tn198403s 高校時代blog

「人生に無意味な時間は無い。ただ、その時間の意味を感じることなく生きているだけである。」この言葉を確かめてみようと、徒然なるまま、私の高校時代(1984.03卒業)の意味を振り返り綴るブログです。

tn6.『ルパン三世 カリオストロの城』

モンキー・パンチさんの訃報を聞きました。お悔やみ申し上げます。代表作「ルパン三世」の原作漫画は、「読者の虚をつく」或いは「常識破り」、またブラックジョーク等、独特の魅力がありました。青年雑誌で連載されていましたが、アニメ化・映画化と続く中で、原作とはかなり違うキャラクターになっていきました。それについては、いろんな意見もあるようですが、原作の連載開始から50年以上経っても、アニメ化される等、衰えない人気には驚くばかりです。

  

私の中では、モンキーパンチと言えば『ルパン三世』、ルパン三世と言えば『カリオストロの城』。高校時代にハマった作品の一つです。劇場公開が1979年12月15日で、テレビの初放送は1980年12月17日。高校入試を控えながら、夢中になってテレビで見てのを覚えています。

 

高校時代にハマったというのは、実はラジオ放送があったからです。夜遅くの放送で、時折、アニメ映画の音声の放送がありました。『カリオストロの城』の他に、『宇宙戦艦ヤマト』や『あしたのジョー』もあったように思います。これらをカセットテープに録音し、勉強の傍らBGM代わりに何度も何度も聞いていたのです。そして、一番たくさん聞いたのが『カリオストロの城』でした。

 

一時は、全ての台詞や効果音、音楽まで覚えていました。台詞や効果音もできるだけ上手く言いたくて、テープを巻き戻して聴いたり、時にリズムをとってみたりしたものです。間合いや、音の高低など、いろいろ考えて聞いたので、いろんなところで役に立った気がします。さすがに今はかなり忘れてしまいましたが、お気に入りのシーンは意外と覚えています。

 

一番のお気に入りは、塔に閉じ込められたクラリスとルパンの再会シーン。

「どなた?」「ドロボーです。」「ドロボーさん?」「こんばんは、花嫁さん。」(中略)

から始まり、塔から助け出すというルパンに、このまま帰ってと答えるクラリス。その返答に嘆きながらも、

う。う。う。・・・・む・・・ ポン!(と、思いがけない手品を披露)

「今はこれが精いっぱい。」と、クラリスを笑わせます。

そして、後に「待ってるんだよ。」と言うルパンに、クラリスは、しっかり「はい。」と返事をするのです。 

 

クラリスの答えを否定も肯定もせず、説明や説得すらもせず、全く関係の無いことで安心させ、信頼を得ていくこのシーンは、たくさんのことを教えてくれた気がします。簡単にあきらめたり、強引な行動に出たりするのではなく、別の何か良い方法があるかもと考えてみるのもありですよね。もっとも、私にはこんな風に信頼を得られる魅力も技もないのですが、少しは心がけたいものですね。

 

今思えば、ルパンの優しさや明るい笑いに繋げる行動は、原作と大きく違いますが、「虚を突く」ことや「ジョーク」を活かす点で、上手く原作のルパンらしさを引き継いでいるように思います。この辺り、モンキー・パンチさんの原作を尊重した上で、宮崎駿監督のオリジナリティが出ていたのではないでしょうか。『カリオストロの城』が、ルパン作品群のターニングポイントとして、不朽の名作となりえたのは、そうした原作へのリスペクトにも理由がありそうに思うのです。

 

モンキー・パンチさん、素敵な原作をありがとうございました。

どうぞ、安らかに。

腕時計

高校の各教室に、時計が設置されていたかどうか、よく覚えていません。 

ただ、高校時代、日常的に腕時計をしていたのは覚えています。80年代は、アナログ(針)とデジタル(数字)が共存していました。一時は、デジタルの方が正確で、格好良いとされ、使える機能が多いことから人気だったように思います。しかし、程なくクォーツ時計がアナログにも取り入れられ、針なし数字表示では味気無く、時間の計算やデザインは、針の方が良いという人も再び増えてきたように思います。

 

クォーツ式アナログ時計は、1秒ごとにチッチッチ…と秒針が動いてました。よくよく見ると、秒針が動く度、微かに分針が動いているように感じましたが、単なる思い込みだったかも知れません。

デジタル時計は、日日:日日 日日という感じの液晶画面の中で数字が表示されていました。アラーム機能や表示の切り換え、ストップウォッチ機能、日付表示等の多機能さは便利でした。

 

