tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

「日の出入の変化は1日約1分」、「初日の出の早い場所」を検証してみた

昨日は冬至。その記憶からの記事。

冬至の日の出

中学3年の冬至に父に無理を頼んで、近くの海岸まで日の出に連れて行ってもらった。元旦に初日の出を拝む場所だ。頭の中では、初日の出とずいぶん離れた場所で日の出が始まるイメージだったが、変わっているようには見えなかった。

 

日本の中央標準時

日本国の法令では、標準時の定義について「東経135度(明石市)の子午線の時」をもって日本における一般の標準時と定め、その標準時を中央標準時と称する

日本標準時 - Wikipedia より

グリニッジ天文台は経度0度、明石市が東経135度。地球ぐるりと回れば360度。

地球がぐるりと回れば1日=24時間。

24時間÷360度≒0.067時間=4分

よって、1度あたりは、4分ということになる。東京だと経度が140度なので、明石市より5度=20分、日の出・日の入りが早いという計算。

ちなみに、

24時間÷360度×135度=9時間

で、日本との世界標準時との時差も算出できる。

 

ただし、あくまで目安であって、高さや地形、緯度、地球の丸みなどの要因も絡み微妙にずれる。日の出頃のラジオ放送で、取材場所、放送局、視聴する場所で、日の出のタイミングに差があったのを憶えている。記事にも書いた。

tn198403s.hatenablog.jp

日本の東と西で夜明けの時間がずれているのもリアルに伝えてくれました。夏であれば、番組が終わる午前5時前、既に日が昇っている所と、まだ見えていない所の話が交錯します。トラック運転手がラジオの歌謡曲を流しながら全国を駆け巡る中、日本が夜明けを迎える―。そんなイメージです。

 

冬至後の日の出入

冬至の日の出に大きな違いがなくてがっかりしたものの、後日、思わぬ収穫があった。初日の出の時刻の方が、冬至の日の出時刻より遅いと気づいたのだ。一年で一番昼間が短い日より、日の出が遅い日があるのに驚いた。では元旦の日の入りはどうかとみると冬至より遅かったた。結果、昼間の時間は、冬至の日よりわずかながら元日よりも短いのである。

 

それ以降、高校時代も新聞の暦欄を毎日のように見ていたので

  • 実は、1年で最も日の入時刻が早いのは冬至ではなく、その10日くらい前。
  • また、1年で最も日の出時刻が遅いのも冬至ではなく、その10日くらい後。

という知識も得ていた。ただし、地元の暦しか載っていなかった。全国各地で違うのだろうとは思ったが、確かめる機会はなかった。

 

その点ネットは便利だ。、今は、全国のどこの場所についても、検索すれば瞬時に暦を表示してくれる。ここでは、兵庫県の年間の日の出・日の入り時刻を見てみる。神戸市のグラフのなので、明石市とは若干ずれがある。

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兵庫県の日の出日の入り年間グラフ

出典: 兵庫県の日の出・日の入時刻一覧と方角 - 日の出日の入時刻・方角マップ

 

グラフだと日の出日の入り時刻の微妙な違いが判りずらいので、表も作成してみた。こちらは明石市のデータ。

出典: 日本, 兵庫県明石市日の出日の入り時間

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冬至前後の日の出・日の入時刻と日長時間 明石市

青枠が今年の冬至12月22日だ。前後と比べると、日の出も日の入も、その後遅くなり続けている。驚いたのが、表では前日12月21日の方が日長時間が1秒短いこと。何だ?どういうことだ?気になって仕方が無いので、可能な範囲で調べてみた。

 

国立天文台のデータと比較

まず、上の sunrise.maplogs のデータと国立天文台のデータを比較。

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国立天文台明石市のデータ

冬至の日の出入り時刻はsunrise.maplogs と分単位で同じだが、他の日には多少のズレが生じている。こちらのデータでは、毎日、日の出と日の入のどちらかで1分の差ができている。でも冬至夏至の頃の変化はかなり小さくなるはずで、規則的に毎日1分ずつ短くなるのも疑問を感じてしまう。

 

ということで、この記事では、 sunrise.maplogs のデータを扱うことにした。

 

またもや謎に突き当たる

色々調べたものの、結局、明確な説明は見つからなかった。計算上の誤差なのか、それとも今年の節分みたい(詳細は tn42.今年の節分は1~2分の差で2月2日  )に、冬至の時刻のタイミングでズレるのか。

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2021年 二至二分(冬至夏至春分秋分)の日時

よくわからないが、明石市以外にも冬至より短い日のあるデータも見つかった。 日本, 岡山県倉敷市日の出日の入り時間 。一方、日本, 京都府日の出日の入り時間 や 日本, 北海道宗谷郡日の出日の入り時間 では、冬至冬至前日とが同じ日長になっていた。そもそも、他に日の出入時刻を秒単位まで表示しているところが見つけられなかった。

 

