tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

tn85.藤井聡太棋士、名人位獲得で7冠達成!次は?

6月1日、藤井聡太棋士が名人位を獲得。おめでとうございます。

これまでに獲得していたタイトル、竜王・王位・叡王棋王・王将・棋聖と合わせて7冠となりました。

祝!七冠

2015年より将棋のタイトルに叡王が加わり8つとなっています。残すは王座のみです。俄然、今年中に藤井棋士の初の8冠なるか?と注目されることでしょう。

8冠達成の難易度

王座戦は現在、タイトル挑戦者を決めるトーナメント戦が行われています。藤井棋士はベスト8まで勝ち上がっており、あと3勝でタイトルへの挑戦権を得ることができます。タイトル戦は9月~10月にかけて行われる予定です。

 

でも、8冠の難しさは、8つのタイトルを「同時に」持っていることにあります。王座戦のタイトル挑戦権を得たとしても、それまでの棋聖戦(6-7月)と王位戦(7-9月)の二つのタイトルを防衛しないと8冠はなりません。7つタイトル防衛と王座挑戦権獲得を同時に狙うことは誰も経験がないことであり、「名人」を獲ったのだから、8冠も大丈夫だろうと考えるのは早計です。

 

日程の壁

年間の8つのタイトル戦の流れは、

王将戦 1-3月(七番勝負)  
棋王戦 2-3月(五番勝負)  
名人戦 4-6月(七番勝負)  
叡王戦 4-6月(五番勝負)   
棋聖戦 6-7月(五番勝負)   
王位戦 7-9月(七番勝負)  
王座戦 9-10月(五番勝負)   
竜王戦 10-12月 (七番勝負)  

となっています。タイトル戦で全て最終局までもつれると48局必要です。加えて、タイトル戦の出場権を得るまでにも対局があるので、8冠を達成するためには、1年で軽く50局を超える計算。かなり大変です。

 

今回も名人位獲得に先立って、5月28日に叡王のタイトル防衛に成功していたことが大きかったと思います。叡王戦は5番勝負で、先に3勝した方がタイトルを得ます。藤井棋士は5月28日時点で、2勝1敗でした。でも当日は、2度千日手(指し直し)が発生し、実質3局を指しています。疲労度はいかばかりだったか。ここで、勝利を得たことで、名人戦だけに集中できる日程になったのです。

その3日後が名人戦7番勝負(先に4勝すればタイトル獲得)の第5局でした。藤井棋士はこの時に3勝1敗。結果的にはここで勝利を収めて、7冠を達成しています。

 

実は6月に、もう一つのタイトル、棋聖戦(5番勝負)の第1局が5日に控えています。しかも対局の場所がベトナムのダナン市。 何と海外!第2局が6月23日で、場所が淡路島の予定。3つのタイトル戦を同時進行で戦うとなると超過密日程になるところでした。

 

もし、5月28日の叡王戦で敗れていれば、2勝2敗の後がない状態で第5局が6月17日。名人戦が第6局にもつれ込んでいれば予定が6月13日でした。その場合、5月28日、5月31日、6月5日、6月13日、6月17日、6月23日と対局が続くことになります。これは体力的にかなり厳しいです。最終局までもつれ込むと、他のタイトル戦がある分、日程的に藤井棋士がきつくなります。

 

いかに少ない対局でタイトルを得るかは、8冠達成の重要な鍵と言えるでしょう。

 

将棋と体力

将棋は長く座って手を動かすだけなので、体力は不要と思う人がいるかも知れませんが、AIに劣らぬ思考を生身の人間が行うのにはかなりの体力が必要です。一説にはプロ棋士は一局で体重が2、3キロ減る人も少なくないとのこと。よく、対局の際の食事やおやつが話題になりますが、思考には多くの糖分や水分が必要になります。

 

傍目には手を動かすくらいの動きにしか見えなくても、それだけ体力を消耗する思考とはどんなものなのか、素人にはちょっと想像がつきませんが、対局前も対局中も、体調の維持は重要でしょう。

 

戦いは既に始まっている

藤井棋士のこれまでのタイトル戦の全成績は、53勝13敗5千日手で、勝率.803。

最終局までもつれたのは1度だけ。

現在、タイトル戦でタイトルが獲れなかったことがありません。驚異的です。

8冠達成には王座戦のタイトル戦出場の前に、棋聖戦王位戦の防衛が必須。

8冠に向けた戦いは既に始まっています。目が離せません。

是非とも頑張って欲しいです。

 

 

こちらで、将棋のタイトル戦60年を簡単な記事にしました。

 

※  藤井棋士竜王・名人のタイトル獲得者なので、本来なら藤井竜王・名人、または藤井7冠と表記するところですが、記事中にはタイトルを取る前についての内容もあるので、藤井棋士と統一しました。