸念です。
高校時代にポカリスエットが「清涼飲料水」として「水」を押し出した販売に驚きつつも歓迎した頃から、少しずつ大きくなった懸念でした。
お茶飲料の消費が伸び、徐々にミネラルウォーターを店で見かけるようになった時には、「蛇口をひねったら水が飲めるのだから、水が売れるはずがない」との思いと「もし、飲む水を買うのが当たり前になったら、水道水は飲めなくなるんじゃないか」との不安がありました。その後、水の販売が伸び、自分も買うようになって「水は売れない」が間違いだと悟ったとき、「いつか水道水が飲めなくなるかも」との不安が残ったのです。
今のところ、ミネラルウォーターの消費に絡んで、水道水が値崩れや高騰したという話は聞きません。洪水や地震による影響で、限定された期間に一部地域で、味が変、濁った水が出た、水が出ない等の声や、限定的な感染を聞くことはあっても、通常時の飲用が大きな事故につながった話は聞きません。
水道水の満足度
でも、今後、水道水が飲める水質を維持できるかどうかは、生活レベルの質に関わる重要な問題だと思います。ここで株式会社キュービックの調査を紹介します。
このサイトによると、3500人を対象に、水道水の「味」「安全性(衛生面)」「価格」についての満足度を元にして「総合的」な満足度を割り出しています。そこでは、
現在の水道水について、19歳以下と70歳以上が突出して「味」「安全性(衛生面)」「価格」の満足度が高く、飲み水として利用することへの抵抗も低いと考えられます。
としてします。私見ながら二つの年代ではミネラルウォーターを買うのに、経済的(小遣いが少ない)、生活空間的(家に居ることが多い)理由も影響しているとみます。
とはいえ、「どちらともいえない」層も大きく、かつてのような水道水批判が起きた場合、一気に満足度が下がる危険もありそうです。続いて、
「価格」に満足している割合がほとんどの年代で低い結果となりましたが、「総合的」に満足している割合がほとんどの年代で50%以上と高いため、水道水に強く求められているのは「価格」ではなく「味」や「安全性」であると考えられます。
と、興味深い分析がありました。ミネラルウォーターに美味しさを、水道水には風呂などの生活用水をと、使い方を二分するのではなく、水道水にもミネラルウォーターと同様の価値を求めている点は、とても重要だと思います。けがをした時に傷口を水道水で洗っていいかどうか、水の購入ができない場合に公園など水道水が飲用できるかどうか等は、日本の安全、快適な暮らしに大きく関わってくると考えるからです。
国土交通省水管理・国土保全局水資源部による「令和2年版 日本の水資源の現況」では、現在「水道の水をそのまま飲める国(日本を含む 12 カ国)、あるいはそのまま飲めるが注意が必要な国(37 カ国)」とされています。
参照URL:https://www.mlit.go.jp/common/001371917.pdf
今の日本の水道水は、世界に誇れると思います。
飲める水道水
では、果たして日本で水道水を飲む人はどのくらいいるのでしょうか。上のキュービックの調査の続きです。
「水道水を飲み水として利用していますか?」では、まったく利用しない人が15%程です。逆に言えば、85%の人が頻度の差はあれど飲んでいることになります。このことは水道水の安全性確保ができている証とも言えそうです。
かつての高度経済成長期(1960年後半以降)、一部の場所で、蛇口からカルキ臭い水、嫌な臭いが残る水が出ていたのは確かな話です。やがて1980年代後半~1990年前半には、マンションの貯水タンクの汚れや水道水の問題に触れる報道が増え、不安を煽るように、危険な水を飲まされているとの論調までありました。その頃から、家庭で浄水器をつけることが流行しています。しかし、一般的には、貯水タンクの管理やそこから伸びる給水管の劣化などが匂いや汚れの原因とする見方が強いです。ただ、水道水から感染が広がった例が皆無というわけでもありません。
でも、私が日本の水道水に敬意を感じるのは、こうした疑念や不安への広がりに真摯に対応していることです。かつて水道水の味や臭いに問題に感じた人(私を含む)が多くいましたが、大局的に見れば、水質管理の徹底や、新たな技術開発を促し、水道水の質の維持・向上につながっています。つまり、消費者が水道水の味や臭いに関心を持ち、それを供給者が知り改善を図る、こうした消費者と供給者が水道水の是非を確認し合う良好な関係にあってこそ、初めて水の安全の維持・向上に繋がると考えます。世界で最高水準の安全な水、飲める水道水の維持には、そうした重要な意味があると思うのです。
水の飲み方
(1)キュービックの調査
水の飲み方についてです。
