tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

授業34.2024年度共通テストを少しやってみた(1)地理B編

2023年度大学入学共通テスト

1月13・14日(土・日)の2日間で行われました。

今年は、新型コロナが5類に移行していたためか、感染対策や救済処置も、ここ数年ほどには、言われなかったようです。なお、1月1日の能登半島地震の影響で本試験を受験できない方が受験しやすいよう、追試験場を新たに金沢大学角間キャンパスに設置されることになっています。一部地域で心配された雪も、大きな影響はなかったようです。一方、14日に静岡県JR東海道線で沿線火災のため遅延が生じ、2会場で数学から試験時間の繰り下げがあったそうです。

 

私が共通テストに関心を持つ理由は、自分の「学力」調査と、共通テストから見える世情です。去年は「親ガチャ」を思わせる出題、一昨年は地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画のミスに絡む出題など、時勢に絡む例が珍しくありません。

タイトル



地理B 第1問

今年はまず地理Bを取り上げます。第1問は、世界の自然環境と自然災害に関する小問題が6つでした。異常気象が頻発する現状を反映させたのではないかと思います。

問1~3は比較的簡単でした。ここは3問とも正解。困ったのが問4でした。

第1問の問4

第1問の問4

4都市、オスロシドニー、ローマ、ムンバイの1月と7月の日照時間を問うています。すぐ思いつくのが、北半球と南半球のどちらにあるかです。北半球なら7月の日照時間の方が長く、南半球なら1月の方が日照時間が長くなると考えました。さらに高緯度だと夏に陽が沈まない白夜になるなど、その傾向が顕著なはずです。

 

②の7月に10時間を超え、1月は4時間程の短さなのは北緯の高緯度にあるオスロ、④の7月に2時間程、1月に8時間超えは南半球のシドニー、③は7月と1月がよく似た長さなので、温暖なローマ。となると、①がムンバイ?7月の8時間はともかく、1月の1時間程度は短すぎないか?なら、オスロが①か?となると、ムンバイは②か?

確信は持てないまでも、ムンバイは②と考えました。

 

正解は④でした。全然違ってました。④は南半球とばかり考えていたのですから。

 

実は、この問題、東京が大きなヒントになっているようです。東京は北緯35度程度。北半球ですが、グラフでは7月の日照時間が4時間強、1月は6時間弱と、1月の方が長くなっています。これは、東京の7月は梅雨もあって雨や曇りが多く、日照時間が短くなっているからでしょう。

 

問題文にも「日照時間は都市の緯度や気候によって異なる」と書いています。緯度以上に、気候による影響が大きい場合があると受け止められなかったのがまずかったです。

 

「ムンバイ 日照時間」で検索しようと「ムンバイ」と打ち込むと、検索候補の1位に「ムンバイ 日照時間」が表示されました。共通テストの影響でしょうか。検索して見つけたのがこのグラフ。

ムンバイの気象データ

雨季と乾季の差が著しく、降水日数では1月は0日、7月は25日です。この影響で、日照時間は1月で8時間越え、7月は2時間程度となっています。この気候を知らなければ正解するのは難しいと思います。

 

一方で、ムンバイの気候データを見て驚いただけに、地域の気候の特色を知らぬままに、気候の異常を判断するのは良くないと思いました。

 

(引用元↓)

ja.allmetsat.com

(※なお、グラフの配置を変えるなどの加工をしています。)

 

問5は、カナダでは雪解け水による洪水が多く、メキシコではハリケーンによる洪水が多いと気づければ解ける問題で、正解でした。

 

第1問の問6

2023年の夏、日本は記録的猛暑となりました。問6は、これに関連したと思います。

第1問の問6

日本各地にある20地点の上位記録を印した○、▲、■は、最高気温、最大風速、日降水量のどれに当たるかという問いです。

これには小躍りしたくなりました。2023年の夏にこんな記事を書いていたからです。

その中で、歴代の最高気温20位についても触れました。山形県酒田市の40℃を超えた記録が20位から押し出されるほど、近年の最高気温ラッシュが続いていることも書きました。

