tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

近況16.痩せ型80歳の父、CPAPに悪戦苦闘する 教えるは教わる(2)

前回、CPAPシーパップ:無呼吸症候群の治療に使う医療器具)使用初日のことを書きましたが、父の場合、CPAPに慣れるのにかなり苦労しています。

説明の時、慣れるのが早い人はその日から、遅い人は一ヵ月超えることもあると聞かされていましたが、すぐ使えるようになると達観的に居る父と、一ヵ月かかるかるかもしれないと悲観的に考えていた私でした。

ここでは、CPAPで口止めテープを使うようになった経緯を記します。

(前回の記事では初日から口止めテープを使っている表現になっていたので訂正しています。)

 

「絶対に眠れない」への対処

父はCPAPシーパップ:無呼吸症候群の治療に使う量器具)をつけるようになっても、なかなか慣れることができませんでした。夜中のトイレや喉の渇き、痛みなどで2度3度と起きる日が続きます。また、その度に不平不満を聞かされます。

 

つけたままでは「絶対に眠れない」と言い張るときもありました。そんな時は「慣れるまでに一ヵ月かかった人もいるから、少しずつ慣れるようにしてみて」となだめたり、「機械に慣れると朝までぐっすり眠れる人も多いらしいよ」と期待を持たせたりしました。私からは反論しませんでした。この時の父の「絶対」は、「未来永劫」の意味ではなく、「今はまだ」という限定的なものに思えたからです。もっとも私の父への口癖で「そんな簡単に絶対と言わない方が良いよ。」くらいは言ったかもしれません。

 

 

起きたら一度、鼻マスクを外す

また、夜中に起きた時は、鼻マスクを外さないと居られないようでした。鼻マスクからホースを外せば移動は自由ですが、口をゆすぐ、給水するにはどうにも不便なようです。喉が渇くのに給水をしないのは眠りづらいだけでなく危険もありそうです。マスク装着はやや手間でしたが、その分、装着に慣れるのも早くなります。そこは父の判断に任せました。

 

そのおかげか、不平不満を言いながらも、1回起きた後はもう一度つけて寝てくれました。一回目に起きるのは23:00頃。医者から1日1時間以上はつけるようにと言われた条件はクリアできているのですが、父自身、使い慣れたいという思いもあったのでしょう。ただ、2回目に起きた後は、今夜はここまでと判断し、CPAPを外して寝ることが多かったです。

 

本当に眠れていないのか確かめる

使い始めてすぐの頃は、父が横になりCPAPを動かして部屋の電気を消すのを見届けてから、部屋を出ていましたが、数日経っても慣れる様子はありません。本人は機械が動いている間、ずっと眠れないままだと言います。そこで、ある日から、実際に眠っていないのかどうか、寝ている父の傍らで様子を確かめることにしました。

 

すると、幾つかのことがわかりました。

  • 明らかに眠っているを思われるときがある。
  • CPAPの機械音は、呼吸の状態に合わせて結構変化する。
  • 眠れていないときは、父の口が開いたり閉じたりする。
  • 口が開く(空気が漏れる)とかなり大きな機械音が出る。
  • 父が落ち着いた呼吸で眠っていると機械音はかなり静か。

時間の長さはともかく、確実に眠れている時があるのを確信できたのは大きな収穫でした。

 

私のCPAP仮体験

本来、CPAPは患者の状態に合わせて処方されているので、他の人が使うことは禁止されています。でも、機械音が、呼吸の状態に合わせてどんな変化をするかを知るヒントになると思い、横になって、ホースを手の平で鼻を覆うようにして、機械を動かしてみました。

 

最初は、思いの外、強い圧力の空気が鼻に入ってきます、いえ、押し込まれてるという感じかも。この状態で鼻から息を出すのは確かに容易ではないと思えました。でも、しばらくすると落ち着くので慣れることが絶対に無理という程ではない気がします。窓を開けてゆっくめに走る車の助手席で眠るイメージが湧きました。

 

試しに、少し口を開けてみると、鼻の奥から口を通って圧力のある空気が抜けていきます。しかも圧力はかなり強くなるようです。口から空気が抜ける分、喉をふさぐ舌を押し上げる力が不足するので、機械がさらに強い空気を送るのだろうと思いました。そして、その影響で口や喉が急速に乾き、唾を飲み込もうとしたり、咽たり、痛みを感じるのだろうと考えました。

 

口を閉じていれば、喉の渇きや痛みはかなり軽減されそうです。ネットで得た情報に納得できました。

 

口を閉じた方が眠りやすい?

