tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

tn89.秋分の日は、昼より夜が短い。ウソ?ホント?

今日、2023年9月23日は秋分の日。

地球と太陽の位置

春分の日秋分の日は夜と昼の長さが同じとされます。

でも、実は昼より夜が短いというお話です。ウソ?ホント?

 

日の出入時刻を確かめる

論より証拠で、まず、今日の日本各地の日の出入時刻、昼間の長さを見てみましょう。

秋分の日 各地の日の出入り時刻

昼夜の長さが同じなら、午前と午後の違いはあっても、どちらも同じ時刻になるはずですが、そうはなっていません。また、春分秋分の日は、日の出が午前6時、日の入が午後6時とのイメージがありますが、日本標準時とされる明石市でも、そうはなっていません。

 

さらには、1日24時間、その丁度半分が昼なら12時間ピタリのはずが、明石市での昼の長さは12時間8分19秒です。となると、昼の方が8分19秒長いと考えるのは早計で、1日24時間から計算すると、夜の長さは11時間51分31秒で、その差は17分48秒にもなります。ちょっとした誤差ですむ話ではありません。これなら、もっと昼夜の差が小さくなる日があるはずです。

 

昼の方が長い理由

なぜ、こんなに差があるのに、秋分の日は昼と夜の長さが同じとされるのでしょう?

 

原因は、日の出入時刻の定義にありました。

では、ここで問題、第1問。

日の出時刻とは、どの状態になった時刻でしょう?

日の出はどれ?

答えは、A。これから陽が昇るという瞬間の時刻になります。

 

続いて第2問。

日の入り時刻とは、どの状態になった時刻でしょう?

日の入りはどれ?

答えはC。完全に陽が沈んだ瞬間の時刻になります。

 

つまり、一般に言われる日の出日の入り時刻は、昼と夜の長さを正しく反映していないことになります。太陽が太陽一個分を移動する時間の分、長くなる計算です。

 

太陽一個分を太陽が移動する時間

先の表から考えると、太陽が太陽の直径分を移動するのに、約7分~10分程かかる計算になりますが、ここで新たな疑問が生じます。これでは、北に行くほど、太陽の移動時間が早く、南に行くほど遅いということになりますが、地球の自転速度が北と南で違うのは変です。それでは地球がねじれてしまいます。

 

太陽の移動する(実際は地球が自転する)速さは、どうなっているのでしょう。とはいえ、太陽の動きと時計を見比べていると、眩し過ぎて目を傷めてしまうのでやめましょう。皆既日食を見たことはありますか?私は肉眼で見たことはありませんが、映像は見たことがあります。どういう偶然か、太陽と月の見かけの大きさはほぼ同じ。観測するなら、月を見た方が目に優しいです。

 

でも、ずっと見るのも大変です。ちなみに、手を伸ばして5円玉を持ったとき(正確には、5円玉を目から約54cm離した状態)の、5円玉の穴の大きさと、太陽の見た目の大きさが同じだそうです。計算上、太陽の視直径は約0.53度だそう。

え?そんなにちっちゃいの?と私も思いました。

 

さて、地球は360度を1日=24時間かけて自転しています。

ということは、15度動くのに1時間。1度動くのに4分。0.5度動くのには2分。

太陽が太陽一個分を動く、つまり、太陽の下辺が水平線ついてから沈み切るまでにかかる時間は約2分という計算になるのです。

 

あれ?待て。日の出入時刻の差から考えると、約7分~10分程かかるんじゃないの?

 

錯覚の正体

このブログでは、度々、暦や月齢、地球の動き等を話題にしていますが、不思議に思えてしまうことがたくさんあります。

 

この記事の一番上のイラストのように、太陽の位置に対する地球の傾き具合で春分夏至秋分冬至が決まります。そして、1年365.2425日で太陽を回る暦です。なので、秋分の日は、昼と夜の長さが同じというのは確かなこと。

 

それなのに、日の出入時刻や、太陽の移動の速さなどから考えても、秋分の日の昼夜が同じ長さという結論に達しないままです。

 

太陽系や地球には、本当にたくさんのトリックがあります。夕陽と昼の太陽がどうしても同じ大きさに思えずにいました。夕陽は上下より左右に少し長く見えます。月だって、天高く浮いている時より、建物と並んでいる時の方が大きく見えます。

 

これは、見かけの大きさ同じはずでも、建物や陸地が視界に入ると大きく見えてしまう錯覚だそうです。高校時代には、そういうものだと思い込もうとした時期もありました。でも、だるま夕陽や、街の影に沈もうとする月の写真等を見ると、単なる錯覚にはどうしても思えません。

 

そうする内、錯覚を起こす現象にもいろいろな要因があると知ります。その一つが空気の悪戯。空気の層があるために光の屈折が起きるという話。それまでにも、夕焼けが赤いのは空気の層がプリズムのような働きをしているからとは知っていました。でも、色の見え方だけではなく、沈む太陽の位置も、回り込むように光を屈折させるため、空気が無ければとっくに沈んで見えないはずの太陽や夕焼け空を見せてくれているのだとか。

 

こうなってくると、見た目の日の出入時刻と計算上の時刻にズレが出てきてもおかしくない気がします。そうでなくとも、山影に沈む太陽を見ながら坂道を自転車で上っている時、峠付近まで来ると太陽が昇っているような錯覚を覚えたこともあります。

 

錯覚があるから、目に見えていることと、計算上のこととでズレが生じるのも仕方がないとは思うのです。でも、錯覚がどのようにして起きるのかを考え、調べていくと、何重にもなった複雑な要因があると気づけます。もっとも、気づくだけで、理解も納得もできないままということは多いです。

 

秋分の日は、昼より夜が短い。ウソ?ホント?

 

との問いに対する私の答えはこうです。

「昼より夜が短いというのはウソ。でも、昼より夜が短いという錯覚はホント。」

 

 

残り、55記事。(え?まだそんなにあるの?)