そんな中、アナログとデジタルの両方を搭載した時計が登場しました。「アナデジ」或いは「テジアナ」腕時計の登場です。今となっては、まず見ることが無いですが、当時はけっこう流行っていたと思います。デザインも、アナログが上にあるタイプと、デジタルの方が上にあるタイプ、両方ありました。私が買ってもらったのは、アナログが上にあるタイプ。

 

頼りない記憶(アナログとデジタルの大きさの比率具合、色、ベルトのデザイン)をもとに、ネットで探してみました。探している内に、シチズン製、10気圧防水だったことや、リューズやボタンの配置も思い出しました。そして、恐らくこのタイプじゃないかと思われる物を見つけました。「シチズン アナデジ パラウォーター 100M防水 1981年製」。最終的な決め手は、10気圧防水=100m防水で、100の数字があったこと。あぁ、懐かしいなぁ。

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探している間に、他の懐かしい腕時計もいくつか見つけました。一見、針でありながら、文字盤の目盛がデジタル液晶になっていて動くタイプ。これって、ストップウォッチで使うときには、1秒で文字盤一周動いてたような・・・。文字盤や針、デジタル部分の位置が違うタイプ、針が液晶で表示されているタイプ等々。

 

でも実は、高校生活で腕時計を使っていた記憶はそれほどありません。一番覚えているのは、ストップウォッチで、最短記録を出すためにあれこれやったことかも。普通に、親指や人差し指でボタンの2度押し(スタートとストップの2度操作)では、0.1秒を切るのは至難の業でした。上手く力加減しながら、親指の付け根の下部分をボタンに押し付ける方法だと、0.05秒位が出せたように覚えています。コツは、押し付けた時に少し反動で押し戻されるものの、力を抜ききらずに押さえつける感じ。ボタンを押しきるまでに微妙なずれが生じ、結果2度押しになるのでした。かなり練習したので、現物があれば、多分、今でもできると思います。否、知らず知らずに運動神経が衰えていて、(あれ?こんなはずじゃなかったのに・・・)ということが増えてきているお年頃ですから、もしかしたらできるかも、程度にしておきます。

って、そんなことのために、腕時計を買ってもらったはずじゃないのにね。

 

見つけた画像は、am/pm 表示になっていた上、光の反射などもあったので、手を加えています。当時は通常24h表記にしていました。国鉄の時刻表等に合わせて、24hに慣れておこうと考えていましたから。

 

それにしても、一つの記憶にこだわる内に、他のいろんな記憶が連鎖して思い出されていくのは、意外と楽しいものですね。

 

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<余談 「広告の時計の時刻」>

ところで、高校時代、腕時計を決めるまでにたくさんの広告を見て、気づいたことがあります。「時計の針は10:10頃が一番美しく見える」「文字盤のロゴが隠れない」等の理由から、大抵の場合、広告の時計は似た時刻になっているのですが、それが会社ごとに微妙に違っていたということです。

改めて調べてみると、「シチズンは10:09:35、カシオは10:08:37、セイコーは10:08:42、オリエントは10:10:36 」のようです。(なお、CHANELの腕時計の広告では、そうした常識を覆し、持ち主とされるモデルの姿勢に合わせて、時刻を変えたこともあったそうです。)そんなわけで、今回のイラストもロゴがしっかり見えるように、でも各メーカーの時刻とは重ならないようにしてみました。ただ、デジタルの数字と針の位置が少しずれてます。ペコン。

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授業4.旅は一人旅に限る。

社会科は、選択科目がありました。「倫理・社会」「世界史」「日本史」「政治・経済」と「地理」のBだったかな?普通科と理数科で違ってたかな。ちょっと記憶があいまい。

 

「旅は一人旅に限る」の話

地理の先生が、ドイツだったかを旅行した時の話をしてくれたことがありました。その旅行をスライドにして見せてくれたように思うのですが、その内容については、あまり記憶がありません。

 

ただ、 話の中で、「旅は一人旅に限る。」というようなことを何度か話していました。その時は「そういうものなのかなあ?」とあまりピンとこなかったのですが、今では確かに一人旅の方が、気楽に楽しめるように思います。人にもよるのでしょうが、旅先で、見たい物、したいことは人それぞれ。観光地に着いてじっくり観たいと思っていても、「そっちよりこっちがいい。」「お土産買う時間が無くなる。」と言われる等、自分と相手とでズレができることは多いです。

 

 

私の一人旅は気まま

私は結構、寺社関係を巡るのが好きなのですが、日光東照宮では4時間くらいうろうろ楽しんでました。埼玉県、川越喜多院の五百羅漢でも500体あるという羅漢像の中で、十二支の動物それぞれと一緒にいる羅漢と自分に似た羅漢を探すべく、一体一体見て回りました。気になったのがあればじっと見入りますから、数時間かかりました。こんな感じなので、一緒になって見てくれる人を探すのは、五百羅漢の中で一番のお気に入り一体を探すより大変な気がします。 