それほど顕著ではないですが、「水道水の満足度」同様、ここでも19歳以下と高齢者でそのまま飲む人が多いです。就職前や退職年齢を考えると、「そのまま飲む」とする人には経済的、生活空間的な理由もあるのだろうと思います。
この調査ではわかりにくいですが、私は水道水を冷蔵庫で冷やして水を飲むのが主流でした。これが回答の1になるか5になるか気になるところ。それでも、予想以上にそのまま飲む人が多かったです。全体の結果を見ると「そのまま」が35%程、「浄水器」「煮沸」等のひと手間いれるのが40%、「ミネラルウォーター」が20%程です。
飲み方をもう少し詳しく調べた京都府の上下水道局の調査も引用します。
二つのグラフを紹介します。
(2)どのように水を飲むか <年代別> 京都市の調査
こちらは複数回答なので、それぞれの割合が高い数値になっています。この調査には、10代の回答がありませんが、年齢が高くなるほど、水道水をそのまま或いは煮沸して飲用する人が多いようです。逆に年齢が低い程、ミネラルウォーターを購入する人が多い傾向が出ています。浄水器の利用は、40~50代で高く、70代では大きく下がっています。
ここでも、働き世代では家での飲水が少なく(外で水を買うことが多い)、高齢者は家での飲水が多い(外で水を買うことが少ない)ことが影響していそうに思います。
(3)どのように水を飲むか <経年変化> 京都市の調査
ここでは「水道水を入れ物に入れ冷やして飲む」のも水道水の飲用に当たるとしての経年変化(時代による変動)を調査しています。
調査年が等間隔ではない(平成30、令和元、令和2年は3年連続)です。特に令和2年はコロナ禍の影響で自宅にいることが増えていることに留意しつつ、平成17年度から時代が進むにつれ「水道水をそのまま飲む」或いは「煮沸して飲む」人は緩やかな増加傾向がある一方、「浄水器利用」は減少傾向に、「市販の水」はばらつきがあるように見受けられます。
令和2年に「市販の水」が少なくなっているのは、コロナ禍の影響かも知れません。同年に、「そのまま」がやや減る一方、「煮沸」、「浄水器」がやや増えたのは、働き世代が家にいる時間の増加、収入の減少による市販の水の敬遠などの影響があるかも知れません。また、回答項目が新たに設けられたこともあるでしょうが、「宅配水」「給水サービス」が増加傾向にあるのも近年の特徴です。何にせよ、時代というより、暮らしぶりの変化が水道水の飲用に影響していそうです。
水道水の私的考察(結論)
こうしてみてみると、水道水は飲用水として予想以上に利用されている気がします。また、水道水の飲用は、経済的、生活空間的な影響を受けやすいとも言えそうです。ただ、今回で引用した調査は水道水利用を促進する立場の物です。ミネラルウォーターの販売を促進する立場からの市場調査とは結果がずいぶん違っています。その点はご承知ください。
それを踏まえて記事をまとめるなら、「今の水道水はそのまま飲めない訳でも無い」「手軽に買える条件にあるなら、飲用水を買う人も多い」「水道水を飲むにしても、安全、衛生面を気掛かりに思って、煮沸や浄水器の利用をしている」といった感じでしょうか。
私の個人的な感想としては、一時期の水道水のマイナスイメージ定着や浄水器の大宣伝、さらにミネラルウォーター消費が伸び続ける中、よくぞ、ここまで盛り返してくれたと水道水の健闘を労いたいくらいです。
もし、水道水が飲用不可ということになれば、やがては料理に使う水、食器を洗う水、風呂に使う水と水格差はさらに広がりかねず、それは新たな経済格差につながっていくと思います。水道水の飲めない国、水道そのものが普及できていない国の大変さを考えると、水道水が飲める当り前さを手放さず、むしろ世界標準になって欲しいと願わずにいられません。
この記事で書いておきたかったのは、ミネラルウォーターと水道水の関係性です。私も以前抱いていた「飲み水は水道水でいいか、ミネラルウォーターにすべきか」という二者択一ではなく、二つは相互補完しつつ、同時に棲み分けのイメージを持つことが大事だと思うのです。
例えるなら、子どもが小腹を満たす駄菓子には駄菓子としての需要がある一方で、許される条件の中で毎日のようにデザートを食べたいと願うこと、食べることもあっていい。どちらが大事ではなくどちらも大事。先に書いた結論「駄菓子のような水道水、デザート的なミネラルウォーター」とはそんな感じでしたが、伝わりにくかったかもしれません。
言い換えるならこうでしょうか。
「命をつなぐ水道水、命を感じるミネラルウォーター」
日常生活の中で命をつなぐ飲める水道水。
乾いた体に潤いを与え、命あることを感じられるミネラルウォーター。
そんなイメージです。
え?余計にわかりづらいですか?
