遊び25.「めくり貧民」は、ほぼ一択の二人対戦特化型トランプゲーム(ルール編)
「めくり貧民」は、ざっくり言えば、トランプの「大富豪(大貧民)」と「ページワン」、さらにカードゲーム「UNO」をミックスしたトランプゲームです。
「めくり貧民」も他のゲームと同様、手札を全部、場に出し終えれば勝ちですが、こちらが優勢な時に相手は強力なカードめくり当てることも多く、隙あらば一気に逆転されます。大富豪より一発逆転や運の要素が強く、ページワンより高い戦略が必要となり、場に2枚以上の組もすぐ出せるのでUNOより早くカードが減るスピード感もあります。
【 CM 】
手持ちのカード5枚でスタート。みるみる手札が増えたり、減ったり。NO2の力を持つカード「2」には、UNOのドローカードのごとく相手に2枚取らせる威力を装備。しかも、ドローカードにドローカードの応酬は倍々となり、最高16枚を相手に取らせることも可能。考案者曰く、「これはUNOではない。」ドローカードの積み重ねを否定したUNO公式見解もなんのその。しかし、16枚引かされる相手は、その間に一気に3枚組、4枚組を増やし、相手を沈黙させる大攻勢を狙う。油断してはならない。最弱の「3」は、最強のジョーカーを打ち破れる特殊能力を持ち、楽勝と思えた勝負も一気に攻守逆転されてしまう。カードをめくるたび作戦を練り、カードを引かせるたび新たな脅威に備える。「いいか、終わりの宣言だけは忘れるな。宣言なき戦いに勝利はないのだぞ。」先の読めない攻防戦、君は生き延びることができるか?!ーー。
体験談
実際、あっさり勝負がつくこともあるかと思えば、30分かかかっても勝負がつかないことも珍しくありません。高校時代、社員寮に住む兄が家に帰ってきた時、超ローカルルールを二人で少しずつ練りに練り、二人対戦特化型トランプゲーム「めくり貧民」に仕上げました。それ以降、二人でトランプで遊ぶとなると、ほぼこの一択です。
「大富豪(大貧民)」、「ページワン」、「UNO」、これらのルールを知らなければ、役付きカードや上がり方のルールがわかりづらいかも知れません。でも、ルールがわかれば、はまると思います。私が働きだした後に帰省した折も、兄と二人で酒を飲みながらやり、気がつけば夜明け近くになったことも度々。お互いにコツをつかむと、なかなかにエキサイティングになれるゲームだと思っています。
機会あれば、遊んでみてください。
1.「めくり貧民」の遊び方
< 基本的なルール >
- 最初に5枚ずつカードを配り、残りは山札として伏せる。(コツや面白さをつかむまでは7~10枚でスタートもありです。)
- 山札の一番上のカードをめくって、場に置き台札とする。
- 先攻と後攻を決める。(前回の敗者が選べる。)
- 台札と同じマークでかつ強いカードか、同じ数字のカードであれば出せる。出されたカードを台札として次に相手が出す。出すカードが無ければ山札から1枚取り、それが場に出せるならすぐ出しても良い。(詳しくは、<カードの出し方の詳細ルール>を参照のこと)
- 順にカードを出し、次の番で終われる(2枚以上出して上がる場合を含む)予定の場合、「リーチ」、「ページワン」、「UNO」など何でもいいが、次に終われるという宣言をする。(リーチ棒を用意しておくと宣言の有無がはっきりして便利。)
- 宣言後、カードを出せなかったら、山札からカードを引き、リーチ棒を戻して、ゲームは続行。
- 最後のカードを出した後、3やジョーカーで上がりを取り消された場合、嘘の宣言をしたことになり、山札から5枚引かなければならない。
- また宣言をしないまま手持ち札が無くなった場合も、嘘の宣言となり5枚引く。
- 山札が無くなったら、流したカードを集めて山札にしてゲームを続ける。(流れた強力カードが復活する)
- 宣言通り最後の手札を場に出して終われたら、上がりとなり、勝ち。
< 準備するもの >
