tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

遊び61.閉まっていることの多かった純喫茶

久しぶりの喫茶店ネタです。

自転車通学だった高校時代、途中にある喫茶店にはほとんど訪れました。車で当時の道を通ると、今は営業をやめた店、全く別の店になった店舗、建物自体が無くなった店等、ずいぶん様変わりしました。無理もありません、40年程も前のことですから。

 

今回は、ブログやtwitterで交流のあるLSS (id:little_strange)さんの

今日は、なかなか開いてるところに出くわさない喫茶店にきてみました

というツイートで、記憶を呼び起された喫茶店です。

 

通学路から数十m程外れた場所。1棟の建物に数軒の店が並ぶ内の小さな喫茶店でした。店の前に駐車場はなかったと記憶しています。先輩が「あそこにある喫茶店に行ってみよう。」と言い出し、ぶらりと寄ったのです。店の軒先テントには「純喫茶」の文字があったと思います。

茶店 イメージ(店名は仮名)

店内はずいぶん暗かったです。店の作りもカウンター席が多かったと思います。古い喫茶店は暗いのが普通、純喫茶はお酒がないのが普通、カウンター席が多い喫茶店もある等と知る前だったので、ここは高校生には場違いな所だ、BARみたいにお酒を飲む店だと勘違いしました。店を出た方が良いんじゃないかと先輩を見ると、動じることなく、カウンター席に座ります。以前に来たことがある風にも思えました。もしかしたら、店員さんと知り合いだったのかも。とにかく、並んで座りました。

 

店員は結構なお年を召されている感じのおじいさんとおばあさん二人。最初、ちょっと怖く見えましたが、暗さに慣れてくると優しそうな人に思えました。

「この前来た時は閉まっていましたが、いつ営業しているのですか?」

みたいに先輩が聞くと、はっきりした曜日や時間帯を決めているわけでは無く、他の予定がないことや体の調子で決めているらしかったです。幾つかの話を繋ぎ合わせると、お金を稼ぐ目的では無く、人付き合いを続けることや健康維持、暇つぶしで営業している感じでした。

 

コーヒーを注文し、お店の人と幾らかの話をしました。といっても、話をするのは主に先輩で、私は聞き役として座っていただけです。先輩が就職を決めた後だったかどうか不明ですが、お年寄りと世間話をできる先輩の社交性や大人っぽさを羨ましく思いました。私には、高齢の知りあいでも、それが祖父母であっても、何分間も話を続けられる気がしません。すぐ話すことが無くなって、気まずい時間が続いてしまいそうです。

 

そうでした。今もそうですが、高校の頃は、沈黙してしまうのを極端に怖がっていました。社交性や決断力(即断力)に乏しいことを気にしていました。以前の記事に

友だちの家で遊んでいて、夕食が近づいた頃、そろそろ帰ろうとしていると、友だちのお母さんから「ラーメンかサンドウィッチ作るけれど、どっちがいい?」と聞かれて、返事に窮したことがあります。

提案を断ることもできず、しばらく悩んでしまい、ようやくにした返事が

「じゃあ、サンドウィッチで。前に食べた時、美味しかったので。」

でした。その時、友だちは「いい返事をするなぁ」と感心してくれたのですが、私は返答するまでにずいぶん考え込んでしまったことを反省してました。

と書いたことがあります。似たことは他にもたくさん。喫茶店に入った時も、さっと注文ができるようなりたいと思ってました。でも、初めての店だと時間がかかってしまうもので、あれこれ悩みつつ、時間がかかって申し訳ないと思うことは度々。ただ、高校時代に限らずあちこちの喫茶店を訪れたことは、初めての店であまり物怖じしなくなった点でいい経験になっています。

 

結局、先輩とこの喫茶店に入ったのは2,3回。おとずれたのは7,8回くらいでしょうか。何度行っても閉まっていることが続き、自然と足が遠のいた感じです。

 

当時、この喫茶店で働いていた人は別世界に住む人のようなイメージでした。でも、振り返ってみると、悠々自適な老後とはこういう暮らしぶりな気がします。今訪れることができたなら、人生の先輩としていろいろ聞いてみたいなと思います。

 

 

※LSSさん、ネタの提供をありがとうございました。

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<余談 純喫茶>

『 純喫茶 - Wikipedia 』によると、

純喫茶(じゅんきっさ)とは、酒類を扱わない、純粋な喫茶店のこと。酒類を扱い、女給(ホステス)による接客を伴う特殊喫茶(カフェー)に対しての呼称。

だそうです。

茶店は1929年(昭和4年)の「カフェバー等取締要項」、1933年(昭和8年)の「特殊飲食店取締規則」により規制の対象となり、酒類とホステスによるサービスを主とする業態を「特殊喫茶」、接客の伴わない喫茶店を「純喫茶」と区別するようになった。

1955年(昭和30年)ごろから1975年(昭和50年)ごろまでは、「純喫茶」と名乗る喫茶店が各地に多数あった。

とのこと。

 

私の高校時代(1980年代前半)、「純喫茶」の名前は珍しくなかったです。「特殊喫茶」という名前は見かけませんでした。というか、高校生が気軽に行ける場所に「特殊喫茶」はなかったのでしょう。