私としては「口を閉じた方が眠りやすい」ので、それを習慣づけられたら眠る時間も増えて、問題は改善されると思っていました。でも、それが改善へ遠回りする要因になった気がします。

 

CPAP仮体験をしてから、数日「鼻から息を出すようにして、なるだけ口を閉じるように」と父に話していましたが、父の意識は「できるだけ口を閉じる」だけに向いてしまったようです。

 

 

部屋を暗くして父の眠るのを傍らで見ていると、最初の内はぴたりと口を閉じています。そして、眠気が来ると口が開いてしまって空気が漏れ始めます。そうすると父は、自分で口を閉じているようでした。でも、それだとせっかく訪れた眠気を自ら遠ざけるようなもので、眠るのは余計に難しくなるだろうと思いました。再び「教えるは教わる」です。伝え方がまずかったと教わりました。

 

CPAPが眠りを邪魔していると感じていた父

そこで日中、父にお試しでCPAPを装着して寝てもらいました。やはり始めは口を閉じています。でも、数分すると口が開いてきて空気が漏れ始め、それに気づいて口を閉じます。

「口を閉じるのをそんなに気にしなくてもいい」と言うと、「口に空気が溜まってしまうから、口が開いてしまう」との返事。なるほど。父はCPAPの圧力のせいで口が開いてしまうと考えているようでした。これでは、CPAPが眠りを邪魔しているように思えるのも仕方ないように思えました。

 

CPAPの圧力で口が開くわけではない

今度は、鼻マスクを装着したままでCPAPを止めてみました。数分の間は口を閉じていられるのですが、予想通り、器具が停止していても徐々に口が開いてしまうのです。その原因に顎が小さいことと、高齢化と痩せ型による顎の筋力の低下がありそうに思いました。

 

父は、仰向けになっているだけで自然と口が開くことに多少のショックを受けたようですが、口が開くのはCPAPが原因ではないと納得できたようです。そして、その日から口止めテープをしてCPAPを使うようにしました。

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CPAPで口止めテープの有無による違い(イメージ)

テープの有無による違いは明らかにあるのですが、父の場合、テープをしてもそれなりに隙間ができてしまうので、大きな機械音が出てしまうことも多いです。それでも、この辺りから、少しずつ事態が改善に向い始めました。

 

今になってみると、検査入院が一度キャンセルになった直ぐに口止めテープをして寝るようにして正解でした。テープに慣れていなけば、CPAPとテープの二つがいきなり始まるので結構ストレスになっただろうと思うのです。

 

次回は、SPAPを装着して少しずつ眠れるようになったことについて書く予定です。

 

続く

 

近況15.痩せ型の父のCPAP初日 教えるは教わる

CPAPシーパップ:無呼吸症候群の治療に使う医療器具)の説明を受けたとは言え、実物を見るのも触るのも父と私は初めてのこと。いざ、自分たちで使うとなったとき、戸惑うばかりでした。

 

鼻マスク装着から難しい

一度試運転した際に鼻マスクなどほとんど組み立て済みだったのですが、それでも父は自分で装着するところからつまづきました。

 

 

装着の仕方を示すカードもあったのですが、カードの手順3でつまづいてしまいました。鼻マスク下部に左右のフックを引っかけるのが予想以上に大変なのです。

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装着手順を示すカード

実際の写真では赤丸の部分です。

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実際の鼻マスク

写真でも左のフックの向きが逆になっています。シリコンを鼻に当てた状態で、フックが正しい向きかどうか確認しづらいこととや、正しい向きでもしっかりと引っかけることが難しくぽろっと外れることもたびたびありました。

