tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

授業23.2022年度共通テストを少しやってみた

2022年度大学入学共通テスト

2022年は1月15・16日に実施されました。去年に引き続きコロナ感染拡大の上、1日目朝には東大での刺傷事件、その深夜にはトンガの火山による津波速報と、かなりの混乱や動揺があったと思われます。場所によっては降雪による影響もありました。

 

例年になく大変な試験になった印象です。今後、二次試験に向けてもオミクロン株による第6波の広がりが懸念されます。受験に集中できる環境が整うことを切に願っています。

 

さて、去年に引き続き、

今年も、共通テストの一部の問題に挑戦してみました。

今回挑戦したのは国語と数学1Aです。国語は問題文が面白そうだったからで、数学は問題を見てあることを思い出して興味を持ったからです。

 

 

国語 第1問

作品のテーマも作者も別の文章1(宮沢賢治よだかの星』について「食べる」ことの考察)と文章2(人間に食べられた豚肉(あなた)から「食べる」ことについての考察)が併記されます。それぞれに小問があります。さらに、二つの文章の「食べる」についてMさんが整理するためのメモについて問われます。

 

人の読解を推察した上で、その考察をするという形ですが、受験生が豚肉になることを想像するという複雑さも加わります。問題文を読みたい方はこちら

漢字の出題

(ア)擬人化がカジョウになされている作品

「(ア)擬人化がカジョウになされている作品」のジョウの漢字と同じものを1~4から選びます。

  1. ジョウチョウな文章
  2. 予算のジョウヨ金
  3. 汚れをジョウカする
  4. ジョウキを逸する

答え (カーソルをぼかし部分に当てると答えが見えます)

以前からよくある出題方法です。こんなのが3問あります。

(イ)あなたを

(イ)「あなたをい」の襲と異なる意味を持つ漢字を選びます。

  1. ライ

答え 

こんなのが2問です。

 

読解文の細かな違い

漢字の問題はクリアできましたが、続く読解では3連続でバタバタと倒されました。大意が似ていても、使われる語句のちょっとした違いまで考慮しないと正解は見抜けないです。残念。

 

Mさんの考えを整理する問題

まず、Mさんって誰?どんな人でどんな思考の持ち主なの?って感じです。ところがそんな説明は一切無く、考えを整理した結果、ふさわしい文章は1~4のどれか?と問われます。Mさんは理路整然と粛々と考えるという前提です。冗談が好きなMさんかとか、うっかりが多いMさんかとか、想像を広げる余地はありません。

 

幸い、Mさんとは気が合うようで、2つとも正解できました。

 

採点の結果、第1問では50点満点中、29点。読解は高校時代からの苦手分野。問題作成者の意図に見事に引っかかった感じです。

 

数学1A 第1問

[1]数と式の問題の(1)

第1問の[1]は式の展開と因数分解が使われます。かなり忘れている部分があって苦労しました。解き方もスマートではないです。ちなみに(1)を解かないと(2)も解けない流れです。

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数学1Aの第1問 [1]の(1)

(a+b+c)^2を展開した式につまづきました。幸い、問題の条件として a+b+c =1なので、(a+b+c)の2乗も答えが1だとわかっています。これは心強いです。とは言え、2文字の式の展開ならまだ記憶してますが、3文字となると自信がありません。そこで、まず a+b=X として、(X+c)^2を展開しました。

 

(a+b+c)^2=(X+c)^2=X^2+2Xc+c^2 

ここでX=a+bを代入。

=(a+b)^2+2(a+b)c+c^2==a^2+2ab+b^2+2ac+2bc+c^2=1

これを並べ替えます。

=a^2+b^2+c^2+2(ab+ac+bc)=1

 

問題の条件として、a^2+b^2+c^2=13 なので

この数値を代入すると

=13+2(ab+ac+bc)=1

2(ab+ac+bc)=1-13=-12

となり、

ab+ac+bc=-6

<アイ>→ ー6となります。

 

続いて、(a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2の3つの( )をそれぞれ展開。

=a^2-2ab+b^2+b^2-2bc+c^2+c^2-2ac+a^2 さらに並び替え、

=a^2+a^2+b^2+b^2+c^2+c^2-2(ab+bc+ac) 係数2で括ると

=2(a^2+b^2+c^2)-2(ab+bc+ac) となります。

条件の a^2+b^2+c^2=13 と先ほどの ab+ac+bc=-6 を利用すると

上の式は、

2×13ー2×(ー6)となり、26+12=38

です。

<ウエ>→ 38となります。

 

(2)のオカキクケでは、解くのに時間がかかった上、説明が長くなるので割愛。

ここまでノーミス。(と言っても、時間配分を考えれば相当な時間ロス)なかなか好調に進んでいます。

 