- トランプ 通常、ジョーカー2枚を入れた54枚。(話し合って、ジョーカー1枚入り53枚や、ジョーカーなしの52枚にすることもある)
- リーチ棒 次に終わる宣言をした時に出すもの。鍵などで代用してもよい。
- 1回の勝負が長時間になることがあるので、十分な時間と水分、お菓子等用意した方が良い。逆に、あっさり終わることもあるので、気楽な心構えもあった方が良い。
< カードの出し方の詳細ルール >
- 台札と同じマークで、なおかつ、台札より強いカードがあれば、それを出せる。
- マークが違っても同じ数字ならそれを出せる。
- 出すカードがない場合、パスをして山札から1枚引き、1、2の条件に合うカードが来れば、即時にそれを出せる。(作戦として、出せるカードがあっても出さずにパスをして1枚ととるのもOK。また、出せるカードを引いても手札に回すこともOK)
- 1~3のいずれかよって正当なカードを出せば、次の人も出されたカードを台札にして1~3のルールに従いカードを出す。
- パスをして山札から引いても出せるカードがなければ引いたカードは手持ち札になる。また、場にあるカードはゴミ札(捨て札)として流して横に寄せ、次に相手が好きなカードを台札として出すところから再スタート。その際、2枚以上の出し方も可能。
- 1~5を繰り返し、次の番で上がれるようになれば、カードを出す際にリーチ等の宣言をする。宣言をせずに上がった場合や、ジョーカーや3で上がりを取り消された場合は、嘘の宣言となり、山札から5枚とる。
- 先に宣言をしていれば、パスをして引いたカードと一緒に上がることはできる。宣言をしないままだと、パスをして引いたカードと一緒に上がることはできない。ただし、引いたカードを出した際に宣言をすれば、場を流した後に上がることはできる。
- 役付きカード、2枚以上の出し方については以下を参照。
2.カードの強さと役付きカード、及び、2枚以上の出し方
< 数字の強さ >
基本的に大富豪(大貧民)と同じだが、一部違う点に注意。
【強い】ジョーカー>2>A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3【弱い】
※ ただし、ジョーカーは3にだけ弱い。3はジョーカーにだけ強い
< 役付きカード >(ジョーカー、3、8、2)
ジョーカー
1番強い上、使うときにはマークを気にしなくてもいいカードだが、3にだけは負ける。最終のカードとしても使えるが、上がった場合でも、相手から3を出されると上がりが無効になり、5枚引かなくてはならない。
また、オールマイティーとして、他のカードと2枚以上の組をつくり、一緒に出すことができる。それで上がりになる場合、3を1枚でも出されると無効とされ、嘘の宣言をしたことになり、5枚引かなければならない。ただし、ジョーカー2枚を組んで使った場合、3もダブルでなければ、勝てるし上がることもできる。
オールマイティで使う場合は、その中の一番弱いカードとなる。(同じマークで3枚の連番と作ったとき、5・6・ジョーカーの組は、4・5・6として扱われる)
「3」
3は通常最弱のカードだが、ジョーカーにだけは勝てる。ジョーカーに対して使った後は、必然、場を流すことになる。
最終のカードとしてジョーカーを複数枚のオールマイティーで使われた場合、直後に3を1枚でも出せば、その上がりは取り消され、嘘の宣言をしたことになり、山から5枚引かせることができる。ただし、最終カードがジョーカーのダブルだった時は、3もダブルでないと勝てない。
3を使って上がる際は他のカードと同様(ただし宣言は必須)に使える。
「8」
8は、台札の数字が7までのカードであれば、マークが違っていても出すことができ、さらに自分の好きなマークを指定することができる。
8を使って上がる際は他のカードと同様(ただし宣言は必須)に使える。
「2」