 

また、フックを掛けないと三角おむすびのような形をしたシリコン部分がゆらゆらして安定しないため、鼻にフィットするのもかなり難しそうでした。

 

高齢のため視界が狭かったり、指先がうまく動かせないなどの影響があるのかも知れません。私が父の手を持ってフックを引っかけさせ、手で場所を憶えさそうとしたり、鏡を見てやってもらったりもしました。でも、フックをかけやすい持ち方に手間取ったり、メガネをかけず鏡でフックの向きを確認する(メガネをかけた状態では鼻マスクがかけられません)のも難しそうです。

 

いきなり難題にぶつかってしまいました。私が手を貸して装着するのは簡単ですが、私がいつも実家に居ることはかなり難しい話です。何度も練習しましたが、簡単にはいきません。さて、どうやってつけ方を教えたらいいのか途方に暮れかけていると、父が「フックをかけずにできたらいいんだけどなぁ。」と一言。

 

教えるは教わる

あ。「教えるは教わる」です。フックを掛けるのが難しいのなら、フックを掛けたまま着脱すればいいのではと思い付き、フックはかけたままにマジックテープ部分を締めたり緩めたりで着脱をしてみるといくらか楽にできました。

 

ただ、今度は裏返しや上下反対で装着しようとすることが出てきました。どこを見たら上下と表裏がすぐわかるのか?とみると、写真の黄色枠部分のタグが目に留まります。

「眼鏡なしでも字が見える?」と聞くと「英語はわからん」と即答されました。聞き方がまずかったと「メガネなしでMやLの向きはわかる?」と聞き直すと「ああ、MとLならわかる。」との返事に安心し、写真の状態から先にフックを掛けて大きな輪っかを作り、それをタグが頭の後ろにくるようにかぶるといいと教えると、ようやく一人で着脱できるようになりました。そして最後にマジックテープも自分で調節できました。

 

まず、第一関門クリア!

 

課題は次々現れる

でも、こんな調子ですから、予想をはるかに超えてCPAPの使用までに手間取りました。器具の位置や布団の位置、起きるときのスイッチOFF、ホースの着脱、トイレに行くときはマスクをしたままの方が楽かどうか、マスクをしたままだとコップの水を飲むのも難しくストローを使うか等いろいろ考えましたが、とにかく装着して寝てどうなのかを見てから判断することにしました。こうすると良いだろうという方法を教えるより、実際に使って見て、何が問題になるか父に教えてもらうことに決めました。

 

最大の難関はCPAPを作動してから現れた

いろいろ試してようやく装着して使えるまでになったCPAP初日。

父が布団に入って、鼻マスクをホースに接続、CPAPのスイッチを入れ、鼻から空気が漏れていないことを確かめて、リモコンで部屋の明かりを消す。その流れを見届けた私も「おやすみ」と言って、父の部屋のふすまを閉めました。

 

でも、1時間も経たずに、父は部屋から出てきました。「トイレに行くだけ。」と言っていましたが、トイレから帰ってきたときに父の不満が爆発。

 

「鼻から空気がシューっと入ってきて、口からぷっぷ出るばかりで寝られるはずがない。」「あれだけ音がやかましかったら、寝るなんて無理。」「喉が渇くわ、痛いわ、鼻水が出るわで、とても寝ていられない。」ーー。

 

試運転の際にはCPAPつけて寝られそうと言っていたのが、1時間ほどでひっくり返りました。それでも、水分補給をして少し落ち着いたのか、もう一度やってみると床へ。不満は多くても、再チャレンジするという父に救われた気がしました。

しかし、さらに1時間半ほど経った頃に部屋から出てきて今夜2回目のトイレ。そして再び「寝られん、眠れん。眠れるはずがない」と不満連発です。

 

