tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

tn79.立春からはや2週間、春一番はいつ?

2023年の立春は2月4日。明日から雨水。この時期、暖かい日と寒い日が入れ替わりになります。三寒四温。気温差が大きいと体調を崩しやすい私には要注意の時期。そろそろ春一番が吹いてもいい頃です。

 

春一番が、立春から春分までの間に吹く南からの暖かい突風だと知ったのがいつだったかはわかりません。ただ、予備校時代にこんなことがありました。大学の合格が決まり、お礼を兼ねての報告に行ったときでした。

 

駅から予備校まで歩く間に、かなり強くて暖かい風に吹かれました。髪の毛がぼさぼさになっているのにも気づかず、先生の控室に入ろうとしたとき、事務の人が教えてくれました。鏡を見てびっくり。おもわず声をあげてしまいました。すると、奥にいた先生から「今日は春二番だからな。」と言われました。

 

「え?春一番に続きがあるんですか?」とまた驚いていると

「ああ、春一番の次が春二番、その次が春三番。その次は何だと思う?」と聞かれ、

「春四番?」と返すと

「惜しい、一字違いだ。春三番の次は春本番。」

 

作り話としてもよくできた話として記憶に残りました。後に、春二番、春三番は季語としても通用すると知ります。春一番が観測されない年もありますが、今年はどうでしょう。

 

春一番より待ち侘びる春本番

 

父が待っているのは春一番より梅のようです。

 

梅便りまだかまだかと父の声

梅の開花と春一番

春よ来い、早く来い。

遊び55.「かけるかけるかける」

記憶と計算

かけ算を暗記する

中学校の数学で、11~15までの2乗は憶えた方が良いと言われました。この先、数学の問題を解く際に比較的目にすることが多いからという話でした。私は素直に暗記したのですが、抵抗を感じる生徒が少なからずいて驚きました。

 

かけ算九九は0の段、10の段まで含めると121の計算を暗記することになります。とても多い気もしますが、日本では一般に、かけ算九九(0の段、10の段を含むことが多い)は暗記するまで教えられます。一方で、11の段以降の暗記は求められません。後に気づいたのですが、暗記していないかけ算の答えを出すには計算が必要になります。これが抵抗感の元になり、後に暗記だけで解けない計算を避ける、できないと思うことが増えていくように思われます。

 

私が中学時代に暗記したのは、11×11=121、12×12=144、13×13=169、14×14=196、15×15=225だけです。小学校時代に121のかけ算を覚えたのに比べて、わずか5つ。でも、この5つを覚えたことはとても役に立ったと思うようになりました。それは、5つを記憶したことより、かけ算九九からはみ出る計算にあまり抵抗を感じなくなった気がするからです。

11から15までの2乗

高校時代、どこで知ったのか不明ですが、かけ算を面積で考える話を知りました。こんな図です。11×11から15×15までを面積の図にして一部色を付けています。

11×11から15×15の面積図

図から法則性が見つかるでしょうか。

11×11だと、100(水色)と10(白)10(白)と1(桃色)、

12×12だと、10020と204

13×13だと、10030と309

14×14だと、10040と4016

15×15だと、10050と5025

となります。

 

つまり、

十の位が1の数字1?を2乗した場合は、100?の10倍の2倍○の2乗の合計

ということです。これを利用すると、

16×16だと、10060の2倍(120)36、となり、256とわかります。

で、256という数を見て、あ!8bit(2の8乗)の色数だと思い出します。

意外と身近な数字でした。

なお、この計算は

(10+?)の2乗=(10+?)×(10+?)=100+(2×?×10)+(?の2乗)

式の展開と同じ仕組みです。

 

これを使えば、19×19も、100+180+81=361と出せます。

その内訳は、10×10、2×9×10、9×9なので、一つ一つのかけ算を見るとそれほど難しくはない気がします。むしろ、足し算部分の「100+180+81」の方を難しく思う人が多いのではないでしょうか。

 

なお、これを(20-1)×(20-1)と考えて、

400-40+1=361

とする方法もあります。

 

12の段

次に12の段を図にしてみました。

ここでも何らかの法則性が見つかるでしょうか。

12の段(12×11から12×15まで)の図

12×11だと、100(水色)と20(黄)と10(白)と2(桃色)、

12×12だと、10020204

12×13だと、10020306

12×14だと、10020408

12×15だと、100205010

となります。ここから、12の段は

10020合計120(かけられる数の10倍)と、

かける数の一の位の10倍

かけられる数とかける数の一の位同士をかけた数

で出せることがわかります。

 

こう書くと何だか仰々しい感じですが、

12×1?と考えれば、120に10と2のそれぞれを?倍した数を足すことと同じ。

120+10×?+2×?