2は、相手に山札から2枚とることを強制できる。また作戦として取らさないことも選択できる。(下に重要な特別ルール有り)なお、取らさないことを選択すれば相乗効果も発生せず、続いて2を出されたら2枚引くか、2を出して相乗効果4枚を発生させるか、ジョーカーで対応する。
最終のカードとして2を使うことはできるが、上がった直後に相手が手持ちのジョーカーや手持ちの2で応酬されると、上がりは取り消され、嘘の宣言をしたことになり山から5枚引く。なお、2で即応酬された場合は4枚取りなので合計9枚引く。
< 「2」の特別ルール >(特に宣言後で重要になる)
(1)2の相乗効果
a.2を出された時に、手持ち札に2があればすぐに出せ、相手に倍の4枚取らせることができる。また、山から2枚取った直後に2を出せば、相手に2枚取らせることができる。
b.aにより4枚取りが生じても、手持ち札に2があればすぐに出せ、相手に倍の8枚取らせることができる。また、山から4枚取った直後に2を出せたら、相手に2枚取らせることができる。
C.bにより8枚取りが生じても、手持ち札に2があればすぐに出せ、相手に倍の16枚取らせることができる。また、山から8枚取った直後に2を出せたら、相手に2枚取らせることができる。
(2)ジョーカーの効力
手持ちのジョーカーを出せば、2の効果(a.b.cの相乗効果を含む)をすべて消すことができる。
< 特殊な複数枚の出し方 >
ダブル(ペア)(2枚組)
同じ数字の2枚組。なお、「2」の2枚組を出しても、相手にカードを取らせる効果はない。2枚組を出された場合、その数字より強い2枚組(「2」の2枚組ならジョーカーの2枚組だけ)しか出せない。同じ数字は出せない。出された時にパスをする場合、山札から2枚引く。手持ちのカードと引いたカードで、台札より強いダブルが作れた場合、すぐに出すことができる。その場合もジョーカーの利用可。
トリプル(スリーカード)(3枚組)
同じ数字の3枚組。なお、「2」の3枚組を出しても、相手にカードを取らせる効果はない。3枚組を出された場合、その数字より強い3枚組しか出せない。出された時にパスをする場合、山札から3枚引く。手持ちのカードと引いたカードで、台札より強いトリプルが作れた場合、すぐに出すことができる。ジョーカーの利用も可。
カルテット(フォーカード)(4枚組)
同じ数字の4枚組。なお、「2」の4枚組を出しても、相手にカードを取らせる効果はない。4枚組を出された場合、その数字より強い4枚組しか出せない。出された時にパスをする場合、山札から4枚引く。手持ちのカードと引いたカードで、台札より強いカルテットが作れた場合、すぐに出すことができる。ジョーカーの利用も可。
ドリフ(クインテット/ファイブカード)(5枚組)
同じ数字の4枚組とジョーカーのセット。ジョーカー必須。高難度だが何回かは出たことがある。
ストレート(同じマークで3枚以上の連番)
同じマークであれば、3枚以上の連番で出すことができる。最弱は「3・4・5」で最強は「K・A・2」ジョーカーの利用は可だが、ジョーカーは一番弱い数字となる。(5・6・ジョーカーの組は、4・5・6となる。)
3枚で出されたら、それより強い3枚組しか出せない。同じ数字は不可。「6・7・8」で出されたら「7・8・9」より強い3枚組。4枚以上で出されたら、同じ枚数のセットでそれより強い数しか出せない。
パスする場合、山札から相手に出された枚数分を引く。大量に引かされると、7枚組ができたこともあった。もちろん、それを出して相手がパスなら、山から7枚を引かせることになる。
3.ゲームを進める上での大事な留意点
< 宣言しなければ上がれない >
宣言は「ページワン」と同じく必須です。 これは、ゲーム前にしっかり確認してください。宣言が一番重要なルールと言えるかも知れません。基本、自分の手札は相手に見せません。宣言がなければ、勝負どころが見極められず、簡単に勝負がついてしまい、ゲームの面白味が全く変わります。