装着すれば効果が出るというのであれば、強引に装着してもらうところでしょうが、装着たまま睡眠ができて初めて効果が出る器具です。眠れなければ苦痛を強いるだけなので、その後はCPAPを外し、口止めテープだけ貼って 寝ることにしました。 (※ テープを貼って寝たのは数日後からです。2021.04.14修正)

 

慣れるまでに時間がかかることがあると聞いていたので、父には少しずつでも、あきらめず日数をかけて慣れていくといいよと話しました。CPAP初日はこんな感じでした。

 前途多難なスタートでした

 

 続く 

 

続きの記事はこちら

近況14.無呼吸症候群(SAS)とCPAP(シーパップ)

 無呼吸症候群(SAS)の切り札CPAPシーパップ

CPAP(シーパップ)とは、無呼吸症候群の中等症~重症の人が無呼吸状態を起こさないために処方される医療器具です。処方なので、医療機関の診断が必須です。

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)とは「持続的陽圧」のことです。装着した鼻マスクから呼吸に合わせて空気圧をあたえる装置を睡眠時に使用します。軟口蓋(のどの奥)や舌を持ち上げて上気道を開くようにはたらき、いびきや無呼吸をほぼ100%解消します。

 

ただ、人によってはそう簡単に使い続けられる器具とはなっておらず、使用をあきらめてしまう人も少なくないようです。現在、父も悪戦苦闘中です。

今回の記事では、何故、そうした効果が期待できるのかを記します。

理解してもらうために、まず無呼吸症候群(SAS)の説明から始めます。

無呼吸症候群(SAS

 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、夜間の睡眠中に無呼吸と低呼吸(いびき)を繰り返す病気です。
 無呼吸とは、10秒以上呼吸が停止している状態のことです。低呼吸とは、息を吸う深さが浅くなり、吸気振幅が50%以上減少する呼吸等が10秒以上続く場合です。

これにより、体内の酸素が少なくなって、さまざまな運動機能や臓器に障害をもたらします。

  • 深刻な睡眠不足によって、日中でも眠気が強く、集中力が低下したり、眠気のため交通事故や労働中の事故につながることもあります。
  • 低酸素状態になるため、心臓に負荷をかける。高血圧・糖尿病・心筋梗塞脳卒中などの合併症を起こしやすくなる。最悪の場合は突然死につながります 

日本では、2003年2月に起きた新幹線の居眠り運転による事故が発端となり、SASが注目を浴びるようになりました。

※  引用は、https://www.min-iren.gr.jp/?p=21011 からです。他にも参考にした内容もあります。

 

恐いと思ったのは、死因として無呼吸症候群の名前が上がらないことです。運転中の事故では居眠りや前方不注意として、突然死の場合だと心筋梗塞脳卒中になるようです。また、その大きな誘因に無呼吸症候群があったとしても、本人はもちろん、周りの誰もが気づないままになることもあると思われます。

 

上でリンクを貼らせてもらったサイトには

(当院で検査したなかで、無呼吸の時間は最長で2分57秒でした)

との文章もあって驚きました。簡易検査では父の無呼吸の最長も同じ177秒(2分57秒)。一人暮らしになっていた父の無呼吸症候群を、大きな事故になる前に気づけたのは本当に幸運でしたが、ギリギリに近いタイミングだった気もします。

 

無呼吸状態が起きる仕組み

睡眠時に無呼吸状態になる仕組みには幾つかのパターンがありますが、大きく分けて2通りです。

 ・閉塞性睡眠時無呼吸(OSA):気道が何からの要因でふさがれてしまう。
 ・中枢性睡眠時無呼吸(CSA):気道は開いていても脳から呼吸の指令が出ない。

患者数としては閉塞性が圧倒的に多いです。

さらに、閉塞性睡眠時無呼吸になる主な原因が2つあります。2つの原因が重なっていることもあるようです。

(1)肥満
 肥満により、のどの周りに皮下脂肪がつきすぎると、上気道が狭くなります。舌根(舌の付け根の部分)が肥大すると、いっそう狭くなります。
(2)顎が小さい
 顎が小さいと、のどの断面積も小さくなるため、上気道が狭くなります。

