(1-1)タヌキの問題です。
たかたぶとたむしのあしたは、なんたぼたんでたしょうたか?
<答え>(カーソルで文字を反転させると見えます)
6本
これは、暗号パズルでは入門編。「タヌキ」が鍵(手掛かり)になります。「タヌキ」は、「た抜き」の意味なので、問題文から「た」を抜けばいいです。
(1-2)消しゴムの問題です。〇に入る文字は何?
ごしごし、むじゅうごろむく、ごくごく、ごはちごじゅうご〇ち
<答え>(カーソルで文字を反転させると見えます)
い
これも「消しゴム」が鍵です。消しゴムで消えるのはどんな字かがわかると解けます。
(1-3)東と違いの問題です。次の文を訳しましょう。
はちひゃはひかちともちちますが、かちのひかちをするとちうちみではありません。
<答え>(カーソルで文字を反転させると見えます)
歯医者は歯科医とも言いますが、会の司会をするという意味ではありません。
この問題も東と違いが鍵になっているのですが、どの字がどの字と入れ替わるかを示す意味だと気づけるかどうかがポイント。つまり、「ひ」が「し」、「ち」が「い」という次第です。
暗号には、いろんなパターンがあります。そして、意外なところで使われていたりもします。また、使われ方によっては、洒落だったり、遊びであったり、粋に思えたりもしますが、難し過ぎたり、理解できないこだわりであったりすると、とたんに毛嫌いされてしまうこともよくあるので、暗号を楽しんでもらうには、誰に、どのような難しさの問題を、いつ、どこで出すかに配慮することは重要です。それを、一部の人たちは「愛」と呼んでいます。
暗号の解読は戦争の流れをがらりと変える場合もありますたが、それをパズルと同列に語るのには大きな抵抗があります。人によってその範囲が違うとはいえ、やはり、解いて楽しい物、解いてもらえることを前提にした物をパズルとしたいです。
小学生の頃にもクイズ(実質はパズル)の本などで暗号にはまったことがありました。でもその問題のパターンが限られていて、一時興味が無くなりました。
しかし、中学校の英語の教科書にあったシャーロックホームズシリーズの「踊る人形」の話に暗号の奥深さ、幅広さを教えられました。高校時代、店先で「春夏冬二升五合」と書かれた板が吊らされているのを見かけました。後に「春夏冬=秋がない=商い」と「二升=升(ます)+升(ます)、五合=半升(繁盛)」から「商い益々繁盛」という意味だと知りました。また、浮世絵が描かれた時代に判じ絵(なぞなぞ絵)が流行したことも知りました。
それらの経験から、暗号は意外と古くから広く一般に親しまれていたこと、暗号をパズルと呼べる境界線は曖昧でも、その範囲は予想以上で、方法も豊富なことがわかり、暗号パズルの新たな扉が開かれた感じがしたのです。
歴史の年号を憶えやすくする語呂合わせも、ある言葉を無理やり漢字にした「夜露死苦(ヨロシク)」、「愛羅武勇(アイラブユー)」等も、たのきんトリオ、いもきんトリオ、ぶりっ子などの略語や流行語も、暗号として捉えることが可能だと考えるようになりました。下には、暗号パズルに改めて興味を持った頃に知ったものを判じ絵風にアレンジして紹介します。
(2-1)絵解きことば 1
<答え>(カーソルで文字を反転させると見えます)
ものしり
<ヒント>(カーソルで文字を反転させると見えます)
この動物の鳴き声と動物が見せている身体の部分は・・・。
(2-2)絵解きことば 2 (文字ですが)
<答え>(カーソルで文字を反転させると見えます)
へちま
<ヒント>(カーソルで文字を反転させると見えます)
赤い文字があるのは、「へ」の字と「ち」の字の間だから・・・。
(2-3)絵解きことば 3
<答え>(カーソルで文字を反転させると見えます)
ざるそば
<ヒント>(カーソルで文字を反転させると見えます)
点々のついた「さる」が、この人の近くにいるので・・・。
江戸時代の判じ絵の流れは、どことなく後の新聞の挿し絵に通じるものがあると思いました。ジョルジュ・ビゴーの風刺画も隠された意味が深く、十分に暗号パズルになっていると思います。
当時の時代背景や考え方を鍵に、絵を解くわけですが、振り返れば絵を読み解いたり、解説を知った後で、時代を知るということも多かったように思います。
このことは歴史や絵画に興味を持つようになった大きな要因になっています。今振り返ってみると、歴史は単に事実を追って覚える学習から、何故その事実が起きたのかを読み解く学習、あるいは新たに読み解くための鍵を入手する学習に変わりました。一枚一枚の絵画は、観る物から、何故その絵が描かれたかを読み解く鍵となり、絵画と絵画の繋がりや変化にも興味を持つようになりました。極端な言い方をするなら、「学習で得た知識や技術は、次の知識や技術を得るための鍵であり、人生は未知の暗号で満ち満ちている。」とも言えるのではないでしょうか。
(3)夏の文字の問題です。答えは何でしょう?
