まだ早過ぎる
先日の記事に
「今年は少し早めに紅葉を見に出かけようか。」と父に声をかけたところ、いつ出かけるかの話は無いまま、「まあ、ガソリンを入れろ。金は出してやるから。」と満タンにしたことを書きました。
昨夜、「明日、行こうか。」と話を振ったのですが、「まだ早過ぎる」と返されました。それで普段通り、午前2時頃まで父のCPAP(シーパップ:睡眠時無呼吸症候群の治療器具)の様子を確認してから寝ました。このところ、問題なく眠れているようです。ただ、CPAPマスクの交換時期が近づき、マジックテープが外れやすくなっているとのこと。次回の診察時には交換した方がよさそうです。
見に行こう
今朝午前7時頃、父が「紅葉を見に行こう」と言い出しました。新聞で見頃を迎えたと知っての方針転換です。さすがに、もう少し寝かせてと話して、午前9時過ぎの出発となりました。google map で、片道2時間半程と表示されたお寺。父は以前に行ったことがあるし、奇麗だったと言うのですが、去年は父の案内に振り回されました。
そこで今回は先に検索しました。途中でトイレ休憩や昼食もとったため、着いたのは12:30頃でした。
四国でこの時期に紅葉が見られるのは高い場所に限られます。車を降りてからの坂道と階段が心配でしたが、「出かける時は調子が良いんだ。」と豪語した通り、「行ける、行ける。」と強気でした。
もう帰ろう
ところが、全然、紅葉していません。というか、紅葉する木が見当りません。目に入るのは太く高くそびえる杉や檜。目的の寺に到着しても、新聞写真で見たような紅葉は見つからず、「やっぱり早かったんだ。新聞は、ちょっと紅葉しているところを見つけてそこだけ写真にしたんだろう。」と意気消沈。とたんに元気を無くします。参拝をした後、「トイレに行って、もう帰ろう。」と言い出しました。
ところが、そのトイレもすぐに見つかりません。お寺なので、さすがに立小便するとは言い出さなかったものの困り顔です。境内の人に聞いたら?と持ち掛けますが、聞くのが恥ずかしいのか自分で探そうとします。
私は優しくないので、父の代わりに聞いたりしません。以前、記事にした
愚痴をこぼしながらもやりきる父が見たくて、手は貸しません。
の方針は維持しています。なので、意地悪く「聞くのと、聞くのを恥ずかしがるのと、恥ずかしいのは、どっちだろね?」と冷たく言うのです。ようやく、仕方が無いと覚悟を決めたようで、トイレの場所を聞いていました。
勝手な思い込み
場所を聞いて、歩みを進めると、そこにきれいな紅葉が現れました。
それを見て、父は一言「たったこれだけか。」とこぼします。どうやら、辺り一面が色づいた紅葉をイメージしていたようです。苦労して辿り着いただけに、この言葉にはカチンと来ました。でも、父が憎まれ口を叩くのは日常茶飯事なので、ひとまずぐっと我慢。父は、トイレに向かう歩みを止めてしばらく見入っていました。
そこから見えた紅葉の写真をアップしましたが、私の腕不足もあってむしろ「たったこれだけ」に納得しそうな感じになっています。
トイレ後は、意気消沈したのが嘘のように、父はあっちはどうだ?こっちはどうだ?と歩き回ります。以前に来たことがあると言っていたのに初めて来たような言動が気になりました。すると、以前に来たのは紅葉の時期ではなかったと言います。山の緑が奇麗だったとのこと。紅葉で有名なところだから、紅葉したらさぞ奇麗だろうと思っていたとの話でした。この勝手な思い込みもまた父らしいです。
そうする内、それまで薄曇りだった空がだんだんと晴れてきて、見る角度によって、鮮やかさが幾分、伝わりそうな写真も撮れました。
(3)は一部をぼかしています。
紅葉は一通り見終えましたが、歩みは止まりません。展望台の案内を見つけて、行ってみようとなりました。
紅葉狩り成功
展望台からの見晴らしも良いし、他に来ていた家族やカップルも楽しそうでした。以前来た時にはこんな所は無かったはずとも。何にせよ、一時は「もう帰ろう」と言っていた父が、満足そうな顔になっていたのは収穫でした。
結局、予定より長く散策することになり、実家に戻ったのは日の入後でした。
車を走らせたのは約200km。かつては1日400kmくらい走っても平気だったのですが、私も齢を重ねたせいでしょう、腕や肩がガチガチです。
帰宅して父のスマホの歩数計アプリを確認すると、8500歩程になっていました。普段の倍以上です。後で、父にも私にも疲れがどっと来るかもしれませんが、ひとまず今夜は紅葉狩りの成功を祝って、一人で軽くお酒をいただくつもりです。
あと、11記事。