tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

私と煙草(1)煙草を吸ってはダメ!

告白します。22歳から日常的に煙草を吸い始めて33年になりました。でも、吸い始める以前はかなりの嫌煙派だったのです。

 

 

煙草を吸ってはダメ!

高校時代、いえ中には中学時代から煙草を吸っている友人もいました。体を悪くするからやめた方が良いと話したこともあります。でも全然受け入れてはくれません。

衝撃的事実を知る

ある日、本屋で『UTAN』という科学雑誌で煙草の害の全貌を明らかにするといった特集を見つけました。喫煙者と健康な人とで肺や、血管、食道などの臓器、器官の写真を並べたり、グラフや表も使ったりした解説など、高校生でもよくわかる内容でした。

 

健康な人の肺は白に近い薄だいだい色で、張りやツヤがあります。喫煙者(かなりのヘビースモーカー)の肺は、黒に近い灰色でツヤはなく硬く縮んでいる感じでした。小腸の内壁は健康な人だとピンク色の絨毯のような柔毛が柔らかくきれいに並んでいますが、喫煙者のそれは焼けただれたような、ペンキをまき散らしたような感じ。また血管は大きな塊でふさがれていました。購入してじっくり読むことにしました。

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健康な人の肺と喫煙者(ヘビースモーカー)の肺

がんの発生率のグラフでは、タバコの吸い始めが未成年と成年とでは大きな違いがありました。そして、吸った本数に応じて発がん率は高くなるというものでした。特に生涯に吸った本数が20万本を超えるかどうかで大きな違いが見られました。

また、煙草を吸った時の変化として、一時的に血管を収縮し体温を下げることも知りまあした。友人の言う煙草を吸うと気持ちが落ち着くとは、この辺りの影響があるように思いました。でも、気持ちが昂っているときに、無理やり血管を収縮させ、体温を下げることが、気持ちをコントロールするいい方法だとはとても思えませんでした。

 

煙草が体に悪いという話はちらほら聞いて知っていましたが、画像やデータで見ると疑いようがない事実に思えました。これを知ってもらえば、皆、煙草をやめるのではないかと考えたのです。

それでも喫煙し続ける人達

さっそく画像やグラフを煙草を吸う友人に見せました。吸うのをやめて欲しいという思いからでしたが、「気持ち悪い」「まだまだ若いからこんなになってるはずはない」と一蹴されます。単に体に悪いというだけでは、なかなか通じないものです。

当時の成人男性の喫煙率は60%超え。それも若い人ほど喫煙率が高く、29歳以下では70%超え。若い男は煙草を吸って当たり前で、煙草を吸うのは大人である証のような風潮もあったと思います。また、若い女性の喫煙者も増加し、妊娠時や授乳時の問題が言われ始めていた頃でした。そんな世相もあったのでしょう、禁煙の風潮などどこ吹く風に思えました。

 

そんな中で私は「煙草なんか吸うものじゃない。」と強く思っていたのです。 

 

分煙に救われた禁煙車両

高3の冬となれば受験シーズン。大学入試を受けにあちこちへと移動しました。その際初めて一人で特急列車を利用したのですが、自由席は喫煙可能で、何とも居心地が悪かったです。移動中は手持ち無沙汰になってしまうのか、今吸っている煙草の火で次の煙草に火をつける人も。

 

あまりのヘビースモーカーぶりに耐えられず、席を立ち移動したのですが、車両内は満席ではないものの、喫煙する人があちこちに座っています。なるほど、特急は鈍行と比べて乗降の頻度が少なく、長時間座ったままになり、吸う人も多くなるのだろうと考えました。

でも、降りる駅までまだまだ数時間もあるのです。青春18きっぷの旅にはなかった体験に、旅先が少し憂鬱になってきました。でも、移動し続ける内に救われました。禁煙車両に行きついたのです。1981年から全国の国鉄の特急などを中心に広がっていった車両だと後に知りました。

 

ようやく座って一息。あのヘビースモーカーの肺はきっと真っ黒に違いない。今後、禁煙車両はきっと増えていくだろう、なんて思いつつ、やがて車窓の眺めに気を取られ、旅を楽しめるようになりました。(って、受験の旅行ですけれど。)

 

周辺のタバコ事情

身近な人

煙草を吸うようになる一番大きな誘因になるのは、身近な煙草を吸う人だそうです。

高校時代までに、私の周りには上記の友人の他、母方の祖父・叔父の2名、父方の叔父・義理叔父等数人、学校の先生数人がいました。でも、私は試しにという理由でかなり強引に吸わされた1回(1息)以外、吸ったことはありませんでした。

 

小学校時代は、授業中に教室で煙草を吸う先生もいたほど。ただ、児童の話はきちんと聞く先生で、学級会で話し合った結果、授業中に教室で煙草を吸うのはやめて欲しいというお願いをすることが決まると、それ以降、廊下に出て吸う先生でした。その時の話し合いでクラスメイトから「大人は吸って当たり前」、「他の仕事をしている人は仕事中にも煙草を吸っている」等の授業中喫煙を支持する意見も出ていたのを憶えています。今、思い返してみると、大人の事情も考える子どもが多かった時代だったなあと思います。

