授業中に覆面算
虫食い算の記事を書いている内、高校のある授業を思い出しました。教育実習生の授業で時間が余った際、有名な覆面算「SEND MORE MONEY」を教えてくれたのです。
覆面算は0~9の数字の代わりに文字を使った計算式です。
同じ文字には同じ数字が入るというのが虫食い算には無いルールです。
ぱっと見で、虫食い算よりとっかかりにくそうで、こんな計算できるの?と思いましたが、足し算の筆算のルールに基づいて考えていくと、どの文字に何が入るのかが少しずつ分かってきます。今回は、一緒に解くつもりで記事を書いてみました。
実は、この覆面算を教えてくれたのは、一年以上前の記事、『授業7.教育実習 八方桂(ナイトツアー)(1)』と同じ人です。 授業は歴史でしたが、何故か余った時間は数学のパズルでした。
今回も、歴史の授業の記憶はありませんが、覆面算は憶えていました。
覆面算「SEND MORE MONEY」を解く
※「3.千の位のO(オー)とSを考える」まで、ところどころにぼやけた文字があります。カーソルを当てると鮮明になります。ちょっと立ち止まって考えてみてください。
1.最初で最大のヒントはM
一番最初に数字が確定するのはMです。
問題にMは2つありますが、答えの一万の位、赤のMを考えます。
4桁の数字と4桁の数字を足して5桁の数字になる場合、一万の位は必ず1になるからです。 したがって、M=1。嬉しいことにMは2回使われているので、一度に2カ所数字が確定します。
2.使う数字は8種類
問題に使われている文字を見ると8種類です。つまり0~9の10個の内、使われない数字が2つあるということです。それをすぐに出すことは難しいですが、ひとまず頭の片隅に置いて、次の手がかりを探します。
3.千の位のO(オー)とSを考える
続いての千の位のO(オー)とSを考えます。
百の位の計算で、千の位に繰り上がりの1(黄色の○部分)ができるかどうかにかかわらず、それとSと1(元M)を足せば、一万の位が発生するわけです。
ここで、繰り上がりの1を除外して考えると、S+1は9か10です。そこから考えられるSは、8か9です。同時にO(オー)は、0(ゼロ)か1となります。しかし、既にM=1だとわかっているので、O(オー)には1を使えません。したがってO(オー)は0(ゼロ)が確定します。
嬉しいことにO(オー)も2カ所なので、0が二つ埋まりました。
4.Sの数字を考える
ここで先述の
繰り上がりの1を除外して考えると、S+1は9か10です。そこから考えられるSは、8か9です。
を再考します。二通りの考えができます。
a.黄色〇に繰り上がりの1がある場合
S=8になります。その場合、百の位の計算でE+0で黄色〇に繰り上がりができるのは、十の位で繰り上がりがあった場合にに限られ、必然的にE=9、N=0となります。でも、既にO(オー)=0(ゼロ)は確定しているので矛盾します。論理的にあり得ません。
b.黄色〇に繰り上がりの1がない場合
S=9になります。S=8があり得ないと分かったので、裏付けもあります。
さらに、百の位の計算でE+0で黄色〇に繰り上がりがないことも確定しました。
5.百の位のEとNを考える
4.までで、途中の解はこうなります。
ここで、百の位に注目。0を足しているのに、EがNになる理由は十の位の計算で黄緑〇に繰り上がりが1あったということです。
つまり、E+1=Nという式ができます。
でも、残りの数字を見ると、E+1=Nが成り立つ場合は
(E、N)→(2,3)(3,4)(4,5)(5,6)(6,7)(7,8)
の6通りもあって確定は難しそうです。先に別のヒントを探してみましょう。
6.先に十の位のRを考える
解が進展していないようでも、黄緑〇に1が入ると確定したのは大きな収穫です。
E+1=Nであることと、十の位の足し算で繰り上がることもはっきりしました。
緑〇の繰り上がりは不明でも、二つの場合をそれぞれ考えてみます。
c.緑〇に繰り上がり1がない場合
N+R=10+Eということになります。
先述のE+1=Nを活用して、NにE+1を代入した式にしてみます。
N+R=10+E は、 (E+1)+R=10+E となります。
これを整理すると
R=9です。
d.緑〇に繰り上がり1がある場合
これは1+N+R=10+Eになるということです。
先述のE+1=Nも活用して、NにE+1を代入した式にしてみます。
1+N+R=10+E は、 1+(E+1)+R=10+E となります。
これを整理すると
R=8 です。
c、dから、Rは8か9になりますが、既にS=9が確定しているので、R=8です。また同時に、一の位の計算で繰り上がりがあることもはっきりしました。
7.一の位を見る
ここまでで0,1,8,9が明らかになりました。
残りの数字は、2,3,4,5,6,7です。
D+Eで繰り上がりが生じているので、D+E=10+Yです。
D+E>10となる組み合わせは
(D,E)⇒(7,6)(7,5)(7,4)(6,5)
の4通り。でも、Yがすでに確定している0(=O(オー))や1(=M)になることはありえないので、可能な組み合わせは(7,6)(7,5)のどちらかです。
ここで、5.で明らかになったNはEより1大きい数という条件が大事になります。
e.D=7,E=6の場合と、f.D=7,E=5の場合を並べてみます。
e.D=7,E=6の場合
D=7,E=6の場合、Y=3でうまくいきそうですが、Nも7になってしまい矛盾が生じます。
f.D=7,E=5の場合
D=7,E=5の場合だと、Y=2でうまくいきます。また、Nは6となって、矛盾は生じません。
8.解答
これで、すべての答えが出せました。
各文字に対応させると、
S(9)E(5)N(6)D(7)
M(1)O(0)R(8)Y(2)
です。
おまけ
おまけでこんなの作ってみました。
これなら、多分、簡単に解けると思います。
縦の列の「ばかめ」がやたら目についてしまいます。
私に言っているような気もしますが、おまけですからこのままにしておきます。