これらと関連して、高齢化によって歯並びが悪くなっている、舌や顎を支える筋肉が弱って舌が下に落ち込む、首が短く気道が圧迫されやすい等の影響もあるそうです。

 

※ 下の図は、可能な範囲で聞いたり調べたりして得た私の予想図です。

  実際の仕組みと違っている可能性があります。

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無呼吸になる仕組み(想像図)

私の父の場合、痩せ型で首周りの脂肪がほぼないので、顎が小さいため、または舌を持ち上げる筋肉が弱まっているため、舌根部が上気道に落ち込んでしまって無呼吸を引き起こしていると思われます。

 

治療のためのCPAPシーパップ)の仕組み

無呼吸症候群が判明しても、現在のところ、無呼吸症候群を根治する薬は無いそうです。そこで、無呼吸を作らない機器CPAP(シーパップ)が数少ない対処療法になっています。

  

想像図ですが、CPAPによる治療は、器具からホースで一定程度の圧力のある空気を押し込み、密着させた鼻マスクから鼻に送ります。そのまま空気圧で下がった舌を押し上げ気道を確保して、肺まで空気を送り込むというもの。

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CPAPによる治療(想像図)

ただし、この圧力が弱すぎれば舌を押し上げられず、強すぎると肺から呼気を出せなくなるので調整が難しいようです。医師の処方が必須になっているのはこの辺りに理由があるのでしょう。

 

 

ちなみにこれが父の使っているCPAPです。

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父の使っているCPAP

ライターは大きさ比較のために置きました。使うときに火が必要なわけではありません。

 

父の場合、顎が小さいのでどうしても顎が下がってしまい口に隙間ができてしまうようです。場合によってはCPAPから鼻から送られた空気がほとんど口から出てしまい、あまり効果が出ないということも起こりえます。それを少しでも避けるため、父は口止めテープを貼った状態でCPAPを使っていますが、それでもなかなか難しいです。

 

 

次回は、父がCPAPを使う様子などを書くつもりです。

 

続きの記事はこちら

近況13.痩せ型の無呼吸症候群(SAS)の精密検査結果

以前の記事で、父が無呼吸症候群(SAS)の重症だとわかった経緯を書きました。

※詳しくは上の記事中の「急浮上したもう1項目」 をご覧ください。

なお、先に触れておきますが、無呼吸症候群は肥満型の人に多く、高血圧とも関係してるというのが一般的です。でも、父は痩せ型で低血圧です。そのことは別記事で触れるつもりですが、ここでは、精密検査で重症の診断が下りるまでの経過を記します。

 

 

精密検査までの経過

2019年12月

母が亡くなり通夜で、父と私が並んで寝る。その際、異常なほどに大きく苦しそうないびきをしていることに気づく。

2020年8~9月

ツレ父の介護に入る。ツレ父のいびきの音が実父のいびきと似ていることに気づく。9月上旬にツレ父を看取る。

2020年9月下旬

彼岸頃に帰省。隣の部屋で父のいびきを聞いていると時折、不意に長くいびきが止まるので、父の通っている病院(耳鼻科)に付き添って相談する。その場で、簡易検査を家で2晩続けて行うことを決める。

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簡易検査のイラスト

2020年9月30日、10月1日

睡眠時、家で簡易検査。

20202年10月上旬

簡易検査の結果が出る。

・1時間当たりの無呼吸指数(AI) 9/30-12.2回、10/1-14.4回

・1時間当たりの低呼吸指数(HI) 9/30-2.2回、10/1-1.1回

1時間当たりの呼吸指数(AHI) 9/30-14.4回、10/1-15.5回

無呼吸の最長時間 9/30-177秒、10/1-172秒 (どちらも3分弱!)