こう考えると、かけ算部分は意外と出やすいと思います。

むしろ、かけ算の答えを全部足す方が大変という感じではないでしょうか。

 

なお、12×15に限って言えば、以前記事にした

ように、12×15→6×2×15→6×(2×15)→6×30→六三18で180と出す方が簡単だとは思います。これは、計算の仕方の工夫になるでしょう。

 

暗算のイメージ

暗記している計算

私のイメージは、「暗算は記憶を基にした計算」です。計算に使われる「記憶」は、ほとんどが「暗記している計算」と「暗記している仕組み」だと思います。

おそらく、「暗記している計算」はかけ算九九を憶えている人であれば、それほど大きな差は無いと思います。かけ算九九を憶えている人なら、繰り上がりのある足し算も覚えていたでしょう。小学1年の時に、一桁同士の足し算カードにある○+□の式を見て、計算するというより、式を見ただけで答えを出せていた人も多いと思います。0+0から9+9まで式と答えは100あります。

 

8+6を見て、すぐ答えが出る人(暗算)と、8に6の内の2を先に足して10、6の残りが4だから合わせて14と計算する人(さくらんぼ算)ではどちらが多いでしょうか。調査したものを見たことはありませんが、暗記していた答えを出す人が多いと思います。

8+6の暗算とさくらんぼ算

速さだけを考えれば、さくらんぼ算を書くより、暗記している答えを書く方が圧倒的に速いです。それでも、さくらんぼ算が書けることにも意味があると思います。

 

※ 8+6のさくらんぼ算では、8を4と4に分け、4に6を足して10、そこに残りの4を足して14とする方法もあります。

 

暗記している仕組み

14-8の計算ではどうでしょう。これもすぐ暗記している計算から6と答える人が多いでしょう。さくらんぼ算だと14を10と4に分け、まず10-8=2を計算し、その答え2と残っている4を足して6とするところです。

14ー8の暗算とさくらんぼ算

ここでも、暗記した計算の方が圧倒的に速いです。でも、暗記していない計算が出たときに暗記している仕組みをすぐ引き出せるかどうかで、速さが変わりそうです。

 

例えば、64-8の場合。

64を50と14に分けられることに気づけば、

50+(14-8)=56

と出しやすいと思います。

 

でも、筆算の順にならって、

4から8は引けないので、十の位から1繰り下げて、十の位は5。一の位は14-8なので6。十の位の5と合わせて56。

とすると手間がかかる感じがします。(私だけかも)

 

一方で、1525-678のようになってくると、数を分解するより、筆算を書いた方が速い気がします。(私だけかも)さらに、数の大きい計算になってくると、無理に暗算を試みるより、計算機(電卓)を出してきた方が速いでしょう。

 

暗記した計算、暗記した仕組みにこだわる必要はなく、手早く計算できる手段を使うので良いと思います。

 

※ 14-8のさくらんぼ算にも、8を4と4に分け、4に6を足して10、そこに残りの4を足して14とする方法があります。

 

計算機を使う

計算機(電卓)が世に出始めた1970年代、とりわけ

「とかくこの世は計算さ 数と数との絡みあい…答え一発 カシオミニ。」

のCMが世に与えた衝撃は大きく、計算機は瞬く間に広がった印象があります。でも、一方で「計算機に頼るようになると頭が悪くなる」という論調もあり、学校にもそう話す先生がいました。計算機が手元に無ければ計算ができないのは問題だ、とも。

カシオミニ イラスト

あのCMからももう50年。

今や、ケータイが手元にない人の方が少ない気がします。ケータイも計算アプリがあって当たり前という感じ。アプリが無くても、ネットで「1563×794」等と検索すれば答えが表示される時代になりました。むしろ、計算機が手元にあっても、計算することなく買い物をする時代になってきました。ネットショッピングや、カード支払い、スマホ決裁では、表示された金額に従って支払いを済ませています。

 

スーパーやコンビニでも、バーコードを読み取って計算するのが普通になりました。

便利です。

 

ただ、ちょっとした注意に欠けるとこんなこともあります。

間違い

見た目の量の割に安いなと思って購入したのですが、支払いを済ませた後、袋に詰めていて気づきました。間違いがわかるでしょうか?