また、自分の手番になった時に、初めて上がる方法に気づくことも良くあります。特に複数枚で上がれる時に多いです。でも、その場合は、上がり方に気づかなかった自分の落ち度を素直に認め、黙ったまま山札からカードを取るなり、別の方法を選んでカードを出すなりしてください。うっかり上がれば嘘の宣言で5枚取りです。
兄との対戦でも、お互い度々やらかしました。でも、ゲームを続ける内に、上がれるパターンを見つけるのも上手くなっていきます。それを宣言して、どんな時に上がれるのかを考えさせることで、相手も上達します。
ゲームですから、勝つことは重要ですが、楽しむためにはお互いの上達が不可欠。
このルールを軽んじると、お互いに、すぐつまらなくなってしまうはずです。
ただ、宣言後に、あんまり長く考えられるのもしらけます。考える目安は1分くらい限度にしてました。
< 「2」の使い方が重要 >
これまでの説明でも「2」のカードの重要性を書いてきましたが、それをいつどう使うかは、勝負の大事なポイントです。もちろん無くても勝てることはあります。ただ、勝負どころで相手に2枚取りを強制することはかなり多いです。何枚2が出たか、山札に残っている2のマークは何か、相手は何のマークの2を持っているか等、常に気にするようになっていくはずです。
たとえ相手が2を持っていても、マークがわかるなら、そのマークを避けて場にカードを出すなり、あえてパスして山札から引くなりすれば、そうそう上がられることはありません。
2に勝てるジョーカーは、マークが関係ない上、オールマイティとしてもつかえるので、強力ではあるが、カードが2枚しかないジョーカーに勝てる3は、4枚あることは考慮しておいた方が良いと思います。
この辺、「大富豪(大貧民)」でジョーカーを手にした時の大船に乗った感とは少し違ってくると思います。
<最初に配るカードの枚数>
ルールでは5枚としましたが、ほんとにあっさり終わることもあります。コツや面白さをつかむまでは、7枚~10枚くらいの方が良いかもしれません。兄をやる時も当初は7枚にしていたと思います。慣れてくると最初の枚数が少ない方が緊張感もてて面白さもアップした感じがしますから。
<最初にめくる台札がジョーカーや2の場合>
最初にめくったカードが、ジョーカーや2になることもあります。その場合、二人で相談して了解したら、山札を切り直して、もう一度めくることも多かったです。
前回負けた者に勝つ自信があれば、それも運として、そのまま強行することもありました。最初の台札がジョーカーなら、互いに1枚山札を引くか、3があればそれを出せるとか。2が最初だったら、大抵2人でお互い山札を引いてから、始めるとか。
基本は、前回負けた人の選択が優先です。
3や8だった場合はそのままスタートです。
4.まとめ
私からすると、遊び慣れたトランプゲームなので、ルールを書くのはそれほど大変じゃないだろうと思っていましたが、とんでもなかったです。何度も読み返して確認しているのですが、まだ説明し忘れてることがあるんじゃないかと不安が残っています。
ルールに抜かりがないように書くのは、かなり大変でした。説明が大変となれば、読んで理解するのは、もっと大変なような気がします。
冒頭、軽い気持ちで「機会あれば、遊んでみてください。」と書きましたが、遊んでくれる人は一人もいない気がしてきました。
遊んでもらえなくても、最後まで読んでくれた人がいるだけで、満足しても良いくらいかも。
でも、ほんとに面白くて、二人してこんな展開になることもあるんだなあとしみじみおもうこともあれば、相手に1枚も出させることなく手数が2回だけで終わったり、山札を何回積み直しても終わず、引き分けにしたこともあります。
ただ、かなり遊んだとは言え、兄が結婚し子どもができてからはめっきり遊ぶ機会は減りました。21世紀に入ってから、何回遊んだかなという程度です。
つらつらと長く書いてしまいましたが、多分、一生で一番遊んだトランプゲームです。
次回、実践編です。 お楽しみに。
今週のお題「ゲーム」