tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

tn99.サッカー遠藤保仁選手、現役引退、コーチへ。

サッカー選手、遠藤保仁が現役を引退するとのニュース。

正直「お疲れさまでした」と「まだ続けて欲しいのに」との気持ちが交錯している。私の中では、いろんな意味において歴代最高のサッカー選手。もちろん、いろんな評価の仕方があるので、歴代最高とは言えないとする人も多いだろうことは承知の上。

まあ、私の思う歴代最高というのを以下に書いてみる。

 

Jリーグでの記録

2024年1月9日現在で、J1歴代最多の672試合出場、Jリーグ全体で776試合出場、日本代表でも歴代最多の152試合出場。この数字自体も凄いと思うのだが、Jリーグや日本代表でで活躍した選手が海外移籍する流れがあった中、彼がJリーグに居続けたことが大きい。

 

外国語や飛行機が苦手なのかな?とも思ったが、そうでもない感じ。また、決して実力不足だった訳でもない。海外組が多くいる中でも日本代表選手選考に残っているし、国際大会でも活躍している。

 

ベストゲーム

一番印象に残っている試合は、2008年のクラブワールドカップ(CWC)大会準決勝。ヨーロッパ代表クラブ、マンUマンチェスター・ユナイテッド:通称、赤い悪魔)との対戦。遠藤は西野朗監督が率いるガンバ大阪に居て、果敢に攻めるサッカーを展開していた。

 

前年の2007年、準決勝で浦和レッズもヨーロッパ代表のACミランと対戦。0-1で敗退(3位決定戦では勝ち、3位)している。ヨーロッパのサッカーにJリーグのサッカーは、まだまだ及ばないと痛感させられた試合だった。

 

そんな経緯もあって、勝てるかどうか以上に、ヨーロッパ代表クラブにJリーグ屈指の攻撃力が、どこまで通じるのか、それが一番の関心になっていた。試合は予想通り、マンUの圧倒的な強さを見せつけられ、前半で0ー2と厳しい展開に。それも、マンUは自慢の攻撃選手、ルーニーを温存しての流れだったため、ガンバ大阪の攻めでも通用しないのかと落胆した人も多かったと思う。

 

しかし、それでもガンバ大阪は臆することなく攻め続けた。64分、遠藤のFK。ゴールギリギリで阻止されたものの、ガンバの意気はさらに上がり、攻撃を緩めない。マンUアレックス・ファーガソン監督は、構想通りなのか構想外なのか、温存していた主力選手ルーニーを投入。ガンバの攻めを終わらせるつもりだったのかも知れない。

 

ところが、である。ルーニー投入直後の隙?をつくように、遠藤のスルーパスを起点にして、1点を奪い、1点差に迫る。ルーニーは、怒っていたように思う。自分が試合に入った直後に点を決められたのだから。お返しとばかりに、75分、ルーニーはこの試合のファーストタッチで、ゴールを奪う。1-3。再び2点差。そして、立て続けに78分にも、79分には再びルーニーに決められ、1-5に。絶望的な4点差になった、勝負は決まった、ガンバの攻めはこれで沈黙してしまう、赤い悪魔に敵う訳がないと思った人は多かったはずだ。

 

しかし、それでもガンバは攻め続けた。ゴールに向かって走り続ける選手、ボールをパスし続ける選手。その諦めぬ攻めが、マンUのハンドに繋がった。PK獲得。蹴るのは遠藤。

 

当時、遠藤のPKは「コロコロPK」と呼ばれる蹴り方で決めることが多かった。助走時間をとって、ゆっくりボールに近づき、ボールを見ることなくGKの動きを見抜き、キーパーの逆方向にボールを転がすのである。GKが動いた逆方向へ、ゆっくりコロコロとゴールに吸い込まれるように入っていく。GKを嘲笑っているかのようにも見え、残酷だという声もあった。

 

いつも程のゆっくりではなかったと思うが、ここをコロコロPKで決めた。マンUのGKはオランダ代表の名選手。ここでも、遠藤の技術が、ガンバの攻撃が、世界に通用することを示したのである。この時の興奮に勝るものはなかった。

 

よく、眠たそうな目をしている風に見られ、ガチャピンと呼ばれていた。熱くならない、冷めている選手なんて言われることもあった。そんな冷静さを失わずに、PKを決め、会場を、視聴者を熱くさせる。

 

これにガンバの選手も熱くさせたのだと思う。ロスタイムにもう1点決めて、結果は3-5。世界の壁はまだまだ高い。しかし、ヨーロッパでもマンU相手に3点とれる試合は珍しい。それでも、結局勝てなかったという見方はできるだろう。でも、落胆の中でも希望を見出せるプレーをしてみせた試合の記憶は、今なお、色褪せない。

 

引退会見無し

遠藤保仁が現役を引退するニュースは、同時に引退会見をしないことも知らせてくれた。これまたいろいろ意見もあるようだが、私は「らしく」ていいなと思う。是非会見をと身を傾けるマスコミを横に、コロコロとゴールする。で、「ああ、やっぱり遠藤保仁だなぁ」と思うのだ。

 

Jリーグに居続けて、世界に引けを取らないパフォーマンスをして、現役の最後は、移籍したJ2のジュビロ磐田をJ1に昇格させるのに貢献した。そして、引退会見はせず「【遠藤保仁 引退コメント】遠藤保仁からみなさんへのメッセージ」としてyoutubeに動画をUP。

 

自分の居る場所で、自分のスタイルを最後まで貫いた現役26年。

今後は、ガンバ大阪でコーチをするそうだ。

「経験を積んで、必ずいい指導者になりたいという目標を持ち、毎日モチベーションを高く、何より楽しく過ごして行けたらいいと思っています」との抱負。

今後も、ついついいろんな期待をしてしまうのである。

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