ヒント1 春は青いです。夏は何色?
ヒント2 答えは3文字です。
ヒント3 別の言い方は必要ですか?
<答え>(カーソルで文字を反転させると見えます)
いるか
高校時代、立体視を使ったパズルは作れませんでした。街中にコンビニもなければ、コピー機も身近な機械ではなかったです。間違いさがしの問題を作る時には、鉛筆で黒く塗り潰した紙をはさんで(カーボン紙の原理を使って)原画の絵をなぞって描いたことがあります。しかし、どうにも線の感じが違ってしまうので、納得のいく作品にはなりません。そんな状態だったので、立体視のパズルに手を出せずにいたのです。
でも、今ならパソコンを使うとかなり簡単に作成することができます。今回の記事を書きながら、35年前と比べて、本当に手段が豊富になったなあと思いました。時代の進化を実感しています。今後も時折には、高校時代に思いついてもできなかったことをやってみたいです。
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<余談「立体視」>
高校の地理の教科書か資料に、上空から山を撮影した写真が2枚並んでいました。写真には見方も書き添えられていましたが、それを読んでもすぐには理解できませんでした。左目で左の写真を、右目で右の写真を見ると、二つの写真が重なってくるように見えます。でも、二つがきれいに重なって見えるようにはなかなかなりません。
それが、ピタリと合うと、山の高低がはっきりとわかり、そこに落ちるんじゃないかと錯覚するほどに見えました。今でもその瞬間に得た感覚は憶えています。それは空に落ち込むかと錯覚した経験と似たものがありました。多分、空に落ち込む錯覚が先でした。(あ、あれに似てる。)と思った気がしますから。
立体視には、平行法(左目で左の画像、右目で右の画像)と交差法(左目で右の画像、右目で左の画像)の2種類があります。今では、どちらでも見ることができますが、慣れるまでにはそれなりの練習が必要でした。
平行法に慣れるまでは、目と目の間にはがきを立て、別々に見るようにしていました。顔を近づけたり、離したりして、焦点がピタリと合うまで試行錯誤を繰り返します。焦点が合うと画像に近づいて大きく見えている気になるのが特徴。ただ、二つの画像が上の問題のように離れていると、焦点を合わすのにかなり労します。
交差法の方が、浮き出し感は強いのですが、画像が小ぢんまりに見えます。私の場合、慣れるまでは平行法より時間がかかりましたが、画像が離れていても見やすいという長所もあります。
写真の並びによって、平行法と交差法のどちらでみるのが見えやすいか変わってくるようです。記事の問題(3)では、平行法で見ると答えが深い場所に見え、交差法では答えが浮き上がってきます。
実はこの技術も、戦地の情報をより詳しく把握するために活用されたこともあるのだとか。使い方の是非はともかく、その有用性が高いという証とも言えそうです。
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