また、日の出時刻、日の入り時刻は、大気の影響で光が屈折するため、計算上の値と実際とは数分のズレがあるらしい。大気の状態(高気圧や低気圧、水蒸気量)等で変化することもありそうに思う。となれば、1秒の違いにどれだけの意味があるのかも疑問に思えてきた。一番日長の短い日に関しては、もう、いいや。

 

1年の長さや周期、月の満ち欠けのごとく、自然には素人の手に負えない誤差があるのと同じで、日の出入もわからないことがあるとしておこう。

 

春分夏至秋分の頃の日の出入の変化

明石市春分の日(2021年3月20日)前後の日の出入と日長は下の表。

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春分の日前後の日の出・日の入時刻と日長時間 明石市

毎日2分10秒程ずつ変わっている。冬至の頃の変化とはずいぶん違う。

続いて夏至(2021年6月21日)

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夏至前後の日の出・日の入時刻と日長時間 明石市

夏至前後も1日で数秒から10秒程度と変化が小さい。

そして、秋分の日(2021年9月23日)

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秋分の日前後の日の出・日の入時刻と日長時間 明石市

春分の日と同様、1日に2分10秒程度の変化がある。もちろん、日ごとに日長が短くなっているのがわかる。

 

日長時間の地域差

ところで、明石市の日長時間を比べると、夏至(一番長い日)の14時間28分程、冬至(一番短い日)9時間50分程。その差は4時間38分程ある。他の地域ではどうだろう。そんな軽い感じで調べてみたら、いろいろ驚かされた。

 

基本的に、日の出時刻は西より東、低い所より高い所の方が早い。また日の入り時刻は西より東、高い所より低い所の方が早い。更に、白夜現象を考えると、夏は北が日が長く、冬は南が日が長い、そんなイメージだった。

 

下の表に 北海道標津郡東京都庁明石市那覇市、そして富士山頂のデータを集めてみた。(リンク先で各地の日の出日の入り時間が見られる)黒文字が夏至、赤文字が冬至のデータ。

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夏至冬至の日の出入時刻と日長の地域差

ちなみに、各地の位置関係はこんな感じ。

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5つの場所

夏至では、北海道標津郡の日の出(ピンク枠)が最も早いのは納得だが、日の入は東京の方(水色枠)が早くなっていてびっくり。
冬至では、東の北海道より高い富士山の方が早く初日の出が見えるという話を聞いたことがあったが、それよりも東京が早く(赤枠)なっていてまたびっくり。日没は北海道標津郡が圧倒的に早く(青枠)て午後3時47分。

 

地球の軸の傾きが23.4度あって、その影響だろうとは思うが、これまでのイメージがかなり覆された気がする。

 

日長時間は、夏至の北海道標津郡が15時間26分で最長だが、冬至は8時間55分と最短。したがって、1年での振れ幅も1番大きく6時間31分ある。那覇市のほぼ倍。こんなに違うとは思ってなかった。

 

「日の出、日の入の変化は1日約1分」の検証

高校時代、新聞の暦欄をよく見ていた時、夏至の少し前が日の出の一番早い頃で、午前5時より少し前、冬至の少し前が日の入の一番早い頃で、午後5時より少し前なのを知っていた。そこで、かなりの概算ながら、こんな自分の法則を立てていた。

 

  1. 明石市を基準に、春分頃の日の出は午前6時、日の入は午後6時。ただし、日の入は太陽の直径分、光の屈折などで少し(約7分)遅くなる。
  2. 日の出、日の入の変化は1日約1分。
  3. 春分から90日程度で夏至。日の出は90分早く午前4時半、日の入は90分遅く午後7時半。
  4. 夏至から90日程度で秋分。日の出は午前6時、日の入は午後6時。
  5. 秋分から90日程度で冬至。日の出は90分遅く午後7時半、日の入は90分早く午後4時半。
  6. 冬至から90日程度で春分。1に戻る。
  7. 注意:なお、実際は早くても4時半より遅く、遅くても7時半より早い。また経度が1度違うと4分変わる。

 

こんな感じでいたから、明石市と東京で日の出入に約20分(経度5)の違いがあるのもそれほど驚かずにすんだ。表を見ると、北海道標津郡夏至の日の出の早さ、冬至の日の入の早さはさすがに想定外。しかし、南北(緯度)のことを考慮してないのだから当たり前だと納得できる。でも、東京の夏至の日の入の早さと、冬至の日の出の早さは意外。富士山頂や北海道の方が早いと思い込んでいた。

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初日の出の早い場所は?

「日の出、日の入の変化は1日約1分」の目安はそのままでも良さそうだ。

しかし、東京、富士山頂、北海道標津郡と太陽の位置関係が謎になった。

そんな訳で確かな実測値ではないものの、結論として、日本で一番早い初日の出は、富士山頂からスカイツリー展望台に変えた方が良いように思う。

 

※ 詳しい人がいたら、教えて欲しいです。