カテゴリー「高校時代の音楽」の中で触れた3曲、『悪女』(中島みゆき)、『甲子園』(さだまさし)、『ふるさと』(松山千春)には共通した点があることに気づきました。それは「喫茶店(サテン)」です。「tn7.スペースシャトル」でも話題にしましたが、喫茶店はよく行く場所の一つでした。
家から高校までの途中や近辺にある喫茶店は大抵行きました。友人や先輩と一緒のこともありますが、一人で入ることの方が多かったです。そこでの過ごし方は「音楽6.『ふるさと』(松山千春)」に書いた通り。
そんな中、卒業するまでに、マスターや店員に顔を憶えてもらえた店があります。いつからか、コーヒーをブラックで飲むことが増えていた私に、ミルクをつけずに出してくれるようになったのです。実は、当時、ミルクや砂糖はその時の気分によって、入れたり入れなかったり、飲み始めはブラックでも、途中で入れることもあったので、つけてくれてよかったのですけどね。何回かブラックで飲んだことが続いたので、私がブラック派だと思われてそうなったのでしょう。でも、それはそれで、店の常連になったような嬉しさもあり、そのままその店ではブラックで飲むことにしていたように思います。
コーヒーには、ちょっとしたお菓子(アーモンドやチョコ、あられ)がついていて、それがまた特別待遇(実際は、どのお客にもついてました)を受けているような気がしてました。時に、たまたま手に入ったという柿やメロンも頂いたこともあります。
先日帰省した折、その店に行ってみると、店はありましたが、閉店したとのことでした。でも、元マスターらしき人に「昔、よく来てくれたねぇ。」と話してくれたのには驚きました。高校卒業後にも何度か行ったことはありますが、それでも30年も前のこと。私の顔立ちや髪型も随分変わったはず。何しろ、今は口ひげを生やし、丸坊主なのです。もしかしたら別の人と勘違いしてるかもと思いつつ、あまり長話はしませんでした。仮に間違われていたとしても、そっとしておきたかったというのもありました。
ところで、当時は煙草を吸っていなかった私ですが、あちこちの喫茶店でよくマッチをもらっていて、ちょとしたコレクションになってました。大抵は平べったい直方体で、引きだし風に中箱をスライドさせて、中にはマッチが一列に並んでいるタイプ。マッチの頭は白で、軸は普通の木でした。
ただ、中には特徴のあるのもありました。箱が通常より細いながら、厚みがあってマッチが二段になっている物もあれば、厚さはそのままにマッチが半分ほどになっている物も。また、箱の形は同じでも、マッチの頭や軸の色が違う物もありました。中には一本一本頭も軸も違う色にしてあるものもあり、これは店員が一本一本詰めたのかも知れません。紙マッチタイプの物もありました。
でも、最近はマッチを置かない喫茶店が増えましたね。店自体を禁煙にする店も見かけます。
喫茶店の店舗数も随分減ったと思います。コンビニに飲食の席ができたことや、店頭で自分で入れるコーヒーの普及、缶コーヒーの多様化(ブラックの缶コーヒーなんて当時は無かったはず)、ネットカフェの増加、携帯電話(それ以前ならポケベル)によるスケジュールの合理化、そもそもの人口減少等も影響していると思います。
これらを一言で言えば、時代の流れとなってしまうのでしょうが、私としては、気楽に立ち寄れる居場所が減っているような一抹の寂しさも感じてしまうのです。