睡眠時の酸素飽和度(SpO2)最低値 9/30-59%、10/1-65%

通常は太赤字にしたAHI数値で症状の重さが判断されます。15以上で中等症、30以上で重症なので、それに従えば父は軽症とも言えそうですが、太字の数値が異常です。まず、3分弱も息をしていないこと。そして血中酸素(SpO2)が60%ほどであること。SpO2が75%で静脈血流と同じ程度、つまり体が酸素を取り込んだ後の血液の状態に近いのですが、それ以下ですから、肺からの酸素の補給が無いまま血が体を巡っているということでしょう。ツレ父の場合95%を下回ると意識が朦朧となって慌てたことがあったので、この数値を見た時は血の気の引く思いでした。

すぐに精密検査のため検査入院の予約を取り、12月中旬に決定。

2020年12月中旬

父の検査入院に合わせて帰省。ところがその翌日の朝、私の知らぬ間に父から病院に身体の不調、だるさ、めまいがあると電話していました。折しも、コロナ第3波が拡大中です。あっさり予定はキャンセルに。私としては熱が出たわけではないので、なるだけ早く精密検査を受けて欲しかったとがっかりしました。午後になると体調が戻ったと言っていただけに、やりきれない気もしました。

 

改めて予約できる日を聞くと、病院での検査は、数か月先まで予約で埋まっていて、次の予約をとれたのが3月初旬。それまで、父は何も知らずに高いびきですが、隣の部屋で寝る私は気が気ではありません。いろいろ調べる内、無呼吸症候群(SAS)は寝ている間に脳卒中心筋梗塞を起こしてしまう確率が高く、重症だと通常の人に比べて死亡率が3.8倍になるという報告もあって心配は加速するばかり。

 

がっかりしている場合ではありません。何かいい方法は無いかと、あれこれ探して見つけた方法が口止め(鼻呼吸)テープでした。どれだけの効果があるかは人によって差が大きいようですが、何もしないより良いと思いました。医師に聞いてみると、つけても良いとのことですぐさま購入。それ以来、父につけて寝てもらうようにして、私は別の用事もあったので一度自宅にもどりました。

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口止め(鼻呼吸)テープ

2020年末から2021年明け

でも、自宅に居ても気が休まりません。父が眠っている間に脳卒中心筋梗塞にならないかと気になります。年末から年始にかけては人と会うこともめっきり減るため、なおさら心配で帰省しました。

 

口止めテープは続けていました。父が眠った後にそっと父の傍らで様子をうかがってみると、それなりの効果はあると思えました。

・いびきはあるものの、その音は小さい。

・口に隙間はできるものの、普段に比べ喉の渇きが軽減される。

・口があまり開かない分、鼻呼吸がしやすいのか無呼吸状態になることが少ない。

等です。でも素人判断なので確信はありません。また無呼吸になることもありましたからテープだけでは安心できないとも思いました。

 

実家から自宅に戻っても、悶々と精密検査を待つ日が続きます。父には多少のことで勝手にキャンセルしないようにと電話で何度も話しました。

 

2021年3月初旬 精密検査(検査入院)

病院に向かう途中で

検査入院の数日前に帰省しました。当日の夕方、車で病院まで送っている途中、父が持参する寝間着が長袖なのを気にし始めます。父には、不意に些細なことが気になって、他のことに気が回らなくなる癖があります。前回予約した頃に比べて今回はまだ寒く、長袖の寝間着を持ってきたものの、急に気になり始めたようです。確かに入院準備物には「半袖の前開きパジャマ」と書いてあったのですが、今となってはもう半袖パジャマを買う時間もありません。

気になるなら、病院についてから相談した方が良いと言って、あまり相手にはしませんでした。

 

検査入院直前のお話

コロナ対策で、入院の話をする前に父はPCR検査を受けました。病室まで同行するなら私もPCR検査を受ける必要があるとのことでしたが、荷物は全部運んでくれるので受けませんでした。PCR検査の結果が出るまでの間、親子揃って、看護師さんからこれまでの経緯を聞かれました。

 

