tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

花粉症の諸要因を考えてみた。ただし、確たる証拠はありません。

花粉症なる言葉が一般に広がったのは高校時代だったと記憶しています。

私の父はそれ以前から花粉症で困っていましたが、まだ花粉症という言葉が一般的でなくて鼻炎だと言われていました。それが数年であれよあれよと一般に広がっていき、程なく父も花粉症と診断されました。

今回、記事を書くにあたり、改めてその花粉症の歴史からみてみました。

 

 

花粉症流行の歴史

花粉症 - Wikipedia によると、日本初の花粉症の報告は1960年のブタクサ花粉症に始まり、1964年にカモガヤ花粉症、スギ花粉症、1965年にイネ科花粉症、イタリアンライグラス(ネズミムギ)花粉症、1967年にヨモギ花粉症などの順で次々と明らかになったそうです。(発表年や正確性などで諸説有り。)ただ後に推測ながら、一部では1940年以前に発症したとみられる患者もいたとのことで、正確な出現時期は不明のようです。

 

スギ花粉症が急増したのは1970年中頃以降で、「特に関東地方共通のできごととして1976年に第1回目の大飛散があり、その後1979年、1982年にもスギ花粉の大量飛散と患者の大量発症があり、全国的ではないにしろ、ほぼこの時期に社会問題として認知されるに至った。「花粉症」という言葉が報道等で一般的に用いられるようになったのもこれ以降」のようです。

 

過去40年間に見るスギ・ヒノキ花粉年次変動と患者数の推移」の東京都3地域での調査に注目すると

  • 東京都の疫学調査1983~1987年の間に都民対象に3地域で行われ、スギ花粉症の推定有病率が都民の10%と報告
  • 1996年に2回目の疫学調査を前回と同じ3地域で行い、都民のスギ花粉症の推定有病率が約20%にもなり、約10年前の2倍
  • 2006年に3回目の疫学調査を行い、都民の推定有病率は約28%にも増加
  • 2019年に4回目の疫学調査を1回目から同じ東京都の3地域で行いましたが、都民の推定有病率は約49%にも急増

とのことです。同じ地域で30年超の間に約5倍、調査数のほぼ半数まで増加しています。この間に花粉の量が増えたとしても、さすがに5倍になったとは考えにくいです。他のデータが見つけられませんでしたが、花粉と他の何かが合わさって花粉症を引き起こしていると見ていいでしょう。

 

花粉症の持論

1980年代前半でも、関東での流行をニュースで聞きながら、花粉飛散量と花粉症患者の増加が関連しているので、花粉が重要な要因になっているのは間違いないとしても、別の要因が重なっていると思っていました。花粉が多い山間部より首都圏で流行していること、四国に住む父は社会問題になる以前から長く症状が出ていたこと、等の理由からです。

とはいっても、詳しいメカニズムがわかるはずもなく、排気ガスや大気汚染などが関係していそうだという漠然とした持論です。それもかなり個人差や地域差があるのだろうなという程度です。そこで、もう一歩、各要因について考えてみました。 

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花粉症 イラスト

あらためて諸説要因について考える

遺伝

一部で花粉症に遺伝性があると言われているようですが、父が若い頃から花粉症だったのに、私(現在55歳)はまだ発症していません。一時期、食中・食後にくしゃみが出たり、鼻水や涙が止まらないのが気になって、病院でアレルギー検査も受けましたが、花粉症予備軍であるものの発症はしていないとのこと。私の一例だけで断定するのは早計ですが、遺伝よりも発症しやすい別の要因があるように思います。

 

また、先天的な体質遺伝と思われていたことが、実は出生後の家庭の生活習慣によって体質変化が起きているという指摘もあります。どこまでが遺伝によるものなのかは、なお、不明な部分があると言えそうです。

花粉の量

私自身の経験ですが、3年程スギの多い山間部の職場で働いたことがあります。ある年、山間部のスギ花粉の量はとても多かったことがありました。朝、駐車場に車を止めて仕事をして、夕方帰る時刻には、フロントガラスがうっすら黄色くなっていたのです。運転するのに支障を感じるほどでした。ウォッシャー液を出してワイパーをかけると、ガラスの縁に黄色い筋が塊になりました。

