tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

漫画1.Best5 選出。1位は衝撃の1コマ、『童夢』の「ズン」。

かなり悩みましたが、私の高校時代の漫画best5です。

 

 

5位 『列島198X』沖一・史村翔(=武論尊) 講談社ヤンマガKC

本屋で立ち読みをしている時に偶然見つけて買った漫画です。米国とソ連の冷戦時代、ソ連が日本に侵略を始めるという架空の戦争を描いています。当時の高校生にはとてもリアルに感じられて、かなり衝撃を受けました。全2巻で長くはないですが、現実の問題を踏まえて描かれた良作だったと思います。後に、東映からアニメ『FUTURE WAR 198X年』が上映されますが、それとは無関係です。

 

4位 『じゃりン子チエはるき悦巳  アクション・コミックス

これはアニメ映画やテレビアニメ放送もあったので有名。私も映画を知ってから、原作漫画を読むようになりました。大阪の下町で、小学5年生の女の子チエちゃんを中心に、繰り広げられる人情豊かな物語には笑わされたり、涙したり。貧しさの中でも前向きに生きていく姿に心打たれました。映画になった部分は、何度となく涙があふれるシーンもあります。特に、電車の中で水道の夢を見ている場面は忘れられないです。漫画で涙が流れたのは、もしかしたら、この作品が最初だったかもしれません。 

 

3位 『うる星やつら高橋留美子 少年サンデー連載

これも、テレビアニメ、映画になった有名な漫画。でもこちらは漫画から入った作品です。週刊少年サンデーに連載されていたのを読んだのがきっかけでした。常に災難に巻き込まれる浮気な少年諸星あたると、鬼型宇宙人美少女ラムが繰り広げるドタバタラブSF学園コメディ。いろんな妖怪や宇宙人が次々と現れ、軽~い友情や、ふらふらする恋心、わかりやすいリアクション等もあって気軽に楽しめました。コスプレやオタク文化にも大きな影響を与えたと思います。ちなみに私はとぼけたコタツ猫がお気に入りです。よく落描きしてましたね。 

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タツネコ (こんな感じ)

2位 『風の谷のナウシカ宮崎駿 月刊『アニメージュ』連載

人類の行く先を暗示したようなSF・ファンタジー作品。独特の世界観がとてもよく練られていて、自然と人間の関わり方を鋭く描いています。私の中ではアニメ『未来少年コナン』のテーマを引き継いだイメージがあります。後にアニメ映画が公開され、広く世間に知られるようになりましたが、映画では描ききれない内容がふんだんにありました。漫画ではコマ割りライン、影の描き方も独特で、とにかくしっかり描き込みでいる感じが強かったのも印象的。台詞が多い場面もあって、しっかり読まないと理解できないこともあった反面、動きのあるシーンではスピード感たっぷりです。

映画公開は高校卒業頃でしたが、その前に連載が一時中断したこともありました。他のアニメ制作でも中断があり、連載は1982年2月号 - 1994年3月号と12年を超えながら、全7巻。でも、読者に合わせる作品にせず、作者の描きたいことをきちんと描きあげるスタイルで正解だったと思います。

 

1位 『童夢大友克洋 双葉社 アクションコミックス

 これも本屋で偶然見つけた単行本の漫画。表紙を一目見ただけで、吸い込まれるように手に取り、数ページ見て買うことを決意。立ち読みするのがもったいないくらいに思えたのを覚えています。とにかく、迫力が違うのです。漫画『ナウシカ』とは質の違う描き込みで、漫画ならではの、1コマ1コマが静止しているからこその、強烈な印象を残す感じ。恐らく、その表現方法は後の多くの漫画家に影響を与えたと思います。

不思議なことに、見開き2ページ全体を使った絵の迫力より、1ページの半分強の1コマ「ズン」の方が印象に残っているのです。これは、漫画が絵や台詞、音を並べているだけの表現ではないこと、そしてページをめくることや視線の流れ等、読者の動きによっても受け止め方が違ってくるように思いました。

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ズン (こんな感じの背景)

そんな風に考えて、台詞を読まずに絵を観るだけでページを進めたことがあります。もちろん、既に話を知っていたことも大きいのでしょうが、流れがわかるのです。そして効果音を示す音の文字が、脳内で勝手に音になって聞こえてくる感じ。

「漫画には、実写映画でも、アニメでも及ばない表現領域がある。」

あらためて、そう思わされた作品です。

恐らく、あの「ズン」がアニメで表現されていたなら、これほどの強い印象にはならなかったと思うのです。目で追いながら、不意に視線を釘づけにされる1コマ。これは漫画特有の醍醐味に思えました。

マンモス団地内の少女と老人に視点を当てているのも秀逸。漫画の読者層から離れた人物だけに、身近でありながらよく知らない世界を垣間見るような演出になっていると思います。他にも空から団地を見下ろす時の上下左右の浮遊感や、無言の威圧感等、画としての表現力は群を抜いています。

第4回(1983年)日本SF大賞受賞作になったのも納得でした。

 

 

ところで、best5に挙げた作品は、『うる星やつら』を除けば、定番の 週刊少年漫画「ジャンプ」「サンデー」「マガジン」「チャンピオン」以外の作品です。今になって気づきましたが、この時期にはもう、少年漫画に物足りなさを感じ始めていたのかも知れません。とは言え、少年漫画は30歳後半頃まで読んでいたのですけどね。

 

高校時代に連載中だった漫画

以下、今回の記事を書くに当たり思い出した作品を列挙します。

『Dr.スランプ 』『みゆき』『タッチ』『こち亀』『キン肉マン』『翔んだカップル』『さすがの猿飛』『Gu-Guガンモ』『バツ&テリー』『コータローまかりとおる』『さよなら三角』『キャプテン翼』『キャッツ・アイ』『ストップひばり君』『ブラック・エンジェル』『熱笑!! 花沢高校』『七色いんこ』『胸さわぎの放課後』『あした天気になあれ』『The・かぼちゃワイン』『あ!Myみかん』『ハイスクール!奇面組』『めぞん一刻』…

意外と少ないです。連載終了後の物もあるかも知れません。ほとんどは喫茶店や食堂、友達の家で読んでいましたね。記憶の薄い物も入っています。単行本の方が印象に残っていることも多いです。

 

 漫画については、また機会を見つけて記事しようかなと思っています。

 

 

今週のお題「好きな漫画」。