「なんだ君の冒険」
なんだ君、生まれて初めて海が見たくなって、
生まれて初めて、一人、崖を下り始めました。
空はおだやか、雲ぷかり。
海岸には大きな岩がごろりんごろりん。
「よし、あの岩の上におりてみよう。」
波は静かに寄せて返ります。
あと、もう少しで降りられるというところで・・・
ピカッ!
空は黒い雲がもこもこ。
雷は大きな音でごろごろ、まぶしい光がピカピカ。
海は大荒れ、波がざっぱ~ん!
おりるつもりだった岩も波につかっていておりられません。
そうしているうちに・・・
ビュン!
強い風が来て、なんだ君は崖から飛ばされてしまいました。
「うわぁ~~!」
「助けて~~!」
ピュゥウウウ~~ン!
でも、風がやんだ後、なんだ君は無事、海岸の岩におりられました。
天気もすっかりおだやかです。
めでたし、めでたし。
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これは、確かマーティン・ガードナーさんの本に紹介されていた、上下をさかさまにして読める数コマの漫画があったのを見て考えたものです。記憶違いでマーティン・ガードナーさんの本ではなかったかもしれません。なんだ君みたいなキャラが二人で冒険する話だったと思います。
鉛筆描きの原本はなく、文章もだいぶ違っていると思います。1コマ目を上下に気をつけて渡し、途中でひっくり返して見てもらい、次いで裏返し、その後上下反転して見てもらうという感じだったと思います。2枚の紙だったかな?。字の向きは違えど上下に文字が並んでいたはずです。
漫画を描くのが趣味だった友人に見せると、イマイチな反応。上下反転のアイデアはともかく、漫画というより絵本に近いとのこと。確かに。結局2、3人だけに見せて終わったと思います。
今回は、紙ではなくパソコンで描いた絵に文字を添えました。
1コマ目を上下さかさまにしたのが2コマ目、それに少し手を加えて3コマ目。それを上下さかさまにして4コマ目になる、2コマ?4コマ?漫画です。
コンパクトに全話を表示するならこんな感じです。
向きを変えながら①~④まで見てみてください。
ほとんど人に知られず終わった遊びでしたが、自分で挑戦しただけに、逆さ絵に興味関心を持つようになりました。
こうした発想の絵本を幾つか紹介します。
安野光雅さんは、私の大好きな画家であり、絵本作家です。『ABCの本』、『あいうえおの本』、『旅の絵本』、『天動説の絵本』等、印象に残る絵本がたくさんあります。でも、高校時代は『算私語録』をちらっと見た程度で、あまり知らずにいました。
出典 amazon
これは知っている人も多いと思います。上下反転と白黒反転がとても巧妙で、見え方の違いに驚かされます。発行は古いですが、知ったのは仕事を始めた後です。
出典 Rakutenブックス
タイトルが回文なのも良いです。ユーモラスな絵や発想が楽しいです。シリーズとして出ています。全部を見たわけではないですが。
出典 amazon
これは、気になっているものの、まだきちんと見ていない本。機会あれば手に取って見たいです。
このところ、家での時間は、高校時代の遊びの再現をしていることが多くなっています。懐かしむというより、検証してる感じです。ただ、記憶の曖昧な部分、引用元の著書や作家の名前がはっきりしないのは、もどかしいです。