tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

「一生モノ」とは何だろう?

脳内で対話する。

「ねぇ、これまで一生モノって呼べるような物あった?」

「そんな昔のことは憶えていない。」

「じゃあ、これから手に入るのかしら?」

「そんな先のことは分からない。」

 

もちろん、映画『カサブランカ』の名台詞を真似てのこと。原文はこう。

Where were you last night? 
「昨日の夜はどこにいたの?」
That’s so long ago, I don’t remember. 
「そんな昔のことは覚えていない」
Will I see you tonight? 
「今夜は会える?」
I never make plans that far ahead.
「そんな先のことはわからない」

「そんな昔のことは覚えていない」と「そんな先のことはわからない」は、ジョークのようでありつつ、はぐらかす台詞としても、事実としても成り立つのが良い感じ。ただし、説明責任のある者が使っていい台詞ではない。

一生モノ?

今頃になって今週のお題「一生モノ」をネタにして書くことにした。お題を知った当初、ああ、これは私と無縁だなと思ったのだが、幾人様のブログを拝見して、そうか、宝石や道具など有形の物にこだわる必要はないなと思い直した次第である。

 

ところが、有形の物という呪縛から解き放たれると、今度は逆に収拾がつかないくらいにまで広がってしまった。むしろ、無形の物も有りとなれば「一生モノ」ばかりではないか?と思えてくるほどに。

 

一生使う知識や経験は少なくないはずだ。かけ算は小学2年生のもので、それ以降はつ使わなかった人は居ないだろう。一人暮らしで憶えた家事は、一人暮らしではない他の暮らしにも役立つ。使う包丁を新調しても、それまでの使い方をやめることは無い。言葉だってそうだ。座右の銘を持つ人は「一生モノ」の言葉を得ていると言えると思う。

 

ただ「座右の銘は何某です」と言いたいがため、言葉の意味も考えずに持っている人も居そうではある。代々受け継いで来た着物や宝石を「一生モノ」として、大切に保管する人も居るかも知れない。でもそのどちらも「一生モノ」と言えるかは微妙。

 

では、「一生モノ」とは何かという疑問がむくりと起き上がる。Weblio辞書には「生涯にわたって使い続けることができる品。長く使える良品。」と説明されているし、多くの人は何かの有形の物として受け止めていると思われる。当初、私が自分に無縁だと思ったのも、そこに起因している。

 

なるほど、生涯にわたって使い続けることができる品を「一生モノ」とすることに異論はない。では、使い続けられるが使うのをやめたものは「一生モノ」なのだろうか。毎日のように見るだけの物は「一生モノ」だろうか。よく「家は一生モノの買い物」と言われるけれど、家を離れざるを得ない場合もあるわけで、本当に一生モノなのか「そんな先のことは分からない」はずだ。仮に借家で一生を暮らした人がいるなら、その借家は一生モノだったと言っても良いと思う。

 

では、教科書ならどうだろう?教科書でで学んだことを一生使い続ける人も多いはずだから、「一生モノ」の知識と言っていいようにも思うし、処分せず残している教科書なら、それを「一生モノ」の本と言ってもいい気がする。もっと言えば、人生を続けている内、ふとした拍子にかつて学んだことを思い出して納得する私のような人だっている。中には、かつてどこで学んだのか「そんな昔のことは憶えていない」人だっているだろう。いつからか、一生モノになっていることもありそうだ。

 

こう考えてくると、以前から一生モノと感じていたかどうか、或いは今後も一生モノであり続けるかどうかは、大した意味を持っていない気もする。大事なのは、やはり「モノ」(品)ではなく「一生」(生き方)の方だと思う。一生モノと思ってその品を大事にするのも、そうした生き方を大事にしているからこそ成り立つのであって、自身の生き方に無頓着でいては一生モノにはできないと思う。

 

確かに、一生モノと呼べる有形の物があれば、わかりやすい。しかし、一生モノが無形の物であっても臆する必要はない。一生をモノにできれば十分。それでいい。

 

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<余談 一生モノの書き方>

何故、一生モノの「モノ」がカタカナなのか、ちょっと気になった。

しかし、「一生物」と漢字で書くと「いちせいぶつ」や「いちいきもの」、さらに「いちなまもの」とも読めてしまうからかな?と結論付けている。

 

 

今週のお題「一生モノ」