tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

高校時代のSF漫画『うる星やつら』

昨日、高校時代の映画を中心にSF作品について記事を書いたばかりだけど、どうにも書き足りてない気がしてしまった。

漫画についてである。

漫画『ドラえもん』は、日常生活にSFが入ってきた作品でした。ホラー作品も日常生活に近づいてきた印象があります。

ドラえもん』の解釈は間違っていないと思うけれど、高校時代のSF漫画の筆頭に当たるのが『ドラえもん』だったかというと、答えは、否である。

 

かつて記事にした通り、高校時代の漫画のbest5は

5位 『列島198X』沖一・史村翔(=武論尊) 講談社ヤンマガKC
4位 『じゃりン子チエはるき悦巳  アクション・コミックス
3位 『うる星やつら高橋留美子 少年サンデー連載
2位 『風の谷のナウシカ宮崎駿 月刊『アニメージュ』連載
1位 『童夢大友克洋 双葉社 アクションコミックス

となっている。

これ以外にも、『銀河鉄道999』や『Dr.スランプ』、『北斗の拳』、『キン肉マン』などSF漫画かどうか怪しいのを含めて、いろいろ読んでいた。

ちなみに、荒木飛呂彦の『バオー来訪者』や『ジョジョの奇妙な冒険』は高校卒業後の作品なので、ここでは割愛。残念。

 

さて、この記事で書きたかったのは『うる星やつら』である。

 

うる星やつら』の魅力

ドラえもん』を「日常生活にSFが入ってきた作品」としたのに対し『うる星やつら』は「日常生活にSFを押し込んだ作品」と言えそうに思うのだ。

いや、『うる星やつら』からSFを除いたら一般的な日常生活になるわけでもないか。当初は奇想天外な出来事が次々起きるドタバタ漫画だった。日常と言える描写は無かったとも言えそう。

ということで、前言はあっさり撤回する。

うる星やつら』は「日常生活をSFに奪われた作品」としよう。

SF作品とは言えないとの批判はあると思うけれど、私の独断である。

 

うる星やつら』の世界観

どちらかというと、連載当初の頃の奇想天外な世界観が好きだ。

うる星やつら - Wikipedia より、あらすじの一部を引用する。

宇宙人である鬼族が、地球侵略を仕掛ける。鬼族は圧倒的な技術力と軍事力を保有しており、武力で容易に地球を手に入れるのでは簡単過ぎて面白くない。そこで、鬼族代表と地球代表とが一騎討ちで戦い、地球代表が勝った場合、おとなしく帰り、地球代表が敗れた場合、地球を占領すると宣言した。その一騎討ちは、鬼族の伝統に従い『鬼ごっこ』で行われ、期限内に地球代表が鬼族代表の角を掴むと地球の勝ち、鬼族代表が逃げ切ると鬼族の勝ちというものである。

この設定を考えついた高橋留美子に驚いた。戦争を鬼ごっこの勝負にしてしまう。でも、その無茶ぶりな設定に加えて、状況を読まない台詞やありえない展開を上手く混ぜてストーリーが成り立っていて、バカバカしいと思いつつ、続きを読まずにいられない感じ。

 

「鬼ごっこ」の地球代表に選ばれた主人公、高校生の諸星あたるは、なんとも頼り無く、恋人で幼なじみである三宅しのぶに操られて奮起して、あり得ない結果を迎えて地球を守ることに成功する。そこまでの過程のドタバタ加減が飛びぬけていて、よくぞラストに行きついたと、拍手したくなる。

 

SFに収まらぬ怪談や不思議現象満載

うる星やつら』のジャンルを一言にするなら、「ドタバタラブSF学園コメディ」だろうか。宇宙人やメカも登場するのでSFと言えるとは思うが、怪談や、異次元世界等、いろんな要素が詰まった変な世界である。

 

原作に比べてラブストーリー感が強いアニメではあったが、そのエンディングソング『宇宙は大ヘンだ!』が、この変な漫画の世界観を言い当てている気がする。

ヘンとヘンを集めて もっとヘンにしましょう

ヘンなヘンな宇宙は タイヘンだ!ダ、ダ

ヘンなことがあり過ぎて訳が分からないようなのに、ストーリーが進む。

 

怪談らしきストーリー、こたつねこは、強烈だった。

たつねこ

ありえないようなキャラクター設定なのに、どこか許せてしまうのは、絵の雰囲気のせいだろうか。

 

記事を書いていて思い出した。『うる星やつら』の世界観を真似て、ショートストーリーを作ろうと幾度か挑戦したけれど、どうにもうまくいかなかった。結局、自分の設定に引きずられてその枠から飛び出せず、ツマラナイと思えてきて行き詰る。そんな感じ。

 

あの飛びぬけた発想は、後にも先にも、あの時の高橋留美子にしかできなかったように思うのである。

 

 

今週のお題「SFといえば」