「飲めて当たり前の水道水、飲めて良かったと思うミネラルウォーター」
「蛇口がある安心、ボトルを手にする安堵」
「あふれるほどの水道水、胸に抱いたボトルウォーター」
ん~。どれも今一つのような・・・。
それはともかく。
どこにいても安心で安全な水に手が届く、そんな世界になって欲しいと思います。
※ 現在の最大の気掛かり
ただ…、今、水道に関して最も気掛かりなのは、水道事業民営化の動きです。
2018年に法改正 水道法の改正について |厚生労働省 され、既に、宮城県や浜松市など一部自治体で動いています。検討中の自治体もあります。これから先、民営化で水道水が大揺れになる可能性もあります。施設の老朽化や人材不足に直面する中、今後も安心して水道水が飲める国であり続けられるかを含め、無関心ではいられません。
参考リンク
水道民営化 賛成する自治体、反対する自治体 (橋本淳司:水ジャーナリスト)
上工下水(上水・工業用水・下水 の3事業)一体官民連携運営(みやぎ型管理運営方式)
浜松市水道事業の運営委託方式(コンセッション方式)検討状況について
(長くなったので、次回につづく)
今週のお題「好きなお茶」
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<余談 好きなお茶の飲み方>
今週のお題(何週間前のお題?下書きを始めた時期がわかってしまいそう…)が「好きなお茶」なので、今回はお茶の飲み方について書いておきます。
「番茶80、煎茶70、玉露は60度。良いお茶ほど湯を冷ましてから。」
小学校の家庭科授業で聞いた話です。しばらく、これを金科玉条のごとく信じ込んでいました。母が茶葉を急須に入れ、お湯を注ごうとするときに、よく「そのお茶は何?」と聞きました。我が家ではお茶の品種が良く変わっていました。
「玄米茶。」とか言われると、「それはいいお茶?ふつうのお茶?」と聞き返し、その返事で、お湯が冷めるのを待たないといけないとか、そのまま入れていいとか、横やりを入れていました。温度を計るわけでもありません。私の適当な感じです。
「ほうじ茶」「どくだみ茶」「たんぽぽ茶」等もあったと思います。今思えば、「そのお茶は何?」と聞く私に、母はいろんなお茶を憶えさせようとしていたのかも知れません。誰かにもらったとかで小さな袋から茶葉を入れることもありました。名前は憶えていませんが、とにかくいろんなお茶があると知りました。
でも、冒頭のような金科玉条があるわけでないと高校時代に知ります。何がきっかけだったかは忘れましたが、家で抹茶を飲んでみたいと思い、抹茶は何度がいいのだろうと図書館で調べていたのです。
驚いたのは番茶でした。80どころか100度。それどころか、やかんで煮るとも。私の聞き間違いだったかしらん?とかとか。抹茶にも驚きました。抹茶は玉露より良いお茶だと思っていたのに、煎茶並みの温度でした。
その後、母は抹茶と茶筅、茶さじを買ってくれました。茶碗も良さそうな物を買うと言ってくれましたが、茶道じゃないし、味は変わらないからとみそ汁などを入れるお椀で代用しました。でも、後に自分の浅はかさを知ることになりましたね。
そんなことはともかく、私の好きなお茶の飲み方はこれです。
「このお茶は何?」と聞いて飲むこと。
それへの返事が、お茶を美味しくしてくれるような気がします。