tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

近況22.父のCPAP使用が半年を過ぎました

最近の診察での話

父がCPAPシーパップ睡眠時無呼吸症候群SAS)の治療器具)を使うようになって、半年が過ぎました。(CPAPの詳しい説明はこちら

CPAPは、睡眠時のデータがwifiを通じて、毎日サーバーに送られるシステムになっています。ですから、いつ器械を使ったか、使用時にどのくらいの圧が必要だったか等を病院のパソコンから見ることができるのです。

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CPAPを装着して寝る

 

 

父の診察について行ってお医者さんに今の状態を聞くと、データを呼び出して一瞥し、「いいですね。順調ですよ。よく眠れています。」との話。でも、私には気になっていることがありました。

 

「時折、トイレに起きるつもりでCPAPを止めて、でもトイレに行かずに、うっかり二度寝してしまうことがあるのですが、大丈夫でしょうか。」ちらっと見たデータ画面には、CPAPが稼働している時間帯が棒グラフに表示され、止めている時間帯が空白になっているように思われました。

 

「毎日4時間はCPAPを装着して寝られているようなので、それほど心配しなくても大丈夫でしょう。」とのこと。そして、「この調子が続くようにしてください。」と言われると、「わかりました。ありがとうございます。」と返事して終わりになりました。私としては聞きたいことが山ほどたくさんあるのですが、病院ではいつも診察を待っている人が大勢いるので、あまり長々と聞くこともできません。

 

CPAP以外の話

CPAPの話の前に、嬉しい話もありました。長らく父を悩ませていた眩暈やふらつきがかなり改善されてきたことです。はっきりした因果関係がわかっているわけではないので、CPAPを使っているからよくなったという話にはなりませんが、「いい感じになってきているね」と言われたのは、嬉しかったです。結果、これまで月2回の診察だったのが、月1回の診察で様子を見ましょうとなりました。

 

毎日4時間以上のCPAP使用で半年を過ぎ、ようやく父が慣れてきたと思えるようになったのですが、その成果が一つ出たような感じがしました。

 

診察が終わって父が鼻腔に吸引機で洗浄?を行っているとき、SASの検査入院の時にお世話になった看護師さんから声をかけてもらえました。

「その後、調子はどう?」と聞かれ

「ようやくCPAPに慣れて、寝ることもできるようになってきています。」と返すと

「それが眩暈にもいい影響を与えたのかも知れませんね。」と言ってくれて、気づきました。私はこの台詞を誰かに言って欲しかったのです。CPAPに慣れるまでの苦労が報われたような気がして、少し胸が熱くなりました。良い結果が出たことをあまり喜ぶのは、そうならなかったときに気持ちが折れてしまうと自戒していたつもりですが、やはり、言われると相当嬉しかったです。

 

CPAP、今後のこと

CPAPを使用する時間

お医者さんの言う「毎日4時間以上のCPAP使用」という目安の根拠は、ネットを検索して得た知識にも合致します。CPAPの使用が必要とされる人が、CPAPを外したまま寝た場合、外した時間が長い程、命を落とす危険が高まります。無呼吸が続いて窒息するということより、血中酸素が足りなくなって心臓や脳に障害が起こり、心筋梗塞脳卒中を引き起こしたり、場合によっては突然死に至ることもあります。

 

心疾患による突然死の事例を、睡眠時無呼吸症候群SAS)の人とそれ以外の人に分類して分析したアメリカの研究では、SASの人は睡眠中にあたる時間帯(0時~6時)に突然死に至る事例が多いのに対し、そうでない人は起床以降にあたる時間帯(6時~12時)に多くなっています。この結果だけで、無呼吸症候群が突然死を引き起こすと結論付けるのは早計ですが、何らかの関連があるとの見方はできるでしょう。

 

また、普段CPAPをつけていた人が、装着せずに寝てしまった日の朝に亡くなっていたというニュースを見かけたこともあります。SASの人はCPAPをつけて寝る方が安全なのは確かだと言えそうです。

 

こうしたことから、4時間以上の装着という目安があるのでしょう。ただ、奇遇にもこの話を聞く前から、睡眠時間の半分を超えるくらいまで、時折父の様子を見るようにしていました。父は午後9時から10時までに就寝するので午前2時頃くらいまでです。時にCPAPを外して寝ていたこともありましたが、その度、声掛けしていたので、4時間以上装着ができていた面もあると思っています。

 

もっとも、CPAPを外して寝るとたちまち命が危険な状態になると決まっているわけではありません。病院で処方されてもCPAPをつけて寝るのが大変で、途中で使用をやめてしまったという話は父の知人の中にもありましたが、それでも普通に暮らしていると聞きます。4時間は効果が出る目安であって、目に見えるような効果が出ないなら装着の意味がないとするのは違うと考えています。

 

CPAPを装着する期間

一方で、装着が必要な人が装着しなくなった場合、10年程も経つと脳卒中心筋梗塞等の重大なトラブルが起こりやすくなるとの研究事例もあります。ただ、これも高齢になるにつれ認知症の進行等で装着することができなくなったり、別の疾患が重症化した結果だったりすることも多く、CPAPを継続しなくなったことがトラブルの一番の原因とするのは疑問が残るところです。

 

また、装着をしないまま問題なく健康が続いている人もいます。上の研究は亡くなった人の結果から導き出されたものであり、CPAPを外した誰もが必ず重大なトラブルに遭うというわけでもないようです。

 

父から、何度か「これは一生着けて寝ないといけないのか」とため息交じりに聞かれたことがあります。その時は「CPAPでは間に合わないほどの重症になったら、酸素マスクが優先されるからCPAPは外すと思うよ」とか「着けずに寝たときが一生の終わりなるかも」とか、ブラックジョークを超えた冗談?脅し?で返しました。酷い話です。

 

CPAPを外しても大丈夫となるケースはあまり聞きません。仮にいつか外せるようになるとしても、それがはっきりするまでは、使い続けて欲しいと思っています。

 

楽観と悲観の狭間で

父がCPAPに慣れず、寝られなくて苦労していた頃、装着しなくても大丈夫じゃないかとこぼすことは多かったです。眠れない眠れないと訴える父を前に、着けなくても問題が起きないこともあるのだから大丈夫かも、と楽観したくなる気持ちが私に無かったわけでもありません。

 

しかし、睡眠時無呼吸症候群の重症だと分かっていて、根治させるものではないにしろ、処方できる器械CPAPもあるのに、それを使わずに重大なトラブルに遭うのは避けたいと思いました。もしものことがあったら後悔するからとCPAPを続けるよう、父に訴えた私は悲観し過ぎだったのかもしれません。

 

今も楽観と悲観の狭間を行ったり来たりしています。

 

でも、いつかの時に、楽観しなかったら良かったと悔いるより、悲観しなくても良かったんだなと反省する方が何倍も気が楽だと思うのです。何かあってから悲観するより、何かがわかったときに楽観できるほうがいいと、まず、私が自分に言い聞かせています。

 

せっかく父が慣れてきたところです。医師からも「この調子が続くようにしてください。」と言われて、素直に「はい」と返事した父です。その返事の後押しをしたいと思っています。