 

でも…山形県山形市の記録は20位に残っていたはずです。なのに、山形市の地点には何の印もありません。疑問は、もう一度問題文を読んで解消しました。ここでは「1976年から2021年」の記録を扱っているとのこと。山形市の記録はそれ戦前です。

 

疑問は解消しましたが、軽くショックでした。第一感、1975年以前の記録は古くて扱う価値がないのだろうか?第二感、そうか、もう50年近く前になるからだろうか?第三感、ん、私が共通一次試験を受けたのが1984年。その50年前といえば1934年で、昭和一桁の時代、第二次世界大戦前の記録だとしたら、そりゃあ古いって話になるよなぁ。第四感、気象データの平均値は過去30年分のデータからとってるはずで、そもそもが対象外の記録だよなぁ。第五感、私の受けた共通一次試験そのものが40年前。もう、過去の出題傾向の対象にもならず、むしろ近代史の対象になるのでは?

 

いろんな思考が頭の中をぐるぐる巡りました。若い世代に、私と同世代を古いという人がいるのもある意味、納得してしまいます。私の世代にも、戦争中や戦争前の話は、もう古くて考える価値はないと言う人も、珍しくなかったですから。

 

話が逸れました。戻します。

■(ツ)が最高気温なのはわかりました。次は▲(チ)は最大風速か、日降水量かです。▲の地点を細かく見ると、だいたいが太平洋岸で、北側が山ですから、日降水量でしょう。○(タ)は沖縄の海洋に多く、室戸岬や長崎、佐田岬近辺、大阪関空近辺でも記録。台風の強風で海水面が盛り上がり、関空が水浸しになったり、トラックが橋で横転、らっかしそうになったり、船が橋にぶつかったりした記憶もあります。○が最大風速としました。よって、⑤を選択。

 

こちらは正解でした。

 

第1問の小問題6つで20点満点中、5つ正解で16点でした。

まずまずの結果ということにしておきます。

 

<余談> 1位「記録的猛暑」

日本気象協会気象予報士が選ぶ「2023年 お天気トレンド大賞」TOP5に、1位は「記録的猛暑」、2位に「長すぎた残暑」、3位「世界的高温」、4位「11月の夏日」、5位「台風の少なさ」が選ばれています。

www.jwa.or.jp

「記録的猛暑」の説明には

2023年の日本の夏(6~8月)の全国の平均気温は、1898年の統計開始以降で最も高くなりました。最高気温が40℃以上の「酷暑日(こくしょび)」を福島県伊達市梁川、石川県小松市で観測したほか、群馬県桐生市では年間の猛暑日日数が全国最多の46日となるなど、各地で記録が更新されるほどの暑さになりました。

とあります。

 

気になったのは「酷暑日」との言葉。

気象庁では、2007年に、最高気温が25℃以上の日を夏日、30℃以上の日を真夏日、35℃以上の日を猛暑日として定義しています。まだ「酷暑日」は定義されていないはずと検索すると、

酷暑日とは日最高気温が40℃以上になった日のことを言います。気象庁で定義されているのは最高気温が35℃以上の「猛暑日」までですが、近年の猛暑改め「酷暑」を鑑みて、より効果的に暑さへの注意喚起を行えるようにと、2022年夏に日本気象協会命名した言葉です。

とのこと。(下のサイトより引用)

tenki.jp

2023年9月末現在、酷暑日を一度でも観測したことがある地点は全国約900の観測点のうち、わずかに33地点です。

とのこと。しかし、

2023年9月末現在、「酷暑日」はこれまで68回観測され、今後も増えていくことが予想されます。

命に関わる暑さが更に深刻になりそうです。個人の備えとしての暑熱対策だけでなく、地球規模の早急な環境改善も必要となっていると思います。

 

 

ちなみに2023年度共通テストの記事はこちら。