<8枚の金貨>問題
金貨が8枚あります。その内1枚がニセ物で本物よりわずかに軽いです。
天秤ばかりを2回だけ使ってニセ物を見つけてください。
天秤ばかりをどう使えばいいでしょう。
教育実習中の先生の授業で、時間が余った時に出してくれたパズルです。
パズルの種類としては理詰めで解く論理パズルになります。
今回が第3弾、ラストです。後に結構有名なパズルだと知りました。知っている人もいそうです。これも答えは教えてもらえず、自分で解きました。
「ニセ物は本物より軽い」を頼りに解く
ぱっと考えて、答えが見つけにくい時には、簡単な問題に置き換えてみるとわかることがあります。問題は8枚の金貨ですが、これを少ない枚数から考えてみるのです。と言っても1枚だと比べようがありません。考えるのはニセ物が1枚、本物が1枚の計2枚からです。
もし2枚なら
2枚だと、天秤に1枚ずつ置くしかありません。どちらがニセ物でしょう?
ニセ物は軽いと分かっていますから、上がった方がニセ物となります。
天秤を使うのは1回だけですみます。
もし3枚なら
3枚だと、やはり左右に1枚ずつ置くことになります。
この時、天秤は2通りの動きがあります。釣り合わない場合と釣り合う場合とです。
a.天秤が釣り合わない
これは2枚の時と同様、上にあがった方がニセ物。
b.天秤が釣り合う
この場合、左右が同じ重さなので、残った1枚がニセ物とわかります。
もし4枚なら
4枚になると、2通りの測り方が考えられます。
a.左右に2枚ずつ乗せる
この方法だと、どちらかが上になり、上がった方にニセ物があるとわかります。でも、上がった2枚のどちらがニセ物かはわかりません。結局、その2枚を左右に分けてもう1回測り、上がった方がニセ物となります。
b.左右に1枚ずつ乗せて量る
この場合、左右が釣り合う場合と、釣り合わない場合があります。1回目で釣り合わなければ上がった方がニセ物とわかりますが、釣り合った場合は2回目を量る必要があります。
ここまでの段階で、3枚までなら1回量ればニセ物の特定ができますが、4枚になると2回量る必要が出てくるとわかります。
もし5枚なら
5枚も2通りの調べ方があります。
a.左右に2枚ずつ乗せ1枚あまる
この方法だと、1回目で釣り合った場合は、4枚とも本物の金貨。残りの1枚がニセ物になります。
釣り合わなかった場合、どちらかが上になり、上がった方にニセ物があるとわかります。残りの1枚も本物です。
でも、上がった2枚のどちらがニセ物かはわかりません。結局、その2枚を左右に分けてもう1回測り、上がった方がニセ物となります。
b.左右に1枚ずつ乗せ3枚あまる
1枚ずつ乗せても左右が釣り合う場合と、釣り合わない場合があります。1回目で釣り合わなければ上がった方がニセ物とわかりますが、釣り合った場合はあまった3枚の金貨で2回目を量る必要があります。1枚を残して左右に1枚ずつ乗せ、釣り合わなければ、上がった方がニセ物。釣り合えば残りの1枚がニセ物。
もし6枚なら
6枚の場合、1回目の量り方は3通りあります。
A.左右に1枚ずつ乗せて4枚残す。
B.左右に2枚ずつ乗せて2枚残す。
C.左右に3枚ずつ乗せて1枚も残さない。
この内、2回目を量ってニセ物を特定できない方法は1つ、ニセ物を特定できる方法が2つです。どう量ればいいでしょう。
ヒントは先述の、「もし2枚なら」、「もし3枚なら」、「もし4枚なら」です。
特に、「4枚になると、2回量る必要が出てくる」がミソ。
(ボカシ部分にカーソルをあてるで文字が鮮明になります:以下同様)
答え
ニセ物を特定できない方法 A
ニセ物を特定できる方法 B、C
もし7枚なら
7枚の場合も1回目の量り方は3通りあります。
A.左右に1枚ずつ乗せて5枚残す。
B.左右に2枚ずつ乗せて3枚残す。
C.左右に3枚ずつ乗せて1枚残す。
この内、2回目を量ってニセ物を特定できない方法は1つ、ニセ物を特定できる方法が2つです。どう量ればいいでしょう。
6枚の場合の答えがわかった人は、解けると思います。
ここでも「4枚になると、2回量る必要が出てくる」がミソ。
答え
ニセ物を特定できない方法 A
ニセ物を特定できる方法 B、C
「8枚の金貨」問題を解く
と、ここで重大なミス発見。これまで使ってきた説明用イラストでは考えづらいので、修正を加えました。
これで大丈夫かな?
では、出題の「金貨が8枚あり、1枚が本物よりわずかに軽いニセ物。天秤ばかりを2回だけ使ってニセ物を見つける」方法を考えてみましょう。
まずは、ノーヒントで考えてみてください。
わかりましたか?わかった人も、わからなかった人も
答えはこちら
オマケの問題
(※ この文章は答えのページにも載っています。)
8枚の金貨問題を考えていた当時、考えついたことがあります。こんな問題。
「金貨が9枚あり、1枚が本物よりわずかに軽いニセ物。天秤ばかりを2回だけ使ってニセ物を見つけることは可能でしょうか?」
これは、すんなり解を見つけることができました。
答えはこちら
以上、高校2年の時に、教育実習生から授業のあまり時間で教えてもらったパズルでした。授業内容も実習生の名前もは憶えていませんが、3問のパズルは強く記憶できています。ありがとうございました。
「8枚の金貨」の類似問題も多いです。
機会があれば記事にすることがあるかも知れません。
教育実習の先生が出してくれた他の問題
ちなみに、第1弾、第2弾はこんなパズルでした。
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<余談 「計る」「測る」「量る」>
記事を書いていて、天秤で「はかる」の漢字を当初「測る」だと思っていました。そのため、金貨4~6枚のイラストでは「測る」となっています。ネタにした方がお得感ありそうに思ったので直していません。正しくは「量る」となるようで、途中から使用漢字が変わっています。この他にも「計る」という漢字もあります。
どうやら、「はかる」対象によって漢字が変わるようです。
「計る」時間をはかる。
「測る」長さをはかる。
「量る」重さや体積をはかる。
でも、かなりあいまいな部分も多いです。
例えば速さを「はかる」。
一般にスピード測定というように「測る」を使う所でしょうが、100mを走る速さを測定する場合、実際に使うのはストップウォッチですから「計る」になるそうです。
体温計で「はかる」。
体温計だから「計る」と思いきや、温度は「測る」そうです。
重さや体積なら「量る」だそうだけれど、ダウンロードの速さは、「測る」のような気もします。けれど、一定時間にどれだけの容量をダウンロードするかと考えると「量る」のようにも思えますし、一定容量をどれだけの時間でダウンロードできるかと考えれば「計る」のようにも思えてしまいます。
図らずも、金貨問題より難しい「はかる」問題に出会ってしまいました。