 

ドラマや映画、歌、漫画

80年代のドラマや映画、歌、漫画で煙草のシーンは多かったです。

映画『さらば友よ』(1968年)

映画で一番有名な煙草シーンと言えば『さらば友よ』(1968年)のラストシーンでしょうか。警察に連行されるブロンソンがたばこをくわえて歩きます。その横を仲間であることを隠し通すアラン・ドロンが他人のふりをしながら無言で火を貸し、そして二人は別方向に進んでいくのです。

男優 ジェームス・ディーン

ジェームスディーンのポスターやグッズで、煙草をくわえている、指に挟んでいるものも多いです。また、リーゼントやオールバックの髪型が流行ったことで、80年代に彼の髪型とくわえ煙草の写真は珍しくなかったように思います。 

映画『トラック野郎』

愛川欽也ふんするトラックドライバーが、指に煙草を挟んで少しだけの仮眠をとるのですが、煙草は燃え続けてその手で「あちちち!」と目を覚まします。変な記憶ですが消えずにいます。

ドラマ『太陽にほえろ!

七曲り署のボス(石原裕次郎)が、医者に煙草を止められているのに、敢えて煙草を吸いながら、部下に自分の思いを語るシーン。これをドラマ最高の煙草シーンと語る人もいるくらいです。

アニメ『未来少年コナン

NHK制作の初のアニメーション、宮崎駿監督作品。子ども向けの番組でありながら、子役のジムシーとコナンが対決をした後、仲良くなる際にタバタバ(一種の煙草と思われる)を吸い合うシーンがあります(第3話)。2020年5月からの再放送でも放送されるか一部注目されましたが、放送されました。過去の再放送ではカットされたこともある物議も読んだシーンです。

ドラマ『刑事コロンボ

名推理で犯人のトリックを暴く海外ドラマ。煙草片手に渋顔で「うちのかみさんがね…」などと言いながら事件の核心に切り込んでいくイメージが出来上がっています。

映画『麻雀放浪記』(1984和田誠監督)

主人公、哲坊や(真田広之)がスナックのママ(加賀まりこ)に麻雀を教えて欲しいと頼み込みます。その時、煙草を吸わなかった哲坊やに「吸いなさい」とほぼ命令します。煙草の仕草が自然でありつつ、間を取ったり、周りのサインにも使えるとのこと。

 

人と関わるアイテムにもなると知ったのは多分、この映画のせい?おかげ?です。高校卒業後に観た映画ですが、私が喫煙を始めるきっかけの一つにもなっています。

「煙草」が出てくる歌

『十五の夜』、『十七歳の地図』、『ダンスホール』をよく聴いたので、尾崎豊と煙草はとても近い位置に並んでいる気がしますが、尾崎豊の歌で「煙草」or「タバコ」が歌詞にあるのは6曲だそうです。少ない気がしましたが、おそらく、煙草が少年から大人になる必須アイテムのような印象が尾崎豊の歌と重なったのでしょう。

 

他にも「煙草」が歌詞にある歌はたくさん。松田聖子『赤いスイトピー』、さだまさしの『吸い殻のある風景』、アリス『狂った果実』・・・。

煙草のシーンや言葉が世に溢れてた頃でした。

 

大学入学を機に周囲の喫煙者急増

私は一浪しての大学進学でしたが、入学当初から20歳未満でも煙草を吸う人は既に結構いました。私が吸わないので、喫煙を進めてくる人も多かったように思います。でも、まだ20歳になっていないことを理由に吸いませんでした。20歳の誕生日を迎えた後も、吸い始めの年齢が早いほど病気の危険性が高いからと言って吸いませんでした。

 

でも、大学生活が続くにつれ、それまで吸わなかった友人もだんだんと吸う人になっていきました。学生の控室兼用の研究室に行くと、ほぼ必ず灰皿に吸い殻が入っていて、匂いが嫌で片づけたこともありました。コンパ(学生同士の飲み会)でも、お酒が増えてくると飲食物と煙草が並び、料理に灰がかかることも。嫌だなとは思うのですが、既に誰も食べ物を口にしない状態になっていて、酒に弱い私は転寝になるのでした。

 

ある時、寝入っている私が気に入らなかったのか、酔っ払って本当にわからなかったのか、突然、煙草を私の手の甲に押し付けて火を消す仲間がいて、これには心底驚きました。熱くて痛い。不意のことなのでなおさらです。でも、「大丈夫、火はもう消えたから。」みたいに言われ、怒り心頭。煙草には火がついてるのだぞと怒ったのですが、ヘラヘラ笑ってました。翌日、当人は全然憶えていないようでした。火傷の跡も目を凝らさないとわからないくらいでしたが、私には到底忘れられない事件でした。

 

そんなこともあって、この時期が一番煙草を毛嫌いしていたと思います。

それなのに・・・。

 

 (続く) 

 

今週のお題「告白します」

 

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なお、この記事は、5つの話題宣言

の中の「5.禁煙と喫煙のこと」の話です。