網の鳥かごの話ではありません。「完全に密閉された箱の中」という条件が重要です。
もくじ
- 問題1.密閉した箱の中で鳥が飛んだら、重さは変わる?
- ヒント どう考えるとよいかを考える
- 問題2.密閉した箱で鳥が宙で死んだ時と落ちた時で、重さは変わる?
- ヒント 条件の違いを考える
- 答えでさらに思考して遊ぶ
問題1.密閉した箱の中で鳥が飛んだら、重さは変わる?
鳥の重さを200g、箱と止まり木の重さが220gとします。空気の出入りが全然無い密閉された箱に鳥が入っています。今、全体の重さが420gです。
箱の中で鳥が止まり木を離れて飛び、宙に浮いた状態になりました。
そのとき、はかりは、
A.軽くなる
B.変わらない
C.重くなる
のどれでしょう。また、そう考える理由は何でしょう。
ヒント どう考えるとよいかを考える
この問題に出会ったのが高校の時でした。
あえて「密閉された」とされているので、密閉されてない場合とどう違うかを考えました。思いつくのは空気の出入りがあるかどうかですよね。となると、空気の出入りの有無が重さに関係するかどうかとなります。
ん?待てよ、そもそも空気の出入りが無くて、鳥は飛べるのか?とも思いましたが、問題文では飛んでいるので、それなりに大きい箱として考えました。
人間なら、立つ位置では重さは変わりません。でもジャンプしたなら・・・。いや、待て、人間は宙に浮けない。人間が浮くには・・・。
あぁ、プールの中でなら浮くことができる。なら、沈んだ時と浮いた時で、プールと人間の合計の重さは変わるのかな?
そう考えると、変わるはずがないと思えてきます。人間とプールではなくて、水槽と魚でもそうなるはずです。
箱の中で、鳥が浮いていられるのは、空気を下に押し下げて浮力を得て体重を支えているからなので、変わらないはず。そう考えて、「B.変わらない」が答えとしました。読み進めると正解でした。
問題2.密閉した箱で鳥が宙で死んだ時と落ちた時で、重さは変わる?
今度は、空中死んだ時と落ちた時の違いです。
そのとき、はかりは、
A.軽くなる
B.変わらない
C.重くなる
のどれでしょう。また、そう考える理由は何でしょう。
ヒント 条件の違いを考える
問題を読んでの第一感は、「鳥を殺さなくてもいいだろうに・・・、かわいそう」でした。でも、問題の意図は、飛んでいる、降りてくるではなく、落ちる時ならどうかということでしょう。今の時代なら、鳥の代わりにドローンでも意図は通じるでしょうね。
プールの例えであれば、「B.変わらない」でしょうが、落ちるのは別と思えました。落ちるで連想したのは、宇宙パイロット訓練などで上空高くからの落下で生じる無重力状態です。でも、落ちている鳥に、はかりをつけているなら、落ちている間は無重力でしょうが、本来、重さのある物が、自由落下している間だけ重さが無くなるのでしょうか。どこか、納得できません。
当時の私の思考は、ここでストップしてしまいました。イメージと理論がどうにも結びつかないのです。
本を読み進めると、自由落下の瞬間だけ軽くなり、箱の底に落ちた時にその分の衝撃で瞬間的に重くなり、その衝撃が消えた時、鳥が止まり木にいたときと同じ重さになるということだったと思います。つまり、落ちる間が「A」、落ちた瞬間が「C」となるらしいです。ただ、35年経った今でも、私の中に確信がある訳ではありません。
答えでさらに思考して遊ぶ
例1.
問題)重さ200kgまでの通航制限があるつり橋の手前で、体重150kgの屈強な男が、30kgの米俵を2つ持って立っています。お手玉名人でもある彼は、お手玉のように一つは空中に、一つは手に持つようにすれば一度で渡れるのではと考えました。うまくいくでしょうか。
答え、仮に第1投の俵をつり橋の手前で始めたとしても、橋の上で2投目を投げ、1投目の俵を受け取った瞬間に、制限を超える衝撃を受けて、橋が崩れると予想します。
例2.
スターウォーズや宇宙戦艦ヤマトなどで、時空を超える航法がとりあげられます。映像では、時空を超える瞬間が水平な映像で、パッと消えて、元の空間にピタッと止まりますが、本当は自由落下から地面に落ちた時のような衝撃があるのではないか、そんな風に思うようになりました。
もっとも、例1.2ともに、衝撃を和らげる何らかの方法がありそうな気もします。
1なら、下の図のような感じで、落ちる衝撃を柔らかく受け止めながら、そのままのエネルギーで上空に放り上げるなど。ジェットコースターで下るときもレールのカーブで衝撃を弱めている訳ですから、あんな感じ。ただ、かなり難しいとは思います。まぁ、つり橋を2往復した方が確実でしょうね。
思いの外、長文になりました。
こんな風に、つい、あれこれと思考を巡らせてしまうのが原因とは分かっているのですが、この癖は、短所なのか長所なのか、いまでもそのままです。