そんな環境にいても、花粉症にはならずにいます。花粉症に似た症状に悩むのもこれより10年以上後のことでした。

煙草

煙草もよく聞く要因の一つです。でも私は今年で33年間(1日10本以下)吸い続けていますが、花粉症になっていません。ただし、煙草を吸い終わった後に鼻水が出ることもよくあるので、煙草が重大な原因とは言えなくても誘因の一つだとは思います。

アスファルト

タール成分が影響している可能性は煙草にも通じますが、これも不確かです。一方、花粉が土に吸収される田舎と違って、都会ではアスファルトに落ちた花粉が何度も舞い上がるせいで吸い込みやすく患者が多いという説は関係があるかも知れません。

黄砂

これも、花粉症の誘因と言えそうです。最近は黄砂だけでなくPM2.5等、化学物質も影響していると考えられているそう。でも、それなら関東より関西の方が圧倒的に患者数が多くなると思われますが、そういう結果にはなっていないようです。

大気汚染

自動車の排気ガスが大きく影響しているというのは、都市部で患者が多い説明にはなりそうです。ただ、その内のどの物質が原因かはよくわかっていません。一時期、光化学スモッグが要因だと言われたことがあります。それでも、一時期に比べると光化学オキシダント濃度は下がっているのに、花粉症患者は増加しています。

これも誘因なのでしょうが、根本的な要因として考えるのにはやや疑問が残ります。

ストレス

これも、何らかの影響があると考えられています。労働時間が増えた上に労働強化されている反面で給与が減っていることや、受験や社会不安などで子ども時代から始まること、定年後も働き続けなければ生活できない人の増加等、ストレスはかなり長期化重度化していると言えるでしょう。

 

具体的な数値化が難しいため単純比較はできませんが、一人当たりで一年間の累計ストレスを出せるなら、40年前と比較して数倍になっているかも知れないとも思います。世に思われている以上に、人々は大きなストレスを抱えていると思えてなりません。

 

かつて、同じ職場の人から、仕事していると花粉症の症状がきつく、家だと比較的楽な気がするという話を聞いたことがあります。仕事と言っても基本屋内なのでそれほど空気が汚れているとは思えず、花粉症で困ることがさらにストレスになっているのではとも考えました。

 

私の父も高齢になってから花粉症がずいぶん和らいでいます。詳しく話を聞いてみると退職後さらに数年働いた後、仕事をしなくなってからのようです。こうしたことから、ストレスが一般に思われている以上に大きな要因だろうと考えています。

生活の変化

現代の生活は、高度経済成長期を経て大きく変わりました。身近な自然が減り、植えられたスギは手入れをされないままに成長しました。そんな中、食事環境が変わり化学調味料等が要因とする説、夜型生活が増え睡眠不足が慢性化し自律神経が乱れやすくなったことが影響しているという説、外での活動や日焼けを避けるようになったことで紫外線を浴びて生成されるビタミンDが不足していることが要因とする説、住宅事情の変化でダニやハウスダストが増えたのが影響している説など様々あるようです。

 

一時期、環境ホルモン(環境からの化学物質の摂取により内分泌系の働きに影響を受けている)が話題になりました。精子が少ない、精子濃度が低いなどで妊娠率が下がっている等の話もあったように思います。

 

現在のところ、使用されている化学物質が花粉症に影響していると確認できる事例はないとのことですが、それをそのまま鵜呑みにはできません。

 

これまでに使用禁止になった農薬の多くは、かつて安全だとして使われていた物です。核実験で放射能を浴びても服を脱ぎ体を洗えば大丈夫と言われていたことや、非加熱製剤でエイズ感染はないと言われたこともありました。今、遺伝子組み換え食品が安全だとして認可されようとする動きもあります。

 

さらに安全で便利で経済的といわれたプラスチックも、小さくなったマイクロプラスチックが環境汚染として問題になり、最近ではさらに小さいナノプラスチック(現在その有害性は不明)として既に生物の体内に取り込まれその影響が懸念されるとも言われています。(参照ページ:東京大学海洋アライアンス )

 

それらと花粉症の関連が証明された事例は無いようです。でも、無関係であると証明されたわけでもないと思います。不要に心配するのもどうかと思いますが、安心安全と思い込むのも危険な気がします。 

花粉の変化

これは、まったくの推論でしかないですが、人間の住む環境がこれだけ変化している中で、花粉が何の変化もしていないとするのはおかしいのではと思います。

マイクロプラスチックやさらに小さいナノプラスチックが海水や小魚の体内、南極や北極、高山でも見つかる時代です。植物に取り込まれて何らかの変化があったとしてもおかしくはないでしょう。

