何の表?
問題1.表(1)は何の表でしょう?
ヒントは無しで。
答え 10までのかけ算九九表
※ぼかし字にカーソルを持っていくと鮮明になります。(以下同じ)
これは、すぐにわかった人も多いのではないでしょうか。小学2年生の算数で一番の課題と言える九九。100マス計算として、うんざりしながら、喜々として解きまくった記憶がある人もたくさんいそうです。
問題2. 表(2)は何の表?
これもヒントは無しで。
答え 1~100までを並べた100マス表
これも、多くの人が答えられたと思います。こちらは小学1年生で、100までの数として学習します。そして、横行(横向きには一の位が1ずつ増えていく)と縦列(縦向きには十の位が1ずつ増えていく)の法則を当たり前に思う人も多いと思います。
ただ、それゆえに九九表に強い抵抗感を感じてしまう子もいるとも聞きます。
表(1)、(2)は、どちらも100マスの表ですが、似た表でも柔軟性を持って見る力は小2の時点から大切だと言えそうです。
問題3.表(3)の薄青部分は何を示しているでしょう?
まず、ヒント無しで考えてみてください。
ヒント 1
全体は1~100までを並べた100マス表ですが、薄青部分は何かのルールで色が付けられています。
ヒント 2
表(1)、(2)の両方と関係があります。
表のクイズをもう少し、進めます。
問題4.表(4)の薄赤部分は何を示しているでしょう?
ヒント 表(3)に薄赤部分をつけ足しています。
答え 表(3)の薄青以外で倍数になっている数を薄赤にしている
問題5.では、先の表(4)で背景色のない数の共通点は何でしょう。
ヒント 2,3,5,7は例外として考えてください
答え 素数
素数の魅力
前回までの虫食い算と覆面算の記事を書いている途中で、高校時代に遊んだ素数の世界を思い出しました。
素数の定義と素数表
素数とは、「1とその数自身以外に約数を持たない自然数」、「約数が二つだけの自然数」です。1は1しか約数が無いので素数ではありません。
100までの数で素数を示したのが、表(5)素数表です。黄色マスの数字が素数。
2,3,5,7は修正しています。
高校時代に、素数を確かめる方法を考えたことがありますが、文系の私には大したことが思いつけませんでした。結局、当時の先輩から教えてもらった方法で100までの素数について確かめました。(詳細は後述)
100までの素数表を見て、ふと気になったのは、10ごとの横行で、素数が最大で4個(1の行と11の行)、最低で1個(91の行)あることです。数が大きくなるほど、何かの倍数になることは多いですから、確かめていけば素数が0個の横行を見つけられるかも知れません。また、その先にも横行に4個の素数が出ることがあるのかな?そんな疑問を持って、素数の世界にさらに一歩踏み込むことになったのでした。
素数クイズ
その前にクイズを少し。○か×かで答えてください。
(1)一の位が0の数字は素数ではない。
答え ○、0は自然数ではない。
(2)偶数は素数ではない。
答え ×、2だけは素数。
(3)横行10個の数字の中に素数が5個以上になることはない。
答え ○、一の位が偶数の5列と5の列、計6列は素数にならない。
(4)100までの内、素数は25個である。
答え ○、上の素数表の黄色マスをご確認ください
(5)1000までの内、素数でない数字が10個以上続くことがある。
答え ? 今は内緒。記事の続きをご覧ください。
実は(5)を確かめたくて、1000までの素数表づくりにチャレンジしたのです。
当時は方眼紙を切り貼りして横10、縦100マスの計1000マスの表を複数書きました(最後まで作り上げたかは不明)。今回は表計算ソフトを使って作り上げました。
先述の先輩に教わった素数を見つける手順で作成するのは同じ。もっといい方法がありそうですが、いいのです。あの時見た素数の世界を再体験したかったので。
なお、この記事では1000までの表を載せるとかなり間延びするので、170程までの表しか載せていません。いつか別記事に紹介したいと思っています。
では、先輩に教わった手順です。
素数表を作る手順1~3
手順1 1は素数でないので消す。(暗いグレー)
手順2 2を除いて、偶数の縦列と12以降の縦列を消す。(暗い青)
手順3 5を除いて、その下の15以降の縦列を消す。(暗い紫)
この3つの手順で、素数ではない1、2の倍数、5の倍数を消すことができました。ここまでは重なるマスも無く、上から下まで真っすぐなので楽ちんです。
経過の表(1)はかなりシンプルで1と2を除けば縞模様。
経過の表(2)も経過の表(1)に5を除いて、5の列をまっすぐ消すだけです。(正しくは10の列も5の倍数ですが、ここでは省略しています。)
※以降、手順より前に消した数は暗い青(■)として統一します。
素数表を作る手順4、5
手順4 3を除き、3の倍数を消す。(黄色)
手順5 7を除き、7の倍数を消す。(薄黄緑)
手順4,5は手作業だったので大変ですが、楽しみながらできます。印をつけると印の並びに規則性があり、芸術的に見えるのが楽しいです。
経過の表(3)は、3の倍数(3は素数なのでそのまま)のマスに色をつけていきます。黄色マスが左斜め下に1ずつ下がっていく模様が浮かび上がります。また見方を変えると、右斜め下に桂馬跳びしているようにも見えます。さらに奇数の縦列に注目すると、印をつけると2マス空けて1マス消すという流れを繰り返します。この作業で奇数列のほぼ3分の1が埋められるのがわかります。
経過の表(4)は、7の倍数(7は素数なのでそのまま)に印をつけていきます。薄黄緑マスが右斜め下に桂馬跳びで下がっていく模様が浮かび上がります。赤枠がこの作業で新しく消されるマスです。経過の表で見えているのは、7×7(49)以降、7×11(77)、7×13(91)、7×19(133)、7×23(161)です。
これは、7と7以上の素数の乗数(掛け算の答え)になっています。
出てくるまでは、他との繋がり(倍数や約数)のない素っ気ない数。けれど、出てきた瞬間、次の素数を探す重要な手掛かりになる素敵な数。私の素数のイメージです。
より大きな素数を探すには、その手前の小さな素数を集めて手掛かりにするというのは、 何だか人生訓染みています。自分の人生に必要ものに気づくためには、自分の人生を歩む中で手に入れたものが糧になる…みたいな…。え?私の思い過ごしですか?
次回記事に続きます。