tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

音楽23.クラシック音楽プレイスリスト(2/3)

指揮者カラヤン

ベートーベンが『運命』をBGMにして頭をかいていると「あなたの髪の運命はあなた次第。」との台詞、続いて現れる「髪」からノが減っていき「抜け始めてわかる、髪は長~い友だち…」で話題を呼んだ育毛剤カロヤンのCMを知っていますか。

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抜け始めてわかる、髪は長~い友だち

おかげで?指揮者カラヤンの名を知った時「カラヤン育毛剤?…いや、あれはカロヤン。」という流れで、するりっと記憶できた気がします。恐らく、あのCMはカラヤンを意識して作ったのだろうと思います。

 

高校時代に知っていたオーケストラ指揮者はヘルベルト・フォン・カラヤンのみ。度々来日していたので、知名度も高かったです。その頃、曲名と作者を知るために訪れたレコード店やラジオ放送で、カラヤン指揮による楽曲がとても多かったのを憶えています。実際、前回の記事のリンクにもカラヤン指揮の曲が二つあります。

 

前回の記事はこちら

 

 

クラシック音楽を聴き直す(2)

 先のCMでは『運命』が使われていましたが、クラシック音楽はいろんな場面で使われています。CMの他、イベント会場のBGMやドラマ、映画等々。今回はそんなことを意識しながら、私流のクラシック音楽10選、続きの3曲です。

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高校時代のクラシック音楽プレイリスト 2回目

 

4.『ツァラトゥストラはかく語りき』(リヒャルト・シュトラウス

何といっても、高校時代にテレビで見た映画『2001年宇宙の旅』(以下『2001年』)の冒頭の音楽が強烈です。2年前、記事にもしました。

ツァラトゥストラはかく語りき」の音楽に乗って始まるオープニングは、黒い宇宙と、ほのかな輪郭がわかる星(多分惑星)がゆっくり現れます。そしてその星が下がっていくにつれ、向こうに見えてくる太陽の光が、間にある別の惑星の輪郭を浮かび上がらせていく。映画公開からもう51年、TV放映から38年が経ちますが、今でも宇宙空間の原風景として、私の記憶に残っています。

映画に使われるのは原曲の冒頭わずか1分半。「日の出」( Sonnenaufgang )とも呼ばれる部分です。この映像にこの音楽を組み合わせたキューブリック監督には、まさに天才。その後どれだけの作品に影響を与えたでしょう。

 

冒頭部分 "Sonnenaufgang"(日の出)だけを聴き比べる

再度の引用ですが、ミケッタ (id:miketta-violinista)さんのブログの

miketta-violinista.hatenablog.com

さまざまなタイプの演奏を聴き比べてみる事は、とても勉強になりますので、ぜひその違いを楽しみながら研究して「ご自身の表現」を見つけてみてくださいね!

との言葉をヒントに、「自分の好きな表現」を意識して聴き比べるのも面白そうだと思いつきました。まずは音楽と映像との違いから。

まずは、音楽だけ。

三角ボタンを押すと曲が聞けます。

 ※注 最初の12秒程はほとんど聞こえないくらい低く小さい楽器音が続きます。でも、そこからいつ、どのタイミングでトランペットの出てくるか、気にすると緊張のある時間となります。

2001年宇宙の旅 』のオープニング、映像付き

youtube にアップされていました。 映像の有無で思い浮かべる状況が変わります。

キューブリック監督は、低く小さい音をMGMのロゴ画面から始め、先述の音楽より遅いトランペット、ドーソード↑ーの始まりの後で、暗闇にほのかな輪郭の星がみえてくる仕掛けです。とにかく見ていただけると納得の構成だと思います。

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鮮明さで勝るリメイク版より、当時の技術を駆使したこちらのオリジナルの方が好きです。

実際の演奏風景

指揮者の表情とトランペットの音を待つ間の緊張感、大きな動きとその反動で始まる弦楽器演奏。何だかそれぞれの思いが絡み合っている気がします。

youtu.be

『2001年』と比べるとトランペットの始まりが遅く、ドーソード↑ー部分は短めで、その後のパパーン!は長めです。どれが好みかは、人それぞれでしょうね。

個人的な感想

私にとっては『ツァラトゥストラはかく語りき』は『2001年』の曲なので、それに勝るものはありません。でも、これについてwikipediaにこんな興味深い話がありました。

(『2001年』で)使用された演奏は、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるデッカ盤。( 中略 )キューブリック監督からの使用申請に対しデッカの経営陣が指揮者・演奏団体を表記しない事を条件にしたため、映画が成功し競合他社も争うようにこの曲のレコードを発売してデッカは大変な損失を被った。カラヤンもデッカと製作会社MGMの告訴を検討したほどであった。

誰が指揮をし、誰が演奏し、誰が音源を作り、それを誰がどう使うかで利益と損失が大きく変わることもあるのですね。

 

ツァラトゥストラはかく語りき」全曲を複数聴く

「日の出」はあまりにも有名な1分半ですが、35分程に及ぶ全曲を聴いた人は少ないのではないでしょうか。敢えてA、B、C、3つの動画を貼ってみました。3つの全曲を聴くのは大変ですが、気になるところだけでも聴き比べるといろんなことに気づきます。

 

A: R. Strauss "Also sprach Zarathustra" Karajan Live in Salzburg 1970「ツァラトゥストラはこう語ったカラヤン ザルツブルグライブ