 

いろんな種類の花粉自体が、花粉症を引き起こしやすい変化をしている可能性もありそうに思えてなりません。

 

個人的な見解

上に書いた記事の多くは極個人的な見解ですが、さらに以下にまとめます。

ただし、確たる証拠はありません。

その点、ご了解ください。

 

花粉症を引き起こす要因

エビデンスに乏しい話ばかり並べてしまった感がありますが、今のところ、花粉症を引き起こす大きな要因は順に

  1. 花粉(アレルゲン)の種類と量と質
  2. ストレス
  3. 生活環境
  4. 遺伝

と考えるようになりました。漠然としていますが、2の要因が大きいと私は思っています。近年、心療内科を訪れる人の増加ぶりを見ても、現代社会に生きる人のストレスはかなり深刻な状況ではないでしょうか。

 

そうしたストレスの増大には生活環境の変化が大きく影響していそうです。

先述した多様な化学物質の影響や、住宅環境、労働環境、生活習慣の変化もあるでしょう。また、スマホやパソコン画面を見つめる時間やその時の姿勢などもあるかも知れません。見方を変えれば、1980年代以降は、画面を見る時間が大きく増えた時代とも言えそうです。また、人間関係も影響があるかも知れません。家族が別々にテレビを見るようになり会話が減る、子どもの塾、親の遅い時刻までの仕事、家族が揃わないままの食事、むしろ一人でいる方が楽だと思う一方で孤独を嫌って画面を見て言葉や画像のやりとりをする、誰かのささいな一言に感情的になり、激昂する人がいるーー。そんな例は枚挙にいとまがありません。そうした変化の一つ一つが小さなストレスに繋がり、結果、知らず知らず膨大なストレスになっているように思うのです。

 

こう考えてきて、花粉症は、花粉と様々な物質が合わさって引き金となり、膨大なストレスで弱っている人に強い症状を引き起こしているのではないかと思うに至りました。もしかしたら、どんな物質が花粉症を起こすのかを特定するより、どうやってストレスから解放すればいいかを考える方が効果的なのではと思うくらいです。

引き金となっている何らかの要因がそのままでも、生活環境が変わるなどにより、ストレスが一定量減少すれば、症状は軽くなるのではないか、そんな風にも思います。父のように、退職した高齢者の中に花粉症の症状が軽減したという話は珍しくないと思います。

 

ただし、確たる証拠はありません。

 

花粉症は治るのか治らないのか

私は、症状が軽くなることはあるが、完全に治ることはかなり難しいと思っています。くしゃみと似ている気がするのです。

胡椒が舞う場所でくしゃみをする人もいれば平気な人もいます。埃やアスベストに強く反応する人しない人がいます。そうしたことでは反応しなくなった人も、別の何かの拍子にくしゃみが出てしまうのと似ているのではないでしょうか。

 

むしろ、ある程度の反応がある方が正常。

病院でアレルギー検査をして花粉症予備軍との診断を受けた時に、医師から言われた言葉です。とは言え、あまりに過敏では困りますし、症状を改善する治療をしなければ悪化することの方が多いので放置は良くありません。ただ、症状が全く出ない完治を望むあまり、それがストレスとなって悪化させてしまうとなると本末転倒に思います。

 

花粉症を疑って病院に駆け込んだのは、頻発するくしゃみや、止まりにくい鼻水、涙に困ってのことでした。かつての父の大変さを長く見ていたので強い不安もありました。結果、予備軍と言われたときは、花粉症として処置してもらえないことに少しがっかりしたのですが、もしかしたら先生は私のストレスを軽減するために予備軍と言ってくれたのかも知れないと、後に思うようになりました。

 

実際、症状を緩和する薬を処方してもらって改善がみられた後は、花粉症でないことでずいぶん気が楽になり、その後ひどい症状にはならずにすんでいます。そして、今の父を見て、治ったかどうかはともかく、ずいぶんと症状が軽くなることもあるんだなと、不安もかなり弱まりました。何となくですが、今後もこのまま歳を重ねていく気がしています。

 

繰り返しになりますが…

 

ただし、確たる証拠はありません。

 

以上、長々と極個人的な見解を述べました。悪しからず。

 

 

今週のお題「花粉」