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五百羅漢

金沢では、ホテルに着いた後で、兼六園が早朝無料開園してることを知り、翌朝は4時起き。金沢城を横目に兼六園へ。その後、近くに古い町並みがあることを知り、ついでに歩くことに。「もうちょっと歩いてみよう」「あれも見ておこう」って感じでてくてくてくてく。結局、ホテルに戻ったら9時過ぎ。シャワーで汗を流して、コンビニで買った軽い朝食を食べて、チェックアウトギリギリ。この日は約5時間かけて15km以上歩いてました。これも、気軽に誰かと行ける旅程ではないでしょうね。

 

旅先には汚いところも必要

またスライドの授業の中で、夜の街を写していたとき、先生から「旅先では汚いと思うような所も必要な所なんだ。」という話もあったように思います。これも最初は、繁華街?風俗のこと?と、よくわからなかったのですが、後に、地元の人が自然と集まるような下町等のことだろうと思うようになりました。料理が安くて美味しくてくつろげる、あるいは話が弾む場所。例えば居酒屋などで、その地元の話(本音?)を地元の人から聞く楽しさと言えるかも知れません。

 

旅先で寄った店(鹿児島県)

学生時代、一人で桜島などを観光した鹿児島の夜、何も知らずに、大通りから少し入った所にちょっと古そうでしたが、今夜はここ!と決めて飛び込んだ居酒屋。1500円程の定食に、きびなごの刺身、薩摩汁、ごはん、小鉢等があって、鉄瓶に入った焼酎の湯割りもついてきました。だいぶお年を召したおばあちゃん一人でやっている店で、「これ食べてみて。」と、試作品?残り物?などを無料のサービスで出してくれました。私が四国から来ていることを話すと、他のお客さんが来るまでの間、とつとつと鹿児島の話もしてくれました。

 

 旅先で寄った店(山梨県

山梨県では、漫画「美味しんぼ」で紹介されていた、富士五湖の一つに面した喫茶店?レストラン?で滅多に食べられないというヒメマスの味噌焼き?を求めて行ったことがあります。バスで近くの観光地まで来ていたので、歩ける距離と考えたのが、失敗。山道はきつく、晩秋の頃だったのに汗もかきかき、店についたのは閉店30分前。客は私一人。しかも、残念ながら主人は不在。それでも、「マス味噌食べられますか?」と聞くと女将さんが「ヒメマスは主人が趣味をかねて釣ってる魚で、運よく手に入った時しか出せないんですよ。」とのこと。そんな話をしてるうち、終業時間近くになり、あきらめて、すぐ用意できる別メニューを探そうとしていたら、店の主人が丁度、ヒメマスを引っ提げて帰ってきました!そして、そこから私のためにつくってくれることに。営業時間はもう過ぎてしまいましたが、にこにこして出してくれました。漫画に倣って、甲州ワインで飲みたいというと、「ワインに合わないこともないですが、一番おいしく食べられるのは、ごはんですよ。」との返事。

 その日の宿には夕食も頼んでいました。なので(さすがに、このタイミングで、ごはんは…。)と躊躇したのですが、女将さん「ワインの方が良いですか?」といかにも残念そう。(ええい、ままよ!)と決心して、ごはんの小、マス味噌、小っちゃいグラスのワインを注文。ヒメマスの美味さは格別で、結局全部ペロリ。私の食べっぷりをみて、「まぁ、美味しそうに食べてくれますね」と喜んでくれました。うん、ワインとマス味噌も合うには合ったのですが、それよりご飯。もうばくばく進みましたから!

 結局、山歩きで時間を取ったおかげで、主人の帰りに立ち会えて、営業時間を超え、マス味噌を食べることができました。こういう奇跡的な偶然も一人旅ならではのことでしょう。お腹は結構膨らんだものの、宿の夕食も何とか完食できました。

 

 まとめ

なんだか、自分の体験をだらだらと書いてしまいましたが、一人旅ならではの楽しみ方は結構多いです。今では「旅は一人旅に限る。」に大きく肯いてしまいます。ただ、地理の先生のような外国への一人旅は、未体験のままです。

 

※ もっとも、だからといって複数で行く旅が駄目だというわけではありません。複数なら複数の楽しみ方もあります。ただ、複数の旅は受身の姿勢でも行くことができます。その点、一人旅は自分で行きたいと思わないと行くことがないと思うので、その面白さを知っておくのも良いんじゃないかなと思います。

 

※ この記事は、以前掲載していたものを、編集したものです。