看護師さんに、気になったのはいつからかと聞かれ、きっかけが母の通夜だったことをこの時、思い出しました。9月に帰省した折に父の無呼吸を確信したことも話しました。

「息子さん、よく気づかれましたね。」

と言われて初めて、これまでの経緯が幸運の連続だったことに気づきました。母の通夜以来ずっと心配ばかりしているつもりでいましたが、私が以前の仕事をそのまま続けていたら、気づくことも、心配することも無くいたはずです。

仕事をしている頃、父から電話があっても持ち帰った仕事があるから等の理由を言って、あまり話を聞いていませんでした。母の認知症が進み、父が一人で世話をしていた時も、親身になって話を聞く余裕はありませんでした。

 

入院時の所持品を点検をしていると、不意に父が

「寝間着が半袖ではないですが、半袖が必要なら、袖をはさみで切っていいです。」

とジョーク交じりに言いました。この時、ようやく父が自分から無呼吸症候群に向き合ってくれた気がしました。

 

PCR検査では陰性の結果が出て、無事入院できました。精密検査の結果が出るのは約1か月後とのこと。コロナ感染のために人員が手薄になっていて、結果を出すのにそのくらいかかってしまうようでした。

 

その夜、何十年ぶりになるのか、実家で一人寝ました。検査入院で父の睡眠が4時間以下だとデータが取れずに再検査になることは気がかりだったものの、父が病院でいるなら何があっても対処してくれると安心できた夜でした。

翌日、検査は無事に終わり、結果が出るのは早くて3月末。

それまで私は自宅に戻ることにしました。

 

2021年3月中旬 精密検査の結果

ところが3月中旬、父の通う病院から直接私の携帯に電話がかかります。結果がかなり重症だとのことで、連絡をくれたのです。3月末に検査結果の詳しい話を聞くつもりでいましたが、その時の電話で予定変更。すぐ治療器具をレンタルし、下旬には器具の使い方の説明を受けることにしました。

病院からの電話の後、通常の通院をした父から、結果のデータをもらって重症と言われたと電話がありました。こんなに早く結果が出るとは思っていなかったので驚いたとも。

恐らく、状態がよくなかったので急いで結果を出してくれたのでしょう。

 

当初の予定よりずいぶん早く帰省して、父に精密検査のデータを見せてもらうと、

1時間当たりの呼吸指数(AHI) 53.4回 (簡易検査では15回程度)

無呼吸の最長時間  123秒 (簡易検査では177秒)

睡眠時の酸素飽和度(SpO2)最低値 68% (簡易検査では59%)

でした。今回、AHIが53.4なので、重症の判断基準値30を大きく超えています。

 

レンタルする治療器具について少しでも知っておきたくて、ネット検索しました。

CPAPシーパップ)と呼ばれる器具であること、気道に空気を送り込んで無呼吸状態を作らない仕組みであること、使い慣れるまでには個人差がかなりあることなどの情報を先に得て、器具の説明を受けることにしたのです。

 

次は、治療器具CPAPシーパップ)の話に続く予定です。

 

続きの記事はこちら

近況12.父のスマホの歩数計アプリ

80歳の父がガラケーからスマホに変えるかどうかを悩んでいた時、最後のダメ押しとなったのが「歩数計」でした。いろいろな説明を受けた後、歩数計がついていることを確かめてから、気持ちが大きくスマホに傾いた印象を受けたのです。

 

 

ガラケー歩数計

数年前にガラケー歩数計があると知ってから、毎日のように歩数や歩いた距離を確認していました。私との電話で、今日は何歩、何キロメートルだったと報告しすることも多かったです。

 

ただ、どうにも歩く距離が長くて私は半信半疑でいました。30分で3km弱を歩いた計算になるのですが、それだと時速5kmを超える速さです。歩くときに少しふらふらする、周りが揺れている感じがすると話す時でも時速5kmほど。およその計算で歩幅が70cmくらいになっているように思われ、さすがに今の父にはありえない話だと思っていました。

 

私に話すだけなら聞き流してもいいのですが、やや自慢気に他の人にも話すことがありました。もしかしたら、変な誤解を生むんじゃないか?という心配もしてましたが、歩く距離より毎日のように散歩していることの方が大事だと思い、あまり突き詰めずにいたのです。ただ歩幅の設定がおかしいんじゃないかとは話していました。

