tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

遊び4.コンピューター

今は、コンピューターを「パソコン(パーソナルコンピューター)」と呼ぶのが普通ですが、1980年代前半は、「マイコンマイクロコンピューター)」が一般的な呼び名でした。

 

呼び名が違うのには、いろいろな説があるようですが、それは割愛。私のイメージでは、自分でプログラミングするのがマイコン、組み込まれているソフトを使うのがパソコンというイメージになっています。(実際は違うと思います。) 

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1980年代のマイコン イメージ

興味はかなりあったのですが、とにかく高価で、自分で買うことはもちろん、親に頼むことも無理でした。でも、仲の良い友人が手に入れていたので、頼んで時折りに使わせてもらいました。

 

電源を入れても、特に何か操作ができるわけでありません。マウスもないので、すべて入力はキーボードから。とにかく、自分でプログラミングをしない事には、何もできないのです。とは言っても、自分でプログラムを作る方法も知らないので、友人の本に載っていたプログラム例を、ほとんど、そっくりまねて、打ち込むくらいです。

 

それほど複雑なプログラムでは無かったのですが、何しろキーボードのどこに何のアルファベットがあるのか探しながらの作業なので、やたら時間がかかりました。

コマンド(命令文)や作業の順に、番号を振り分けます。その際、1.2.3.4…というのではなく、0100、0200、0300等のように振り分け、プログラムの見直しの時に0110等を使って、0100と0200の間に命令を挿入することを知りました。なるほど、ホテルの部屋のように、1階は100番台、部屋番号が12までだとしても、2階は200番台にするのと似ています。

 

プログラミングした実際の文章は覚えていません。ただ、乱数を利用してサイコロのプログラムを作ったように思います。内容としては、「サイコロゲームをしますか? Y/N?(yesならyキー、noならnキーを押す)」そしてyを押せばサイコロがスタートになるのですが、画面にはサイコロのイラストもなく、結果の数字(1~6)だけが表示されるというもの。文字表示にひらがな、カタカナが使えたかも覚えていません。

 

しかし、たったこれだけのために、何時間かかったでしょうか。1日では終わりません。作成途中のプログラムを保存しないといけないのですが、まだディスク(ペラペラのフローピーディスク)もなかった時代です。打ち込んだ文字を保存する媒体は、なんと、カセットテープでした。カセットテープに音でないものを記録できる、これは衝撃でした。友人は当たり前のように保存してましたが、本当に保存できたのかどうか気になって仕方ありません。保存した後、苦労して打ち込んだデータが二度と戻ってこない気がして、電源を切るのをずいぶんためらいました。それで消した後に、すぐもう一回電源を入れ、読み取り操作をしてもらったように思います。

 

別の日に、また記録を読み取ってもらって、再スタート。しかし、アルファベット1つ間違えているだけでも、エラーが出ます。何度も「間違っているはずはない」と思うのですが、誤字脱字の他、余分なスペースが入っていても失敗です。サイコロゲームを起動するときに、RUNと打ち込んでEnterキーを押していたように思います。でも、何度「 error 」が表示されたことか。

 

ですから、きちんとサイコロの数字が出てきた時は、ガッツポーズして喜びました。反面、その大げさな喜びように比べて、モニター画面はいたってシンプル。半角の数字が1つ、ぽろっと表示されるだけでしたから。

 

でも、この経験は、小さなミスでも許されないこと、機械を疑うよりまず自分のミスを疑うこと、そして、間違いさえ無ければきちんと動く、そんなコンピューターを相手にした時の心構えを教えてくれたように思います。言い方を換えれば、「コンピューター相手にいらいらするのは、時間と気持ちの無駄遣い」という感じでしょうか。

 

これは、大学時代、コンピューターのグラフ作成機能を使って絵を描く演習でも、生かされました。関数の意味など全然分からなかったのですが、とにかく例をお手本に、根気強く取り組めたのは、友人のマイコンを使わせてもらった経験のおかげ。度重なるエラーにも、いら立つことはなかったように思います。

 

いつしか、マイコンがパソコンと呼ばれるようになり、扱う人もどんどん増えていきました。操作をしながら、いらいらしている人もたくさん見てきました。でも、私自身は、ずいぶんとゆったり操作できているように思います。もっとも、プログラムを作ることは無いのですけどね。

 

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<余談「コンピューター」の最後の「ー」>

「コンピューター」と「コンピュータ」の表記は、どちらが正しいのかという話を聞くことがあります。「プリンター」と「プリンタ」、「メモリー」と「メモリ」も同様ですが、明確な規定はないそうです。語尾の「ー」がつくと、なんだか野暮ったい感じで、つけないと通ぶってる等の批評があるようです。ここでは、私が昭和世代(それでも人生の半分以上が平成ですが)なのだから野暮ったくていいし、文系の人間だから通ぶって見られるのは本意ではないという理由で、最後に「ー」をつけています。

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