 

どんなにしっかり暗記した計算でも、

どんなに正確に計算を書いても、

どんなに高度な技術を駆使しても、

思わぬミスは常に隣り合わせ。

 

 

今週のお題「かける」

近況45.今日は節分。父が選んだ恵方巻の話

昨日、スーパーで

昨日、買い物に行った際

「明日は節分と言うのに、恵方巻を全然売ってないな。」と父。

恵方巻はチョコレートと違って、日持ちしないからね」と私。

恵方巻が欲しいなら、明日にならないと良いのは無いと思うよ。最近は、海鮮巻きとかで刺身を使ってるのが増えたし。買うなら明日だね。欲しいの?」と続けました。

「いや、いらん。そもそも、ちょっと前まで恵方巻なんてなかったんだ。」と父。でも、「昔は東北を向けばよかったのに、今はコロコロ変わってよくわからん。」とも話します。恵方巻を食べるようになったのが、ちょっと前なのか、昔なのかは不明です。

父によると、昔は恵方巻を食べる際の方角は東北と決まっていたと言います。そんなはずはないと思うのですが、「お前が知らんだけ。」と言うので、その話題は捨て置きました。

 

ともかく、恵方巻はいらないと言うので、豆まきはせずとも、年の数だけ食べるくらいの節分らしいことはしようかと提案して、豆を買ったのでした。

 

今日昼前、家で

父がお昼に合わせてご飯を仕掛けた後のことです。

「買い物に行こう。恵方巻を買うぞ。昼飯にできる。」

と、父はまだ寝ていた私に言ってきました。

私からすると、え?なぜ、ご飯を仕掛けてから言い出すの?って感じです。

 

かすかな予感はありました。昨日、恵方巻を気にしていたのに売ってなかったので「酸っぱい葡萄」反応になったのでしょう。買えなかったから、悪態をついたのだと思います。父には珍しいことではありません。ご飯を仕掛けた後、朝の情報番組で恵方巻の話を見聞きして、心変わりした可能性もあります。

 

昼前、スーパーで

父はきっと海鮮巻きを買うつもりだったと思います。

 

スーパーの恵方巻売り場に数人の客が集まる中で、「良いのが無い」とこぼしていました。いわゆる太巻きは、たくさん売り場に並んでいたのに、目もくれません。ガラス越しにみえる作業場では、海鮮巻きを用意している店員さんの姿が見えたので、しばらく待ちました。でも、一度にそんなにたくさんの海鮮巻ができるはずもなく、ひとまず10本ほどが売り場に出てきます。

 

でも、思ったより値が高く、大きかったようで、父は少し躊躇しました。そうする間に、はやくも海鮮巻きは残り1本に。一人で1本食べるのは難しい大きさだから二人で1本でかまわないと話しましたが、一人に一本でないと駄目だと言い出し、結局、最後の1本も他の客が持って行きました。

 

海鮮巻きが売り切れ状態になると、

「あんなに太いのは、丸かじりできん。値段も高過ぎ。買う気になれん。」

と言って、普通の太巻きを見始めます。余計な捨て台詞ですが、父が気持ちを切り替えるのには必要なのかも知れないと、聞き流しました。

結局、選んだのはシンプルな太巻きを2本。

シンプルな太巻き2本

父は「これでいい、これでいい。」と自分に言い聞かせるようにして手に取りました。

そして、支払いを済ませた後、近くの店員さんに、

「今年の方角はどこですか?」

と確認。南南東とのことでした。

 

お昼、家で

正午より早い時刻にいただくことにしました。

「南南東」は憶えていましたが、食べる際の南南東の向きがはっきりしません。

実家は方角に沿って建てられているわけではないので、凡その向きしかわからないのですが、一応、南と思われる向きと、東と思われる向きの、真ん中より少し南よりを向きました。

 

「黙って食べるのだったな。」と食べ始めます。

私は父より早いペースで食べていましたが、そんなに早く食べたわけでもないです。

父が半分程食べたとき、私の方を向いて急に

「刺身を巻いた…」

と言い出したので、私は人差し指を口の前に持って行き、黙って食べるサイン。

「ああ、そうか、黙るんだった。」

と言ってから、向き直ります。

 

やはり、父は海鮮巻きが食べたかったのでしょう。それも、私が思っていた以上だったようです。ちょっとおかしくなりましたが、黙ったまま食べ終えました。

少し遅れて、父も完食。

 

で、「何だったの?」と父に聞き直しましたが、「忘れた」とのこと。

 

もしかしたら、夕飯に海鮮巻きをと考えたのかも知れません。でも、それは父に確かめず、黙っておきました。恵方巻を食べる前に炊きあがったご飯は、昼と夕飯の量です。夕飯も恵方巻になると、何のために炊いたのやらという感じ。残ったご飯は、1食分ずつラップに巻いて冷凍保存するので、無駄にはしませんが、一気に計4食分の冷凍ご飯が溜まってしまうのもちょっと抵抗がありました。

 

その後、豆をまくことなく、年の数だけ食べました。

父82粒、私57粒。数えるのも一苦労です。

この記憶も、もう40年前。

 

来年の恵方巻は海鮮巻になるかな?

なんて言えば鬼が笑いそうですが、

父が悪態をつかずに笑うのも見たいものです。