[2]三角関数を利用して大きな話題を呼んだ問題

数学の問題を読んで、分かり易さや難度の高さについ苦笑してしまうことは珍しくないですが、今回、それらとは全く質の異なる苦笑をしてしまいました。

 

第1問の[2]は、2020年、秋田への地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画をめぐり問題視された防衛省の杜撰な調査に酷似した出題だったからです。このブログでもイージスアショア計画に触れました。

 

政治色を含んでいそうな内容が数学の問題になったことはニュースでも取り上げられています。

kahoku.news

適地調査では、防衛省が地図データの「高さ」と「距離」の縮尺が異なったまま計算し、レーダーの電波を遮るとされた山の仰角を、実際の約4度よりも過大に約15度と記載した。

防衛省のミスを追体験してる感じ。こんなミスを起こさない学生になって欲しいとか、一般人だって同じように間違うこともあるとか、何らかのメッセージ性を考えてしまうのは私だけでしょうか。問題作成者の意図は不明ですが、共通一次テストからのテスト史に残りそうです。

 

前置きが長くなりましたが、こんな問題です。

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少し離れた山頂の角度を計算する

近年、数学の問題では、国語の問題文じゃないかと思うくらい、読解力が問われることが増えています。文中にちりばめられた情報の要不要を見極めて、必要な計算や資料の活用をするというもの。この問題も意味がきちんと取れたら、計算自体はそれほど大変ではないと思います。

三角比の表はずらりとまるまる1ページを使っていますが、問題文に「tan∠BAC」と明記してくれているので、sin や cos は見なくて大丈夫。さらに、必要な数値は問題文中の「16°」と「図1の縮尺は、水平方向が1/100000であるのに対して、鉛直方向は1/25000であった」から算出される数値4を使って導かれる数値です。

 

問題文の通りtan∠16°(赤枠)を見ると、その値 0.2867 (朱色枠)が得られます。

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三角比表の tan∠16° を見る

tan は 鉛直距離(高さ)÷ 水平距離(長さ)で求められるので、この場合の、0.2867 は、100m進めば、約28.67mまで上る坂道ということです。

ところが、「水平方向が1/100000であるのに対して、鉛直方向は1/25000であった」です。から、1/100000に合わせるためには、0.2867 を4で割らないといけません。

 

0.2867÷4=0.071675

 

問題文ではこれを、コ.サシスと小数第3位までの数値にしているので四捨五入。

<コサシス> → 0072

三角比の表で0.072をみると、角度4°(黄色枠)で0.0699(オレンジ枠)ですから、

∠BAC は、4°より大きくて5°より小さいとなります。

セの解答群をみると、

f:id:tn198403s:20220119204856p:plain

セの解答群

<セ> → 2

100m進めば、約7.2mまで上るのと約28.67mまで上るのとでは、かなり坂道の感じが変わってきます。

 

[3]三角関数と二次関数

(1)外接円と三角形の問題

f:id:tn198403s:20220119221047p:plain

数学1Aの第1問 [3]の(1)

 

問題文からかなりなおおよその図は描けました。

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問題文から作成したおおよその図

でも、三角関数の定理や公式等の基本が記憶から完全に抜け落ちていることに気づきます。この場合、∠ABCとAC、直径の関係ってどうだったっけ?ぱたりと思考が止まりました。

挑戦終了。

(2)は割愛です。

 

第1問は30点満点中、16点でした。[1]、[2]と順調だっただけに残念です。

 

感想

三角関数は苦手分野でしたが、記憶にはさらに大きな穴が開いてました。

ちょっとズルして検索すれば、正弦定理は簡単に出てきます。

AC/sin∠ABC=2R なので、4/sin∠ABC=6 から答えは出せます。

でも、なぜこの定理が成り立つのかがわかりません。思考の手掛かりすら思い浮かばないのです。こうなると中学の学習からやり直さないと無理でしょうね。

 

いつから忘れていたんだろう?

去年は-(マイナス)の符号の扱いミスやうっかりで誤答がありましたが、間違った理由がわかったので、それほどのショックではなかったです。でも、今回、定理を見て「あ~、そうだった、そうだった」ともならず、記憶の空白はかなりショックでした。この先、こんなことが増えてくるのでしょうね。ちょっと憂鬱。

 

でも、将来、いや、既に始まっている記憶の抜け落ちに、早い段階から気づけたことは収穫だったとしておきます。単なる強がりとも言えるでしょうけど。

 

※2022年度の共通テストの記事ですが、高校の授業と深く繋がっているということで、カテゴリーを「高校の授業」としています。