tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

遊び63.無重力とバイキング

昨日、6月16日は、語呂合わせで「む(六)じゅう(十)りょく(六)」として「無重力の日」です。ということで、私の人生で一番無重力を感じた瞬間ていつだったろうと思い起こしてみました。

 

一番に思いついたのがエレベーター。小さい頃は、ふわっと降り始める時、実は落下してるんじゃないかと血の気の引く思いがしたものです。ガラス張りのエレベーターが昇降する様子を見るのも苦手でした。そのまま落下して大変な事態になる気がするのです。ついでに言えば、エスカレーターも苦手でした。階段と一緒に吸い込まれそうな怖さがありました。

 

もっとも10歳の頃には平気になっていました。遊園地の観覧車も、ジェットコースターも大丈夫。自転車で2mほどの崖を降りたり、家の屋根に上って遊ぶなど、高所恐怖症は克服できた気でいました。

 

高1の時(1981年)だったと思います。社会人になった兄に誘われて、神戸のポートピアランドに行きました。アトラクションの「バイキング」が怖いらしいと聞いていました。形こそバイキングの船でしたが、イメージは大きな箱ブランコ。一見してジェットコースターの方が怖いだろうと思いました。

バイキング(アトラクション)

余裕綽々で乗船。ゆっくり前後(見物人からみれば左右)に振れていきます。何が怖いんだろう?という感じです。小学生の頃には、箱ブランコに乗って大きく揺らし、箱の上部を梁にぶつけて遊んでいました(かなり危険、真似禁止)から、スピード感も押し付けられる感も大したことがないように思われました。

 

だんだんと振れ幅が大きくなります。私の座席より前の席が、ある瞬間から、下の席に見えました。そうなると、前後に揺れていたはずのバイキングが上下に揺れていると感じられてきます。

 

弧を描きながら上がっていた船が、途中でぴたりと止まります。この瞬間、足は床に押し付けているはずなのに、空中に浮いている風です。そして、そのまま体が下(前)の席に落ちそうな気がします。思わず手すりを握る手に力が入るというより、しがみつく感じ。ああ、下に落ちる…と思うのですが、座席も手すりも、下(前)の席も一緒に動いて落ちる(進む)ので、そのまま最下点を通り過ぎて、またぴたりと止まります。今度は上(前)の席から人が落ちて来るんじゃないかと思うのですが、そうなる前に船が後進していくのです。

 

ジェットコースターの落差やスピードとは全然質の違う怖さ。空中に放り出されるような怖さでした。

 

『 神戸ポートピアランド - Wikipedia 』の説明には

バイキング - 最大振角度64度・ボート長さ11m幅2.5m・振半径12m、ジーラー(ドイツ)製。

とありました。振角度が64度とのことですが、体感的に直角に思えました。略図を描いてみましたが、間違っているかも知れません。(船が小さ過ぎるし、振角度は片側64°ではなく、左右の振れ幅で64°かも)地上10mには達してないと思っていますが、ずいぶん高く感じたのも確かです。

座席位置と高さ 略図

 

齢を重ねるにつれ、このときが、私の体験上もっとも無重力に近かったのではと思うようになりました。克服したはずの高所恐怖症は、徐々に戻ってきた感じです。映画『タイタニック』では、折れた船体が沈む前にほぼ直角に立ち上がるシーンがありますが、そのときに、このバイキングの経験がフラッシュバックしました。思わず、映画館で足を踏ん張りましたが、ちゃんと体を支えている感があって、安心したのを憶えています。

 

最近は、ドローン撮影も増え、中空に浮くイメージは持ちやすくなりました。突然地面が消えて、果てしなく落ちていく夢を見ることがありますが、風圧や風の音までずいぶんリアルに感じます。いつか、宇宙で無重力を体感したいと思っていますが、その時に感じるのは楽しさか怖さか、どちらでしょうね。