tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

脱いだり着たり裏返したり

今週のお題「秋の空気」。高校では10月1日に衣替えとなります。最近なら、10月に入っても気温30℃越えの真夏日も珍しくないですが、1980年代前半では、10月に30℃を超えることはまずありませんでした。ただ、自転車通学をしていたので、10月に入ってもしばらくは学生服だと暑く感じました。

 f:id:tn198403s:20191018233338p:plain

校則だったかどうか、記憶が少し曖昧ですが、衣替えの後の登校は学生服でないといけなかったように思います。加えて、ホック(詰襟)もしないといけなかったので、学生服の中は汗と熱気でムンムンした空気が、足の上下の動きに合わせるように襟首から顎下に吹き出てくるのです。

学生服を脱がずとも、ホックを外すなり、ボタンを外すなりすればいいと思いつつ、あえてそうしないのがマイルールでした。もっとも、我慢するのが辛くなると外すという軟弱さも持ち合わせていたので、登校中に暑さで気を失うことはなかったです。

 

これまた記憶に自信が無いのですが、朝、教室には「おはよー。」と声を出すのもマイルールだったように思います。返事をそれほど期待していた訳ではないですが、返っててくることが多かった気がします。

教室に入った後は、席に着くなりボタンを外し学生服を脱ぎます。その刹那、それまで身体にまとわりついていた熱気がさーっと逃げていくのです。そこで、ふぅ、と一息ついて、ようやく秋の空気に身を包まれた感じになりながら、椅子の背もたれに学生服を掛けてました。

 

中のワイシャツが汗に濡れていることもありました。半袖の時もあったかもしれません。下着のシャツを着ていたこともありましたが、衣替え直後は着なかったこともあったはずです。背中にワイシャツがぺったりくっついてしまって、嫌な感じがしたのも憶えていますから。

長袖を折り返し折り返しして、裾を肘より上にすることも多かったですが、そこでも少し秋の空気感がありました。汗ばんでいた腕が少しひんやりして、肌や毛が乾く感じも憶えています。

ただ、左手の腕時計のベルト辺りは、むぁ~とした感じが残ってました。腕時計を外しても、その下の肌が蒸されてふやけて、多少匂いがしていたのも憶えています。時間があれば、廊下の洗面所で手首を洗ったように思います。

 

秋の空気に触れている内に、身体が冷めてきて、授業が始まる頃にまた学生服を着るようになるのは、10月後半からだったでしょうか。でも、気温が上がってくる昼前にはまた脱いでた記憶もあります。そんなことを繰り返しつつ、段々と一日中学生服を着たままになっていったように思います。

 

自転車での下校時は、ゆっくり帰ることも多かったせいか、暑かった記憶はあまりありません。ただ、途中のスーパーやコインスナック(当時はあちこちにありました)でアーケードゲームに興じていた時は別。点々を食べるパックマンや、ビルをよじ登っていくクライマークライマー等、夢中になっていると熱くなってくるのです。二人で交代しながらやっていたり、つかの間の休憩タイムなどで、学生服を脱ぐことが多かったです。テーブル型のゲームだと、缶コーヒーを置いたりしています。その横にそのまま学生服を置くと、缶についた水滴跡で汚れることもあったので、学生服の内側が表になる様に、裏返して置いていました。

ゲームを終えた後、熱くなった体で裏返しの学生服を小脇に抱えて店を出れば、街はとっぷりと夜に包まれています。夜の秋の空気は朝よりも涼やか。国道沿いの店だったので、走り抜ける車のヘッドライトに照らされながら、心地良く身体が冷えて、学生服を着直していましたね。

 

脱いだり着たり裏返したり--。

高校時代、秋の空気の中で学生服は大活躍でした。