空の写真(1)空に落ち込むかと錯覚した経験
今週のお題「空の写真」。高校時代、実家の屋根上で大の字になって空を眺めていたことがあります。秋だったか春だったか忘れましたが、暑くも寒くも無く、程よく雲が浮かぶ青空でした。いろんな種類の雲がありました。
中学時代に習った雲の名前を思い出しながら、どの雲が高いところにあり、どの雲が低いところにあるか、考えながら見ていました。
「 けんけんけん、こうこうらんそう、そうせきせきそう、せきらんうん。」何かのおまじないみたいですが、中学時代に考えた私なりの暗記法です。
「けんけんけん」は、高層にある、巻雲、巻積雲、巻層雲。
高度にして5000m~13000m程。
「こうこうらんそう」は、中層にある、高積雲、高層雲、乱層雲。
高度は2000m~7000m程。
「そうせきせきそう」は、低層にある、層積雲、積雲、層雲。
高度は地上付近~およそ2000m程
「せきらんうん」は、低層の雲でありつつも、空高くまで成長する積乱雲。
高度は地上付近~およそ13000m程。地表近くから、雲の最高度まで届く雲です。
(※追記 雲の高さでの分類は、高層・中層・低層ではなく、上層雲・中層雲・下層雲でした。)
ただ、雲は見立てでははっきり区別するのが難しいものや、少しの時間で変わっていくこともあるので、大体の目安という感じです。
ぱっと空全体を見た時は、青い空の地に、雲の白い粉や液を撒いた感じで、二次元的に見えます。しかし、雲の大きさや名前からくる高さの想像をしている内に、突然、目前に大きな穴が開いた感じに見えたのです。やや高所恐怖症の私は、屋根上で大の字になっていながら、足がすくみ、ぶるるっと震えてしまいました。空に落ち込んでしまうのじゃないかという錯覚に陥ったのです。今まで目には見えていながら、見えていることに気づかず、不意に気がついて、そこにあるのを知った瞬間の驚きと喜び。
そんな風に空と雲を楽しむことを、自分勝手に「雲のかくれんぼ」と命名しています。
目の前の雲が1つの塊に見えていたのに、高さを考えている内に奥行きに差がある複数の雲の重なりや、しばらく見ている内に左の雲を右の雲が追い付き追い抜いて行くことに気づけることがあるのです。同じ高さにあると思ってた雲の動きを見ていると、実は二つの雲がずいぶん離れていたなんてことは、よくあります。
目の前の綿菓子のような積雲が、遠くで山にかかりそうな雲よりも低い気がした時など、不意に、もしかしたら家の屋根に上ってジャンプすれば手が届くのじゃないか、あるいは電線の高さすれすれなんじゃないか等と錯覚することもあります。
その辺は、人によって感じ方も違うのでしょうが、ともかくそんな風にあれこれ考えながら風景を見るのは、単に眺めるのとは違う楽しみがあると思います。
さて、今週のお題は「空の写真」。さすがに高校時代に観た空の写真に、これと言ったものは無いので、比較的最近撮った写真を並べてみました。
ほぼ、同じ場所から撮った写真ですが、左側は10時19分28秒、右側が10時20分50秒に撮った写真です。約1分半の時間のズレがあります。ズーム機能も使ったので、一部トリミングや縮小をして、見た目ほぼ同じ大きさの画像にして並べました。個人情報保護のため、右隅に白い切り取りをしています。
ここで、目につく右側102050の写真の真ん中辺りにぽっかり浮かぶ綿雲(積雲)に注目します。この雲の位置を考えてみましょう。写真の下の方に2階建ての家が小さく映っています。写真撮影した場所からその家までの距離と、雲までの距離はどちらが短いでしょう?問いをイメージしやすくします。「もし、この綿雲が、まっすぐ地面に落ちたとすると、その場所は2階建ての家よりさらに向こうでしょうか。それとも手前でしょうか。」
<20220223 加筆修正 雲や家等がわかりやすくするため印をつけました>
ここで、目につく右102050写真の真ん中辺りにぽっかり浮かぶピンク枠の綿雲(積雲)に注目します。左101928では、輪郭がぼやける上小さく見えるので、この雲は撮影場所に近づいて来ているのだと思われます。
この雲の位置を考えてみましょう。写真の下の方に2階建ての赤枠家が小さく映っています。「もし、このピンク枠の綿雲が、まっすぐ地面に落ちたとすると、その場所は2階建ての家よりさらに向こうでしょうか。それとも手前でしょうか。」
仮に家より向こうだとしましょう。そうすると、ピンク枠の綿雲は家の何倍もの大きさに思えてきます。その大きさに改めて驚いてしまいませんか?さらに、家向こうの山の黄色稜線より向こうだとすると、軽く一山はある大きさの雲が頭上に浮いていることになります。さすがに、それはなさそうですか?
次に、2階建ての赤枠家の手前だ仮定としましょう。急に雲が間近に見えませんか?そうして、家と手前に立つ電柱との間にあるとすると、ピンク枠の綿雲は少なくとも電柱の長さより厚みがある雲に見えます。もし、まっすぐ落ちたら、電柱の向こう側で2階建ての家を完全に隠してしまう大きさに思えるでしょう。
さらに、ピンク枠の綿雲が電柱より手前だと仮定しましょう。そうすると、あの大きさの雲でも、かなり小さくなった感じに見えてきます。イメージし易いように、撮影場所から電柱までの中間点にもう一本同じ高さっぽい電柱(赤棒)を描いてみます。
こうしてやると、綿雲は、向こうの電柱と赤い電柱との間に位置しているように見えてきます。綿雲がずいぶんと低く見えてきませんか?ジャンプして手を届かせるには無理でも、ホームラン級の打球なら届きそうな感じ。少なくてもスカイツリーよりはまちがいなく低いはず。そして、そんな風に見えた瞬間、綿雲の背景の空の高さにも注目するとーー。
ほら、雲の低さと空の高さとの違いに、めまいが起きそうなくらいの高低差を感じませんか?
え?感じないですか・・・。
実は、これまでに何人かにこういう話をしたことがあるのですが、「へぇ~、そうなんだ」というくらいの反応しかもらえてないのです。その反応に、伝わってないなぁとがっかりし続けてるので、もしかしたら、よくある私一人の勝手な思い込みなのかも知れません。
ところで、先に載せた写真を2枚並べた画像は、雲の位置の話とは違う2つの話のために用意した物です。でも、ここまでで、かなり長い文になったので、続きはまた別の機会に書きます。一つは、「雲の動き」の話。もう一つは写真にも写り込んでいる「珍しい雲」の話。でも、さすがにわかりづらいかなぁ?
※「空の写真(2)不思議な彩雲と雲の謎めく動き。」続く。