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映像としてはカラヤンの姿だけが映し出されます。

 B: ツァラトゥストラはかく語りき  Also sprach Zarathustra アンドレ・プレヴィン(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

youtu.be

ニーチェの本や画像、『2001年』を彷彿させる映像、指揮者や楽団の映像あり。

C: リヒャルト・シュトラウス 交響詩ツァラトゥストラはかく語りき」作品30

youtu.be

とちテレ公式アーカイブの映像です。演奏:栃木県交響楽団 指揮:末廣 誠 2019/6/2 宇都宮市文化会館での様子です。

 

演奏を聴くと観るの違い

今回、Cに大注目でした。

以前は、目的の奏者が居なければ、演奏の様子を見ることなんてまずありませんでした。AやBのように、奏者の映らない方を楽しんでいた気がします。でも指揮者や演奏者の思い、そのやりとりが気になってくると話は別。

 

奏者が楽器を構える、降ろす、楽譜をめくる、身体を揺らす、そんなタイミングに目が行きます。ソロやデュオでの音の高低や強弱、長さ具合などズレへの対応、また全体とのバランスを受けての微調整、そんなことにも気を配ってそうです。また、二つ以上の楽器を任されている人の移動、演奏の出番を待つ人の姿勢や視線それにハラハラしたり、何だかその表情の意味がわかると思ったり。

 

これまで演奏を上手下手や成功失敗、そんな単純な基準で聞いてた気がします。でも、一人一人の奏者や指揮者に思いを馳せると、これまでの聞き方がとても味気ないものに思えてきました。

これは、長くラジオやCD、音楽データで聞いてきたせいもあるでしょう。でも、以前からEテレ(当時、教育テレビ)等で演奏の様子を観る機会はあったのに、何かの映像のBGMとなっていた方を好んでいたのです。

 

演奏を観る楽しさに、今さらながら気がついた感じがします。

これもミケッタさんのブログのおかげです。

miketta-violinista.hatenablog.com

miketta-violinista.hatenablog.com

動画で紹介されていた高度な演奏技術に驚きました。魅せるための演奏ではなくて、妥協をしない演奏に魅せられてしまうのでしょうね。これまでにも、葉加瀬太郎さん等、バイオリン演奏を見た(といっても、テレビで眺める程度)ことはありましたが、意識して演奏を観たのはこれが初めてに思います。奏者を意識すると、演奏がとてもスリリングに見えてきます。

 

私の見てもらう演奏経験なんて小中学校くらいまでで、それも全然でしたが、リコーダーの指遣いや息遣い、周りの音に合わせる等の緊張感はありました。練習中「そこで、息継ぎしない!」なんて怒られたことも、演奏を観る興味関心につながっているのだと思います。上手下手に関わらず、演奏経験の有無って大事なことですね。

 

5.『美しく青きドナウ』(ヨハン・シュトラウス2世

この曲も『2001年』で使われました、類人猿から進化した人間が宇宙旅行を楽しむBGMとして流れるのです。また、何かのドラマだったか、スキー場だかスケート場だったかで流れていたのも記憶しています。

 

静かに澄んだホルンの音色が印象的。

シュトラウスⅡ世 美しく青きドナウ  小澤征爾 ウィーン・フィル

www.youtube.com

ワルツのリズムが軽快でいて優雅な曲だと思います。

小澤征爾さんと奏者それぞれが呼吸を共有しているような気がします。

 

wikipedia 「美しく青きドナウ」によれば

シュトラウス2世の「三大ワルツ」に数えられその中でも最も人気が高い。( 中略 )オーストリアにおいては、正式なものではないが帝政時代から現在に至るまで「第二の国歌」と呼ばれている。

とのこと。

 

川の名がつくクラシックとしては、『わが祖国』(スメタナ)の『モルダウ』も有名ですが、10選としては、ワルツの『美しく青きドナウ』にしました。

  

6.『交響曲第6番(田園)』(べートーべン)

クラシック音楽と言えばベートーベンを連想する人は多いのではないでしょうか。

ベートーベンの曲と言えば私の場合『田園』です。2年程前、記事にもしました。

ラジオから「ベートーベン」「交響曲」の言葉が耳に入ったので、大迫力の「運命」か「第九」が流れると思っていたところ、意表を突く静かな出だし。「あれ?」と手を休めて聞き始めました。

  交響曲=大迫力、派手、場合によってはうるさい、そんなイメージがあった頃でしたが、『田園』はそれをいい意味で壊してくれて、視界が広がった感じがしました。

 

クラシック音楽では『田園』を一番たくさん聞いた(聞き流した)と思います。受験学習中、90分のカセットテープのA面に『田園』、B面にビバルディの『四季』を録音し、ステレオのオートリバース機能を使って延々と聞いていました。どちらも40分超の曲で長さ的にもいい感じ。無音になっても数分でリバースされるので放置していました。

 

  ベートーベンで聞き覚えのある曲は、交響曲第3番『英雄』、第5番『運命』、第9番『合唱』、そして第6番『田園』。呼び名のある曲ばかりです。ピアノ協奏曲で知っているのは『月光』、『皇帝』。後は『エリーゼのために』や『トルコ行進曲』でしょうか。並べてみると思っていたより少ないです。

 

あとがきとと予告

今回は『ツァラトゥストラはかく語りき』にかなりエネルギーを使ってしまい、後半は息切れ気味。その後がグダグダになった感がありますが、以上、クラシック音楽プレイスリスト(2/3)でした。

 

< ※ クラシック音楽プレイスリスト(3/3)へ続く > 

 

今週のお題「わたしのプレイリスト」