 

いつだったか、歩幅を測ってみたらと電話で提案したことがあります。でも、上手く測れない、面倒くさい等の理由を並べて、受け付けてくれません。それで、歩数はともかく歩いた距離は信用できないから、他の人に話すときは気をつけるようにと言ってありました。

 

スマホ歩数計

そんな父でしたから、歩数や歩いた距離は励みになっていたのでしょう。スマホになって、初めての通話とメールをした後、確認したのが歩数計のアプリでした。

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父のスマホ歩数計アプリ(こんな感じ)

ただ、歩数は簡単に表示できるのですが、歩いた距離はちょっとした操作が必要です。

毎日の歩数と一緒に棒グラフも表示されますが、それをタップしないと距離は見られません。当初はそれがなかなか覚えられず、何度も「あれ?どうやるんだった?」と聞いてきました。聞かれるたびに教えて「何度もやっている内に憶えられるよ。」とも言っていました。

 

それが数日経った頃、散歩の後に一人で距離数を表示できてずいぶん嬉しかったようです。「初めてスマホが面白いと思えた」というような話もしていました。ただ、そこに示された距離は相変わらずどうにも不自然な数値だったので、先日改めて

「せっかくだから、歩幅を測ってみる?」

と聞きました。私が帰省中の今なら、大体の歩幅を簡単に測れるとも言いました。

「どうやって?」

「廊下の長さを測って、それを何歩で歩けるかを数回試したら出せるよ。」

と言うと

「なるほど。」

との返事で、さっそく確かめることになりました。

目印の柱から柱までが約380cmです。私の歩幅だと5歩と少し。

父が歩いてみると9歩とあと少しでした。ずいぶん歩数が多いです。

「そんなに慎重に歩かなくていいから。」

と、もう一度歩いてもらいましたが、やはりほぼ9歩。8歩で歩いてみてとも言いましたが、8歩で歩くのは無理と言われました。9歩だと計算上、歩幅は42.2cmとなります。

 

その時になってようやく私の失敗に気づきました。父の歩幅を少なくとも50cmはあるだろうと思っていたのですが、それよりはるかに狭かったのです。スマホ歩数計は初期設定の歩幅が70cmほどでした。ガラケーも似た数値だったのでしょう。

 

でも、今更嘘もつけません。スマホには43cmと設定しました。言葉にはしませんでしたが、なんとも申し訳ない気持ちになりました。父は「こんなものだろう。」と笑った風に話していましたが、どことなく落胆しているようにも見えました。

 

これだと30分で3km弱を歩いたはずの距離が、2kmに届かない計算になります。時速4kmより遅いことにショックを受けたのは父より私の方でした。毎日のように散歩しているので、それなりに健脚のはずだと迂闊にも思い込んでいたのでした。

 

 

父、今日も散歩に行く

昨日は雨で行けませんでしたが、今日は散歩に出かけました。少し前なら散歩後に嬉しそうに歩数と距離を話してくれたのですが、今日は残念そうに話しているように見えました。無理もありません。以前の歩幅設定なら2.8km程の距離が、今日は1.6km程です。「いつもと同じ道を歩いたんだけどなあ。」の言葉が、胸に突き刺さります。もちろん、父に悪気はなかったと思います。

 

良かれと思ってした歩幅の計測が、出過ぎた真似になりました。

せっかくスマホ歩数計を楽しんでいたのに…。

出過ぎた真似で失敗したことはこれまで幾度もあったのに…。

 

父は、私が帰省している間だからスマホにできたと言っていました。

そして、先日、スマホが面白く思えたとも言っていました。

父のスマホ新生活はまだまだこれから。

スマホに変えるんじゃなかったと思わせたくはありません。

心機一転、歩数計を見るのが少しでも楽しく思えるよう、明日は父と一緒に散歩しようと思っています。

 

 

今週のお題 

#新生活が捗る逸品