tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

近況55.痩せ型の父のCPAPを振り返る(2)

慣れるまで3ヵ月弱

父が2021年3月下旬からCPAPシーパップ睡眠時無呼吸症候群の治療に使う医療器具)を使い始めて2年9ヵ月になります。最初の内は「これを着けて寝るのは絶対に無理だ。」と言っていた父でした。でも、自分の無呼吸状態の録音を聞いて以降、何とかしないとまずいと思ったのでしょう、着けることを受け入れてくれたように思います。結局、悪戦苦闘は3ヵ月ほど続き、ようやく装置に慣れ、装着したまま眠ることができるようになりました。その辺りは前回の記事にも書きました。

記事の最後には、「CPAPをつけて寝ることにはずいぶん慣れたようでしたが、私には気になっていることが幾つかありました」と書きました。

 

気になっていること

1.CPAPの効果

父には、睡眠時無呼吸症候群の状態と、それが生活に及ぼす影響、そしてCPAPの期待できる効果を話していますが、あまりよくわかってもらえません。

 

そもそもCPAPは、SAS睡眠時無呼吸症候群)を治すのではなく、無呼吸状態を起こさない装置です。圧力のある空気を肺に送り込み、喉を塞いでいる落ち込んだ舌を押し上げて、気道を確保する仕組みです。

 

でも、父はCPAPを着けてもSASは治らないという部分だけ理解して、「治らないなら、無理してCPAPを着ける必要はない」と言うことが良くありました。私は「無呼吸状態にならないから、効果は出ている」と話しています。

 

CPAPを使い始める前には、何度か眩暈やふらつきの症状が出て歩けなくなることがありました。使い始めて半年くらいしてそれがずいぶん減り、看護師さんも指摘してくれました。私はその言葉がとても嬉しかったのですが、父はCPAPは関係ないだろうと言っていました。その理由は、CPAPの効果がてき面に現れず、長い時間がかかっているから、他の原因があるはずというのです。

 

CPAPに限らず、薬も効果がてき面でなければ、「全然効かない。」ということは珍しくありません。また、痛みや発熱が治まれば「治った」と言って薬をやめてしまうこともあります。

 

使い始めて1年が経った頃は、それが一番の気掛かりでした。

父は、CPAPをやめたいとは言わなくなったものの、CPAPの効果には無頓着に見えます。私からすれば、一時期頻繁に訴えていたふらつきも、眩暈もかなり減少したと感じているのですが、少しでもふらつきがあれば、全然良くなっていないと言います。この言葉が、じわりと応えるのです。何だか、私のしていることが無意味に思えてくることがあるのです。

 

2年9カ月経った今でも、私がしつこくCPAPの効果を話し、帰省している間は、父がCPAPをきちんと装着し、起動してから寝るのを見るようにしています。また夜1時過ぎまでには一度以上、父の寝ている様子を確認してから寝るようにしています。そんな感じにしているためか、今の所、うっかりでなければ装着しないことは無いようです。

 

2.認知症CPAP

SASは、血液の酸素飽和度が下がります。父の場合、簡易検査で3分近い無呼吸がありました。酸素飽和度は59%まで低下。通常、体中に酸素を運んだ後の血液でも75%程はあるそうですから、酸素の補給が無いまま、血液が体を巡っていたことがわかります。

 

当然、体に重大なアクシデントも起きやすくなります。心血管疾患(心筋梗塞狭心症心不全不整脈など)や脳卒中(脳血管疾患)、突然死等のリスクも高いです。直接命に関わらずとも、認知症やうつ症の等の合併症もあります。

 

CPAPを使い始めた頃は、とにかくそうした事態が起こらない間に、慣れて欲しいと祈るような思いでした。幸いにして、祈りは通じたようで、突然の重大なリスクは避けられています。

 

でも、認知症のリスクを軽減するのもCPAPの効果ですが、CPAPを使っていても認知症を完全に防げるわけではありません。気掛かりはそこにあります。もし、認知症になったら、CPAPを装着し忘れてしまう、或いは使用中にPAPを外してしまう事態が起こり得ます。そうなった時、認知症の進行は早いと予想されます。何とかそうならない様、願うばかりです。

 

3.一喜一憂

父には、SASだとわかる前から、眩暈やふらつきが起きると「もう駄目だ」と言ったり、2,3日調子のいい日が続くと「もう治った」と言ったりする癖があります。

 

コロナ感染が拡大していた時期も、毎日の感染者数に一喜一憂。数値が高い傾向にあった水、木、金曜日あたりだと、「これは大変だ。出かけるのは無理。」と言い、数字が低い傾向のある月曜日には「これで、もう大丈夫だろう」と言っていました。一週間や一月、一年単位といった長い目で見ることを疎かにしがちです。

 

CPAPを使い出す前から、一晩に4、5回トイレに起きることは珍しくありませんでした。CPAPを使うようになって直ぐの頃もそれが続きました。CPAPで頻尿が軽減されるとも聞いていたので期待は大きかったのでしょう。むしろ、すぐにはっきり効果が出ないとなると「効果がない、頻尿は死ぬまで続く」と落ち込んでいました。

 

CPAPを使い始めて1年と2ヵ月の頃には、私からすれば

よく眠れるようになったと思います。トイレに起きる回数も、以前なら少なくて3回が、今は多くて3回です。

だったのですが、父はなかなか少なくなったとは言わず、「まだ、減っていない。何回も起きる」と言っていました。

 

でも、使い始めて2年9ヵ月。「トイレに起きても、一晩に1,2回。一晩中起きないことも珍しくない」と自認した様子。ところが、今度は珍しく3回起きた時に「また頻尿になったんじゃないか、寝る前には水分を摂らない方がいいんじゃないか」等と言うことがあります。

 

頻尿で睡眠不足になるより、水分不足で血の巡りが悪くなる方が、何倍も危険だと言い続けていますが、父はちょっと気になることがあると、すぐ考えが変わってしまうことが珍しくないのが厄介です。

 

今の状態

夜中にトイレに起きることも、眩暈やふらつきもかなり減っていることは確かです。

 

それでも、父はそれらを「CPAPのおかげ」とは言いません。CPAPによる不便も多いからでしょう。床に就く前に自分で装着していますが、CPAPのベルトがねじれたり、ゆるんでいたりすると、時間がかかってしまうこともあります。CPAPを装着した後に、口止めテープを忘れていて、苛つきながらやり直すこともあります。また、かなり慣れたとは言え、今でも、装置の音が気になって寝付きにくいこともあるようです。

CPAP

そんな感じで気になることにキリがありませんが、今は安定して使えていると私は思っています。この調子がずっと続きますように。

 

 

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