tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

遊び33.熱の悪魔と遊ぶ(1)おでん・缶コーヒー編

例えば、熱湯にレトルトカレーを入れておくとカレーは温まりますが、お湯がレトルトの中に入る訳ではありません。レトルトは、どうやって熱湯から熱だけを取り出しているのでしょう。

高校時代に疑問を持ち、今でも十分には納得できないままです。

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レトルトカレーの不思議

 

 

熱の謎

 カタツムリ系さんのブログを読んで、記憶の蓋が開きました。 

katatsumurikei.hatenablog.com

冷めた料理に熱を加えて温める。生鮮食品が熱で傷まないように保冷材を使う。冬の寒さにたまらず使い捨てカイロで暖をとる。どれも特別ではない日常的な話です。

レトルトカレーの袋が熱だけを吸収する特別な袋というわけではありません。保冷剤や使い捨てカイロも中身を出すことなく熱の吸収・放出ができます。

 

でも、あらためて考えると不思議です。熱の正体とは何でしょうか?

熱を有する物自体は全然動かないのに、熱だけが多い方から少ない方へ移動できる謎。

それも、見た目に大きな変化が無いままに、比較的ゆっくり、こっそり移動します。

それに騙されて痛い目に遭うことも良くある話で、いつしか悪魔の悪戯だと考えるようになりました。

 

※ 熱と悪魔と言えば、真っ先にマクスウェルの悪魔を連想する人も多いでしょうが、ここでは別です。マクスウェルの悪魔については、別の機会に。)

 

猫舌で悪魔に遊ばれる

カセットコンロでことこと温めながらのおでん。苦労して箸で卵をつかみ、お皿へ。熱いので、ふーふーします。猫舌な私は念入りにやりました。

それから白身を箸で裂き、そこに箸を入れて卵を割ります。でも上手くいかず白身だけ割れて、黄身がころんと転がりました。割れた白身に練りからしをつけてぱくん。ほふほふしながら食べられました。続いて転がった黄身を丸ごとぱくん。

ところが、口の中で割れた黄身はとても熱かったのです。

しかも、中で上あごや舌にくっついて、すぐにはとれません。コップの水を急いで飲んで冷ましますが、すでに遅し。口の粘膜が火傷して、味がわからなくなりました。

 白身はそれなりに冷えていても、黄身はまだまだ熱い。大根だって、表面は冷めていても中が熱い。それを頭でわかっていても、ついつい、繰り返してしまいます。

見た目で熱さがわからない悪魔の仕業です。

 

似たことはたこ焼きでもありました。

冬の寒い日、たこ焼きを買って家に帰ります。ふたを開けると、鰹節のダンスは終わっていて、たこ焼きは既に十分冷えている様子。楊枝を刺して口へ運んでぱくん。

入れたすぐはまだ平気ですが、口の中でそれを潰すとたこ焼きの中身やはまだまだ熱く、口の中に貼りつくようになって火傷状態に。

 

表面がある程度冷えても、中はまだまだ熱い。

悪魔に遊ばれた体験から、やがて悪魔と手を組み、遊ぶことを思いつきました。

 

缶コーヒーで悪魔と遊ぶ

高校時代、冬になると自転車を操る手は寒風にさらされ冷え切ってしまいます。自販機の「あたたか~い」の売り言葉に誘われて、缶コーヒーを買うことが良くありました。

でも、多くの場合、素手で缶を持つと「あっつ、あつ!」となってしまうので、手袋をしていた方が安全でした。それでも、買ってすぐに蓋をあけて口に運ぶと火傷をしそうなくらいなので、少し冷ます必要がありました。

 

尾崎豊が名曲『十五の夜』で

闇の中 ぽつんと光る 自動販売機 100円玉で買えるぬくもり

熱い缶コーヒー握りしめ

と歌っていますが、きっと手袋をして握りしめているのだと思います。

 

手袋をしたまま、缶を振ったり、左右の手でキャッチボールしたりして冷まします。手袋を脱ぎ、素手で缶を触っても大丈夫なくらいなのを確かめます。それでも、中のコーヒーは、ずずずとすするように飲まないとまだ熱いくらいです。

 

缶の表面がある程度冷えても、中はまだまだ熱い。

そこに悪魔が潜んでいました。そいつに誘われて私は、そいつ一緒に遊ぶことを思いついたのです。

 

友だちと一緒に「あたたか~い」と銘打った熱い缶コーヒーを買う機会を待ちます。そして、まだ熱いから少し冷やした方が良いと、手袋をした手で缶を振ってあげます。その後、素手になって缶を持ち「まだ熱いかなぁ?」と悩んでみせます。

友だちは早く飲んで温まりたいので、「もう大丈夫だろう。」と素手を伸ばしてきますが、「大丈夫かな?握りれる?」と焦らせながら渡します。

友だちが缶を握りしめて「大丈夫だよ」と見せてくれるタイミングで、「ほんとに?」と缶を持つ友だちの手を強く握って、小刻みに振ると・・・

「あつあつあつ・・・!」

 

缶の表面がある程度冷めていても、中の熱いコーヒーが混ざると再び熱くなり、素手で持てなくなるのです。 

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ぱっと見で熱さはわからない

 

あの頃の缶コーヒーには、「振らないで開けてください」という表示が無く、振って冷ますのが普通だったと思います。今は、窒素を圧縮して入れているので、振って缶を開けると吹き出すことがあります。ただ、自販機の保温温度が変わったのでしょうか、以前ほど熱い缶コーヒーには出会わなくなった気もします。

それに、車を運転するようになると、冬に手袋をして震えながら自転車をこぐこともなくなりました。

 

熱の悪魔は他にも技がある

記事が長くなったので、いったんここで公開します。

次回の記事は、熱の悪魔二つ目の特徴について書きます。

 

 

※ 次回「遊び34.熱の悪魔と遊ぶ(2)針金編」に続く