坂本龍一さんの訃報を知りました。亡くなられたのは3月28日。享年71歳とのこと。がんを患い長く闘病生活を続けていたのは知っていました。でも、時折にコメントなどを見かけることもあっただけに、驚いています。
高校時代に大きな影響を受けました。当時、時代の最先端を進む音楽家というイメージでした。シンセサイザーを使って、テクノポップの流れも生み出しました。YMOとして、『ライディーン』、『君に胸キュン。』等、個人として『戦場のメリークリスマス』、『ラストエンペラー』等の映画音楽他、たくさんの曲を発表しています。
「坂本龍一」で、このブログ内を検索すると、3つの記事にヒットします。
シンセサイザー音楽を広め、テクノポップのジャンルを確立しました。
幅広い分野で、楽曲が使われていました。
とりわけて印象強いのは、やはり『戦メリ』。
デビットボウイ演じる俘虜セリアズと、坂本龍一演じるヨノイ大尉の関係性が心に残っています。
(セリアズとヨノイ大尉は)時に命を奪おうと、時に助けようとした関係ですが、戦争下でなければ生殺与奪権も上下関係も無かったはずです。時代が違えば各人の関係も違った物になっていたでしょう。
何かの拍子ですぐ壊れてしまいそうながら、常に相手のことを意識するものの、その思いを否定するしかない時代と立場にあったヨノイ大尉。
ヨノイ大尉の生き様は、坂本龍一さんの生き方に重なって見えることがありました。違うのは、ヨノイ大尉は最後まで自己の思いを、気取られぬよう、隠し続けましたが、坂本龍一さんは自己の思いを表明することに躊躇しなかったことでしょうか。でも、それはまるで、ヨノイ大尉の無念を繰り返すまいとしているかのように感じることも。(私の勝手な思い込みです。)自身が不当と思うことには意見を表明していました。
つい最近では、東京・神宮外苑の再開発に反対し、東京都の小池百合子知事らに手紙を送ったとのニュースもあったばかり。それに関連して、書面のインタビューを受けていました。
「一市民として黙っていてはいけない」とその声に後押しされ、せめて意見書を提出しようと考えた。
神宮外苑再開発に反対の坂本龍一さん「一市民として黙っていてはいけない」 - 社会 : 日刊スポーツ
とのこと。
坂本龍一さんは、常に冷静に考えて行動する印象でしたが、亡くなる間際まで自分の主張を続ける熱意も持ち合わせていたことがわかります。この姿勢には、敬意を表したいです。
坂本龍一さんの言葉の中から、好きなのを一つ紹介しておきます。
自分の居場所なんて、自分で決めればいいんだよ。
坂本龍一さん、
素敵な曲と、映画、そして不当を見過ごさぬ強さを、
ありがとうございました。
安らかにお眠りください。