tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

映画10.映画館で1本観るのに必要な料金と得られたもの。

最近、映画館の料金が一般で1900円になりました。もっとも、一般の料金で観ることはまずありません。割引の日やレイトショーなどを利用するのがほとんどで、6回利用すれば1回無料の特典もあります。仮にレイトショー利用で計算すると1300円×6回=7800円で7回観られる訳ですから、1回あたり1120円程。

 

なんだ、高校時代と100円ちょっとしか変わらないじゃん、と思いきや、高校時代は2本立て、3本立てが普通にありましたから、1本の映画を観るのには倍以上の料金にということなります。付け加えて言うと、高校時代は映画館から出ない限り、何回観ても同じ料金です。3本立てを2回ずつ観たこともありますから、その時は1本200円弱な訳で、6倍ほどの値上がり!

 

う~む。でも、料金にこだわると、「テレビやネットでの無料配信を待っていればもっと安く観られる」論が出てきてしまうので、それはそれで、「ソレハ、チョット、チガウ。」と反発したくなります。

 

やはり、映画は映画館で観るのが一番楽しめるというこだわりが、小学校の頃からあります。打ち上げ花火やコンサートをその場で観るのとテレビ画面で観るのとの違いと言えば大げさかも知れませんが、やはりどこか違うのです。

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観たい映画の選択から始まり、上映までの間合いや館内の暗さ、席の狭さ、画面の大きさ、音響、画質、字幕や音声、周囲への配慮、周囲の雑音、更にはその時の自分の年齢や考え方までひっくるめての映画鑑賞というか、映画館体験と言っていいと思います。

 

全部の作品について、それら全部を憶えているわけではありませんが、例えば、席の窮屈さと作品がセットになって記憶されているものもあります。高校時代に限って言えば『U・ボート』が筆頭。席の狭さに潜水艦内の狭さが重なり、わずかな身動きで椅子がきしんだ音が、深海にある潜水艦のきしみのように感じられ、びくっとしたことも憶えています。高校卒業後にヒッチコック監督作品『裏窓』をリバイバルで観た時も、窮屈な席が1つの演出のように感じられました。

 

音響効果で言えば、左右から聞こえる音の差や、不意に後ろから聞こえてくる音、席が揺れたような感覚に驚いた記憶もあります。小学生だった時の『ミッドウェー』では、爆音と振動に思わず席から立ち上がり、周囲を見回してしまいました。

 

以前に触れましたが『エデンの東』では、テレビ(吹き替え)と映画館(字幕)の差に気づくことができました。

これらは、映画館で観たからこそ得られたものだと思います。

確かにそれは、かつて200円程度で得られたものでもありました。でも現在、1200円かける値打ちがあるかないかと考えてみると、その値打ちが無いとは言い切れない気がします。

 

多少高くついても、映画はやはり映画館で観たい。

それは、映画文化を後押しすることにもなると、後年になって気がつきました。

それらを教えてくれたのは、高校時代の映画館体験にあると思います。自画自賛ではありますが、高校時代によくぞ100本程の作品を映画館で観たものだなと自分を誉めたくなるのです。