厳密に言えば、「地球の1年は毎年365.2425日」というのも間違いですが、人間の都合上、そう決められています。ですから、閏年はほぼ4年に1回あるものの、正確には400年に100回ではなく、97回しかありません。
(分かりにくい書き方ですね。)
閏年の仕組み
閏年の仕組みを知ったのは高校時代でした。確か、当時読んでいた『 UTAN 』という科学雑誌に載っていた話です。知った時に、衝撃を受けました。それまで閏年が何故4年に1回なのか、きちんと考えたことが無かったからです。
4年に1回が閏年だと…
仮にここでは、地球の1年を365.25日として説明します。
整数部分の365日はイメージできると思います。問題になるのは、0.25日ですよね。でもひとまず、こう計算してみましょう。
1年で365.25日ですから、2年では730.50日です。3年で1095.75日、4年で1461.00日となります。
0.25日が4回集まれば1日になりますから、4年に1度を閏年として1日増やせばつじつまが合うというわけです。ちなみに0.25日は、1/4日ですから、時間にすると6時間。
人間は1日1日を繰り返して過ごしています。1年のある日だけ6時間の日ができてしまうと困ります。そこで4年に1度、1日増やせば混乱は避けられるのですから、上手い方法を考えたものです。
400年に3回、閏年を減らさなければ…
ただ、実際は1年は365.25日よりも短い、約365.242189日(2015年時点)なので、0.007811日のズレが生じます。時間にして約0.19時間(約11分15秒)と短いですが、毎年積み重なるので、長い間では不都合が出てきます。100年で19時間、400年で約76時間=3日と2時間が余分になります。そこで、400年で3日減らす方法として、100の倍数の年は平年とし、400の倍数の年は閏年としたのです。
つまり、1600年は閏年でも、1700年、1800年、1900年は平年です。西暦2000年の2月29日は、4年に1度の閏年ではなく、400年に1度の閏年だったのです。
私はかなりそれを気にしていたのですが、当日を迎えてもあまり話題になりません。あえて周囲の人に話題を振っても嘘や冗談としか思われず、食い下がって詳しく説明しても「だから何?」くらいの反応しか得られず、悔しい思いをしました。(多分、この記事もそうなりそうに思いますが・・・)
星の動きへの興味
ここまでの調整で、地球の1年は毎年365.2425日の計算となります。それでも、まだ毎年約0.000311日(約28秒)のズレが残りますが、これは1万年で3日に当たります。これをどうするかはまだ決まっていないとのこと。
したがって現在、計算上で地球の1年は毎年365.2425日となるのです。
とにかく、この仕組みを知って、春分、秋分、夏至、冬至、節分などの日が揺れ動くことに納得と感動を覚えました。春分の日がずれるのは、自然の気まぐれではなく、自然に合わせられない暦のせいです。
ある意味、400年経っても1日のズレも起きない暦を決めた人間の知恵にも驚きますが、その計算が成り立つのは、地球が一定速度を維持して太陽を回っているからです。今日は疲れたからちょっとゆっくり進むとか、彗星とお喋りしたいから急ぐとか、そんなことはありません。1万年に3日のズレに悩む人間を乗せて、毎年毎年同じ速度で太陽を回っています。
地球という表面は激変する天体の正確で悠久な動き。そんな風に考えると、当たり前だと思っていることが、当たり前に行われ続けるって、一つの奇跡にも思えてきます。
自然の偶然と人間の必然
このことを知るまでは、地球が太陽を回るのに4年に1回、1日遠回りをするようなイメージでした。少し考えればそんなはずがないとわかるのに、気づかず疑わずにいた不思議。それゆえ、気づいたときの驚きも大きかったのです。
今の太陽と地球との距離、1年の長さ(約365.242189日)は、いろんな条件が影響し合った結果、偶然決まったのだろうと思います。でも、地球上の動物が、一日一日で生活するリズムを決めたのは、毎日、陽が昇って沈み、夜になり、夜明けを迎え、また陽が昇るからで、必然的にそうなったと思うのです。そして人間が誕生し、太陽や影、月や星を意図をもって見ていた人がいれば、1年が繰り返されることに気づくのは必然だと思います。そして、知恵を絞って閏年を考え出し、今のグレゴリオ暦に行き着いたのも必然だと思います。
自然の偶然と人間の必然、それにより1年が365.2425日とされたのです。
この思いはやがて「 必然は偶然から始まり、偶然は必然から始まる」の言葉となって私の心に残ることになりました。
今週のお題「うるう年」