tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

近況45.今日は節分。父が選んだ恵方巻の話

昨日、スーパーで

昨日、買い物に行った際

「明日は節分と言うのに、恵方巻を全然売ってないな。」と父。

恵方巻はチョコレートと違って、日持ちしないからね」と私。

恵方巻が欲しいなら、明日にならないと良いのは無いと思うよ。最近は、海鮮巻きとかで刺身を使ってるのが増えたし。買うなら明日だね。欲しいの?」と続けました。

「いや、いらん。そもそも、ちょっと前まで恵方巻なんてなかったんだ。」と父。でも、「昔は東北を向けばよかったのに、今はコロコロ変わってよくわからん。」とも話します。恵方巻を食べるようになったのが、ちょっと前なのか、昔なのかは不明です。

父によると、昔は恵方巻を食べる際の方角は東北と決まっていたと言います。そんなはずはないと思うのですが、「お前が知らんだけ。」と言うので、その話題は捨て置きました。

 

ともかく、恵方巻はいらないと言うので、豆まきはせずとも、年の数だけ食べるくらいの節分らしいことはしようかと提案して、豆を買ったのでした。

 

今日昼前、家で

父がお昼に合わせてご飯を仕掛けた後のことです。

「買い物に行こう。恵方巻を買うぞ。昼飯にできる。」

と、父はまだ寝ていた私に言ってきました。

私からすると、え?なぜ、ご飯を仕掛けてから言い出すの?って感じです。

 

かすかな予感はありました。昨日、恵方巻を気にしていたのに売ってなかったので「酸っぱい葡萄」反応になったのでしょう。買えなかったから、悪態をついたのだと思います。父には珍しいことではありません。ご飯を仕掛けた後、朝の情報番組で恵方巻の話を見聞きして、心変わりした可能性もあります。

 

昼前、スーパーで

父はきっと海鮮巻きを買うつもりだったと思います。

 

スーパーの恵方巻売り場に数人の客が集まる中で、「良いのが無い」とこぼしていました。いわゆる太巻きは、たくさん売り場に並んでいたのに、目もくれません。ガラス越しにみえる作業場では、海鮮巻きを用意している店員さんの姿が見えたので、しばらく待ちました。でも、一度にそんなにたくさんの海鮮巻ができるはずもなく、ひとまず10本ほどが売り場に出てきます。

 

でも、思ったより値が高く、大きかったようで、父は少し躊躇しました。そうする間に、はやくも海鮮巻きは残り1本に。一人で1本食べるのは難しい大きさだから二人で1本でかまわないと話しましたが、一人に一本でないと駄目だと言い出し、結局、最後の1本も他の客が持って行きました。

 

海鮮巻きが売り切れ状態になると、

「あんなに太いのは、丸かじりできん。値段も高過ぎ。買う気になれん。」

と言って、普通の太巻きを見始めます。余計な捨て台詞ですが、父が気持ちを切り替えるのには必要なのかも知れないと、聞き流しました。

結局、選んだのはシンプルな太巻きを2本。

シンプルな太巻き2本

父は「これでいい、これでいい。」と自分に言い聞かせるようにして手に取りました。

そして、支払いを済ませた後、近くの店員さんに、

「今年の方角はどこですか?」

と確認。南南東とのことでした。

 

お昼、家で

正午より早い時刻にいただくことにしました。

「南南東」は憶えていましたが、食べる際の南南東の向きがはっきりしません。

実家は方角に沿って建てられているわけではないので、凡その向きしかわからないのですが、一応、南と思われる向きと、東と思われる向きの、真ん中より少し南よりを向きました。

 

「黙って食べるのだったな。」と食べ始めます。

私は父より早いペースで食べていましたが、そんなに早く食べたわけでもないです。

父が半分程食べたとき、私の方を向いて急に

「刺身を巻いた…」

と言い出したので、私は人差し指を口の前に持って行き、黙って食べるサイン。

「ああ、そうか、黙るんだった。」

と言ってから、向き直ります。

 

やはり、父は海鮮巻きが食べたかったのでしょう。それも、私が思っていた以上だったようです。ちょっとおかしくなりましたが、黙ったまま食べ終えました。

少し遅れて、父も完食。

 

で、「何だったの?」と父に聞き直しましたが、「忘れた」とのこと。

 

もしかしたら、夕飯に海鮮巻きをと考えたのかも知れません。でも、それは父に確かめず、黙っておきました。恵方巻を食べる前に炊きあがったご飯は、昼と夕飯の量です。夕飯も恵方巻になると、何のために炊いたのやらという感じ。残ったご飯は、1食分ずつラップに巻いて冷凍保存するので、無駄にはしませんが、一気に計4食分の冷凍ご飯が溜まってしまうのもちょっと抵抗がありました。

 

その後、豆をまくことなく、年の数だけ食べました。

父82粒、私57粒。数えるのも一苦労です。

この記憶も、もう40年前。

 

来年の恵方巻は海鮮巻になるかな?

なんて言えば鬼が笑いそうですが、

父が悪態をつかずに笑うのも見たいものです。